こんにちは!管理人のすのうです。
今回のテーマは「果樹の防寒対策」です。記事内ではレモンを中心に防寒対策した話をまとめていますが、せとかやキンカンなどの柑橘類全般に関わる内容となっています。柑橘類は人気の果樹で自宅の庭に植えている方や鉢植えで楽しんでいる方も多いのではないでしょうか?
しかし、一般的に柑橘類は寒さに弱いと言われておりレモンであれば品種にもよりますが-3℃くらいで葉が落ちたり枯れたりしてきます。栽培している地域が-3℃くらいまで冷え込む可能性があるならば防寒対策をした方が良いと思います。
今回は「防草シートとモミガラ」を使った根っこ付近の防寒対策、「不織布」を使った地上部の防寒対策を行いましたので紹介していきます。
過去の記事には100均の「衣類カバー」を使った防寒対策も投稿しています。衣類カバーは半分が透明で半分が不織布のカバーでした。通気性と防寒対策をあわせもった良い形状でしたが強風によってほとんど破損してしまいました。軒下での鉢栽培などでは効果があると感じましたが、風の強くあたる場所では適していませんでした。
簡単でコスパの良い衣類カバーでの防寒対策を知りたい方はこちらの記事も読んでみてください。
今回は昨年の反省を活かして強風の可能性のある露地果樹エリアで「不織布」を使った防寒対策をすることにしました。効果の確認は2024年の3月頃に記事を更新して報告するようにしますのでよければ読んでみてください。
露地植えレモンの防寒対策
農園で栽培している柑橘類はほとんどがビニールハウス栽培です。12月は収穫シーズンに入り「ぽんかん」や「レモン」を収穫しています。ハウス栽培の柑橘は防寒対策をしていなくても枯れることはなかったため露地植えの柑橘のみ防寒対策をしていきます。
個人的な感想になりますがハウス栽培の柑橘類は露地栽培に比べて管理しやすく傷の少ない良い果実が収穫できていると感じます。特にトゲのある果樹は風によって葉や果実を傷めてしまいます。トゲ切りをしていると比較的マシですが露地栽培では管理面で注意が必要ですね。
こちらはビニールハウスでポット栽培している果樹になります。冬場も特に防寒対策はせず扉を閉めて寒い空気を入れないようにするくらいですが枯れたりせず栽培できています。
12月中旬頃より出荷しています。良い色になってとても美味しいです。
防寒対策|果樹の根
防寒対策をするにあたり、根の保護を考えました。理由として植物にとって最も大事な部分は根っこだからです。地上部の葉っぱが害虫に食い荒らされても、草刈り機で地上5㎝から上を切り落としてしまっても(過去に私がやりました…)根っこさえ無事ならなんとか耐えられます。
根っこを寒さから守る。最初はこちらから対策していきます。
今回行った対策は「防草シート」と「モミガラ」です。地面をむき出しにせずクッションを挟むことによって寒さを緩和するようにしました。
ちなみに不織布を巻いて防寒対策をしたのは2023年の12月中旬ですが、防草シートとモミガラで地上部の防寒対策をしたのは11月上旬頃です。理由としては何かしらの問題が出ないか確認したかったからです。防草シートとモミガラを敷いたことによって生育に悪影響がないか観察していました。今のところ問題がなかったのでそのまま防寒対策を継続することにしました。
プラスの効果として防草シートを敷いたことにより雑草が出てこなくなりました。当然と言えば当然ですが果樹周辺の草むしりの手間がなくなりました。特に果樹エリアではツル系雑草「ヤブカラシ」や「アサガオ」が目立っており果樹に絡みつくこともありました。防草シートによりツル系雑草が侵入しにくくなったため管理面が楽になりました。
余談ですが果樹エリアでは雑草抑制に「クローバー」と「ナギナタガヤ」を使っています。繁殖力の高いクローバーや夏前に自然倒伏するナギナタガヤで地表を覆って雑草抑制を狙っています。どちらも良い面を確認でき今後も活用する予定です。
自然倒伏するナギナタガヤの記事はこちらです。
繁殖力の高いクローバーの記事はこちらです。
防寒対策|地上部
根っこの防寒対策をしたら続いて地上部の防寒対策をしていきます。地上部は「不織布」を巻いていく一般的な方法にしました。
イメージ的に果樹の防寒は白い不織布を使っていることがほとんどだと思いますが、今回は黒い不織布を使いました。理由は農園に黒い不織布が余っていたからです。お金をかけずに使えるものは使う!もちろん必要があれば何でも購入しますが、遊休品で使えるものは使っていきます。
では、農園の露地柑橘に不織布の服を着せていきます。
今回防寒対策として使ったアイテムは「不織布」「麻紐」「防草シートのピン」です。農園の露地果樹エリアは強風が吹くため風の対策として麻紐とピンで固定することにして、やってみた結果はそれなりに効果がありそうだと感じました。単管パイプで支柱をしている場所は不織布を巻いて麻紐で固定するだけにしました。
防寒対策の手順ですが、まずは不織布を必要サイズに切っていきます。体感で果樹1.5~2周巻けるくらいの長さに切りました。販売されている不織布の中には果樹に被せるだけの簡単なものもありますが今回はロールタイプですので必要サイズにカットする必要があります。栽培している本数が少なければ被せるだけのタイプ・たくさん本数がある場合はコスト的にロールタイプが良いと思います。
作業の日はそれなりに強い風が吹いていましたが特に問題なく不織布を巻けました。
最初に地上ギリギリで不織布を巻いて麻紐で固定し、続いててっぺんを麻紐で固定しました。見た目的には最初は花束の梱包で最後はレモンです(分かりにくかったらすいません)
上下1か所ずつ麻紐で固定したら地面にピンを打って麻紐を結びます。そのまま不織布を巻いた果樹の真ん中を1周巻いて逆側に打ったピンに固定します。
何もしない状態に比べて動きにくくなったと思います。
ちなみに私が使っている押さえピンはdaimらくらくシート押えピン20㎝タイプです。使い勝手もよく重宝しています。麻紐は6本撚りの耐久性のあるものを使用しました。
注意点として枝を折らないようにしましょう。無理やり不織布を巻かずに様子を見ながら作業を行います。
不織布のサイズによって果樹の枝が出てしまうことがあると思いますが、私はそのままにしています。理由として特に重要な中央の保護ができているからです。
端の枝や葉が枯れてもそこまで致命傷ではありませんが中心に近い部分は大切でたくさんの枝や葉があります。(栽培1年から2年程度の果樹を中心に防寒対策しています)こちらの枝や葉を守ることを優先して不織布を巻きました。気になるようであれば不織布を追加して巻くようにしてください。
柑橘のトゲの話
不織布を巻いていて注意することは「トゲ」です。柑橘類の中にはトゲの強烈なものが存在します。特に防寒対策した中では姫レモンが特に強烈なトゲでした。
不織布を突き破って存在をアピールするほどの強烈なトゲです。ちなみにレモンのトゲは生育に関係ありませんのでトゲ切りをしても問題ありません。トゲを落としておくと後々の管理しやすくなるため余裕があれば切っておくといいですね。
ちなみに私はあまりトゲ切りをしていません。なぜなら面倒だからです(笑)このレベルのトゲを切っている時間があるなら別の作業をします。
これは姫レモンですね。たくさんのトゲが出ています。
個人的な感想ですが、露地姫レモンはハウス姫レモンに比べてトゲが多く長い気がします。雑草や強風などのストレスのかかる場所での栽培はトゲが発生しやすいかもしれません。
トゲに刺さりながらなんとか防寒対策を終えました。
効果の確認
2024年2月下旬、最近は最低気温の高い日が多く冷え込むことが少なくなりました。
大寒波は来ないだろうと判断して不織布・防草シートを取り外すことにしました。
2年前はとてつもない寒波が来て農園の露地果樹はかなりのダメージを受けましたが、今年の寒波は比較的マシだったと思います。
不織布から出ている部分の葉っぱは少し変色していますが枯れたり、落葉したりはしていませんでした。恐らく不織布なしでも耐えられたのだろうと思います。
では、不織布を外して効果の確認をしていきます!
結果は大成功!不織布の下は鮮やかな緑でした!防草シートとモミガラで根を守り、不織布で上の寒さを緩和したことで果樹へのダメージを最小限に抑えることができました!
ここまで効果があるとやってよかったと思います。
続いて不織布で守られなかった部分との比較をしてみます。
写真を見てもハッキリ分かります。
不織布を巻いていた部分は色がしっかりしており、この状態で春を迎えられるのは栽培する上で理想の状態ではないでしょうか。
不織布と防草シートは回収して来年の冬越しで再利用したいと思います。
まとめ
今回はレモン(柑橘類)の防寒対策を記事にまとめました。2023年の12月中旬に全ての防寒対策を終え、春前には不織布を外します。
効果の確認(結果)は春頃に記事を更新するようにしますので興味があればまた読んで頂けると嬉しいです。昨年は衣類カバーの防寒対策で失敗した部分があるため今回は良い結果を報告できたら良いと思います。(追記しました)
ちなみに衣類カバーの取れてしまった柑橘類は葉がほとんど枯れて落ちましたが春頃に新芽が出てリカバリーしました。ただ、葉の展開が遅れたため果実はそれほど実らず樹自体もそこまで大きくなった気がしませんでした。
次こそ葉を残して冬越しして春先に良いスタートダッシュを切れるように頑張ります。
2024.1追記
1月下旬、農園に積雪を確認しました。一時は前方が見えなくなるほど吹雪いており、気温もマイナス3℃程度まで下がりました。今回は不織布を巻いたこともあり、以前のように飛ばされることはありませんでした。
不織布から出ている部分は葉がパリパリになりかけていましたが不織布に包まれた部分は無事でした。
冬はまだ始まったばかりです。今回は無事に春を迎えることができたら良いと思います。
農園では2021年の12月にレモンの苗木を70本購入してレモン栽培を始めました。その後も少量レモンの苗木を追加で購入して露地植え・鉢栽培を楽しんでいます。メインはビニールハウスでポット栽培となりますが、こちらのレモン達の作業内容を記事にまとめて定期的に投稿しています。
記事はカテゴリー「レモン日記」に投稿していますのでレモン栽培に興味があればこちらから気になる記事を探してみて下さい(^^)
2021年に土作りから始めたレモン栽培ですが2023年にはたくさんのレモンを収穫できました。収穫したレモンはグリーンレモンとして販売したり熟して販売したり自宅で消費したりしています。最近のマイブームは「レモン香るバスクチーズケーキ」作りで週一ペースで作っています。
写真でも分かる通り橙色のレモンがあります。これがレアな品種「姫レモン」です。みかんのような色ですが味はレモンで酸味が強いです。他のレモンはグリーンビアフランカですね。
レモンはたくさんの活用法がある魅力的な果樹ですのでおすすめします。レモンライフを楽しんでみてはいかがでしょうか?
今回も最後まで読んで頂き感謝です。
コメント