アスパラ農家の設備投資|アスパラロールで負担軽減

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アスパラ栽培

こんにちは!管理人のすのうです。

今回のテーマは「アスパラ農家の設備投資」です。久々のアスパラ日記ですね(^^)アスパラ栽培の各作業はある程度記事にまとめてしまっているのであまり投稿できていませんでしたが、久々に変化がありました。今回はアスパラ栽培の負担軽減に繋がる設備投資の話と最近のアスパラに関する作業内容を記事にまとめていきます。

個人的にはアスパラ栽培は難易度の高いように感じますが、各作業の要点さえ理解していれば美味しいアスパラが収穫できると思います。アスパラに興味があれば是非とも栽培に挑戦して楽しいアスパラライフを送ってみてはいかがでしょうか?

当ブログではアスパラガスの栽培や料理を記事にまとめて投稿しています。他にも柑橘やキウイフルーツなども記事にしており種類別にカテゴリーを分けています。アスパラガスに関するものはカテゴリー「アスパラ日記」にまとめていますので興味があればこちらから記事を選んでみてください。

アスパラ日記|設備投資と鉢植えの話

さて、この記事を書いている2024年1月はアスパラ作業として「黄化」したアスパラ下部を地上部から刈り取って圃場から出して焼却することをやっています。簡単に言うと地下の貯蔵根っこに養分を送り続けて地上部のアスパラ株が枯れたので刈り取った作業です。

この刈り取ったアスパラ株を圃場(栽培している場所)から出して焼却する理由として病害虫の菌や卵が付着している可能性があるためです。枯れた部分をマルチとして活用されている方もいそうですが特にビニールハウス栽培では温度も高めのため病害虫にとっては心地よい環境です。越冬しやすく隠れる場所にもなるため圃場外で焼却処分することが基本となっています。

まずは作業内容を軽く説明していきます。

※栽培が小規模の場合や趣味の園芸の場合はなかなか焼却するのは難しいのかもしれません。その場合も栽培している場所からは離して処分(ゴミとして処分するなりマルチとして活用するなり)してください。

黄化したアスパラ株

うちのように少し栽培面積がある場合、アスパラ株を圃場から出すだけでも一苦労です。うちはアスパラ栽培をしているビニールハウスが15棟ありますが、年末のアスパラハウスはこんな感じです。

アスパラ栽培をしたことがない方は驚かれるかもしれませんが、これは皆さんが認識しているアスパラが成長したものです。当然ながらアスパラも植物ですので光合成をして養分を作り出します。

このもさもさが役目を終えて黄化したら地上部から全て刈り取ってビニールハウスから出していきます。うちの場合は離れたところの田んぼの一角に持ち出して焼却していますが煙が出ますので風向きに注意しています。近隣の住宅街に煙が流れれば不快な思いをさせてしまいますので煙の方向まで考える必要があります。これはモミガラくん炭の時と同じですね。

モミガラくん炭はとても使い勝手の良い土壌改良資材ですし、モミガラから簡単に作ることができます。一方で作っている間は煙が出るため注意が必要です。

圃場からの持ち出し

先ほどのアスパラ株を地上部から刈り取ってビニールハウスから出しますが、うちでは草刈り機を使っています。アスパラ株の倒伏防止にネットやネットを付ける支柱を立てていますので巻き込まないように注意が必要です。草刈り機はとても便利ですが操作を誤ると怪我に繋がります。安全作業を心がけましょう。

運搬には軽トラを使用して荷台に積めるだけ盛ります。アスパラ株自体は枯れているので重さはそれほどありませんが嵩があります。50mのビニールハウス1棟だけでも何往復も積む必要があります。

枯れたアスパラ株は葉っぱ部分がすぐにボロボロになって空中に舞います。体につくと痒くなったり不快感が出るため防塵マスクと体を覆う作業服が必須装備となります。こちらは軽トラに積み込んだアスパラ株です。体感的にこれを5~8回ほど積んでやっと1ハウスが終わるくらいです。

設備投資の検討

ここまでが普段の作業紹介で、ここからが本番です。このアスパラ株の持ち出し作業をなんとか楽にできないか…自分で調べたり周囲の方に相談して1つの可能性に辿り着きました。

「麦わらのようにロールにできないか」

皆さんは麦刈りシーズンに田んぼにロール状のものが置いているのを見たことがありませんか?麦わらロールだったりビニールのようなものが巻いているロールだったりしますが、これは「ロールベーラ」と呼ばれる機械でロール状にしています。

一般的には牧草や稲わらや麦わらをロール状にして家畜の飼料として活用されることが多いですね。農家さんの中には麦わらロールを作って運搬し、果樹や野菜のマルチとして使われていることもあります。

このロールベーラをうちでも使えないか?

黄化したアスパラ株をロール状に圧縮したら持ち運びが容易になり運搬回数が大幅に短縮するのではないか?仮に1ハウスの運搬回数が8回で設備導入によって半分になったとするなら…15ハウスで60回の軽トラ運搬が短縮されたことになります。ロール化にどれほどの時間や手間がかかるか分かりませんが60回分の運搬や労力がなくなることを考えるとメリットがありそうです。

前向きに導入を考え、ロールベーラを実際に使った作業を想像するといくつかの問題点が浮かび上がりました。

設備投資の問題点

大きな問題点は2つあり、最初に思ったことは「機械のサイズ」です。私の知っているロールベーラは田んぼで麦わらなどをロール状にするため基本的に大きいです。当然ながら小さな機械でロールを作っていたら大きな田んぼでは時間がかかってしまいます。

普段見るようなロールベーラは人が操縦席に座って作業を行うタイプです。そのサイズになると当然ながらビニールハウスでは作業できません。

ここが一番の問題点だと思います。アスパラを露地栽培している場合であればロールベーラは可能性があったのかもしれませんが、そもそもハウスに入れないと作業もできません。

続いて「アスパラ株をロール化できるか」と言う問題です。

牧草や稲わらや麦わらはどちらかと言えば柔らかいと思います。一方黄化したアスパラ株はパキパキした細い枝のような状態です。ロール化する条件が柔らかい草や柔らかいものであるならばアスパラ株は適していないことになります。

この2点を最初に解決しないと設備導入は実現しなさそうです。

設備投資の問題解決

ネットで調べていてもよく分かりません(笑)私自身、ロールベーラへの知識もないので「苦手は詳しい人に頼る」この考えで手助けしてもらうことにしました。

農機具関連でお世話になっている方に相談して問題点を解決することができました!

最初にロールベーラのサイズですが、とあるメーカーさんから「ミニロールベーラ」が販売されていることを教えていただきました。後ほど機械は紹介しますが、特徴として「自走式の歩行型ロールベーラ」で乗用型ではないためコンパクトでビニールハウス内に入れるサイズとのことでした。

このミニロールベーラはコンパクトな分、ベール寸法もΦ50×63㎝ですがアスパラ株のロールに大きなサイズも必要ありません。導入への期待が出てきました。

続いてアスパラ株のロール化ですが、このロールベーラを販売している場所に聞いていただきました。回答としてはアスパラ向けに作ったものではないので…とのことですが、アスパラ農家さんで導入されている方もいるとの情報を頂きました。

特に問題もないそうですのでデモ機をお借りして実際に農園で試してみることにしました(^^)

自走小型ロールベーラ

新たに仲間に加わったのは株式会社タカキタ様の自走小型ロールベーラ「SE-512」です。基本の機能に的を絞り比較的安価なモデルです。大きな面積で作業するのは大変でしょうがビニールハウス内で作業する分は問題ありません。むしろこのモデルが理想形です。

気になる方はタカキタ様のページから詳細を確認してみてください。需要があるようでしたら詳細をまとめた記事を投稿していきますが今回は導入の様子を簡単に紹介していきます。

作業の様子はこんな感じです。

地上部からアスパラ株を刈り取るのは同じで刈り取った株を通路に寄せます。そしてロールベーラを通路に走らせてアスパラ株をロール化していきます。

操作方法がシンプルですので覚えてしまえば問題なく作業ができます。最初は結束紐がうまく落ちずにロールの固定でできないトラブルもありましたが原因が解決してからは問題なく作業できました。

アスパラロールは1人でも簡単に持ち運べてハウスの奥から軽トラまでの運搬も苦になりませんでした。株の持ち出しは時間と労力がかかっていましたが大幅に改善されました。

ちなみに50mのアスパラハウス(3畝)でロールが10個から12個できました。軽トラへの積み込みはロールを重ねた場合、1回で運べるようになり5回~8回かかっていた運搬は大幅に改善されました。

こちらはロール化したアスパラ株です。

見事なロールですね。ハウス内の雑草もまとめてロール化して効率的です。アスパラ株がロール化できるか不安でしたが問題なくできました。

今後の課題

大きな問題なくロールベーラを使うことができましたが、今後の課題も見つかりました。

ビニールハウスには倒伏防止のネット・ネットを取り付ける支柱を打ち込んでいますが、場所によってはロールベーラギリギリの幅で操作しにくかった時がありました。支柱の位置はもう少し考えた方が良さそうですね。

支柱の改善策としては「千鳥配置」に変更しようと思います。千鳥配置とはタテとヨコにそろえないで、上下左右へ交互にずらしながら配置することで支柱の位置を揃えて打ち込んでしまっていましたがずらすことでロールベーラを走行させやすくなります。

千鳥配置はジグザグに歩く千鳥足から派生したと考えられており、真っすぐ走行すると支柱に当たってしまう場合でも千鳥配置に変更すれば支柱を避けられます。

15ハウスの支柱を調整するのは一苦労ですがぼちぼち進めていこうと思います。

雑談:鉢植えアスパラ

農園では60ℓ又は100ℓの大型鉢で試験的にアスパラ栽培をしていました。結果として問題なく生育して収穫もできたことを確認できました。

果樹ハウスの一角で自動給水ホースを繋いで栽培を進めていましたが、結果に満足したので鉢からアスパラ株を取り出して引越しさせることにしました。ここでは雑談として作業内容を紹介していきます。

まずは2023年の12月の様子を紹介します。アスパラ株は黄化して地上部が枯れました。

普通のアスパラ作業と同様に地上部を刈り取ります。だいたい1株から10本~20本くらい芽が出て伸びていきました。使った土は適当に配合したものでしたがしっかりと成長してくれました。

役目を終えた株たちは別の場所(ビニールハウス)へお引越しです。給水ホースを片付けてアスパラ鉢のスペースはもともとの住人(果樹)にお返しします。

アスパラ栽培をしている方でも地下のアスパラ部分を見たことがない方はいるのではないでしょうか?アスパラの鉢をひっくり返してアスパラ株を出したので紹介しておきます。

まずは地上部を刈り取ります。

この鉢をひっくり返してアスパラ株を回収します。

これが1年間~2年栽培した鉢植えアスパラの株です。最初は小さな芽でしたが、成長させるとアスパラは2m近くまで大きくなります。大きな親茎はたくさん光合成を行って根(貯蔵根)に養分を送り続けます。アスパラ栽培ではいかに貯蔵根に養分を蓄えるかが重要で、春のアスパラ(春芽)の収量に大きな差が出ます。

たっぷりと養分を蓄えたアスパラ株、次の春に収穫できると思います(^^)

ちなみに写真に写っている台車は鉢の運搬台車です。うちでは60リットルから100リットルまでの大型鉢を管理しているので運搬を楽にするために購入しました。ただ、土の入った鉢を動かすのは大変で、体感的に40㎏くらいが普通に運搬できる限界です。

鉢の運搬台車に興味があればこちらの商品リンクも確認してみてください。

では、アスパラ株の裏側も見ていきましょう。こんな機会はなかなかありませんので貴重です(^^)

100リットルサイズの鉢に沿って根が巻いていました。普通に栽培をしていると根が巻いている状態は好ましくありませんが、試験的な栽培ですので問題ありません。このアスパラ株達は欠株を起こしているアスパラハウスに移植して春芽の萌芽を待つとします。

ところどころにアスパラが待機しており春の暖かさを待っているようでした。ここまで株が出来上がっているとそこそこの収量が期待できそうです。

まとめ

今回はアスパラ作業の設備投資をメインに記事を書きました。アスパラ農家のつらい作業の1つに黄化した株の圃場外への持ち出しがありますが、今回の設備投資で負担が軽減されたのではないでしょうか。

うちの場合、ビニールハウス内の支柱配置を千鳥に変更する必要性を感じられ、来シーズンの課題となりました。支柱を抜いたり、打ち込んだりする作業も地味に大変ですのでこちらの作業でも負担が軽減できないか調べていきたいと思います。

ロールベーラで黄化アスパラをロール状にしましたが、せっかくロールにしたので何か活用法がないか調べてみました。もしも焼却処分するだけだったものがロール状に加工すればお金に変わるとしたら…こんなに嬉しいことはありません。

と、言うことでロールと言えば家畜ごはんのイメージがあるので近隣の牛さん農家へ連絡してみました!

結果は…惨敗(笑)牧草や藁をロール状にしたものであれば良いが、アスパラ茎のような硬いものは飼料としては向かないとのことでした。まぁ、うすうす分かっていましたがアスパラ茎が乾燥すると硬い部分もあり、特に紫品種になるとトゲのようなものもあります。

さて、次の可能性はマルチング材としての活用です。アスパラロールを果樹園に運搬して結束紐を切り、果樹周辺に敷き詰めます。天然の資材ですので将来的には分解されて土に還る。分解されるまでは雑草抑制の効果や地表の乾燥対策として活用できます。

方向性てきにはこちらを試していこうかと思っています。懸念点はアスパラ茎についた病害虫ですね。アスパラは病害虫に弱く茎枯れ病やヨトウムシなどの被害にあいやすい植物です。マルチとして使用すると言うことは病害虫がそのまま越冬してしまう可能性があります。リスクを考えると焼却処分した方が良さそうです…

マルチ活用は少量からやってみて様子を見ながら範囲を広げたいと思います。

鉢植えアスパラの方もうまく栽培することができました。土作りは適当でしたが次々と萌芽して貯蔵根に養分を蓄えられました。このアスパラ株達は鉢植えからビニールハウス植えに引越しし、春芽の収獲に備えていきます。

以上が今回のアスパラ日記となります。今回の記事が何かの役に立てたり、楽しんでもらえると嬉しいです。

今回も最後まで読んで頂き感謝です。

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