燻炭工房でモミガラくん炭|楽に始めるドラム缶式くん炭作り

※当サイトは、アフィリエイト広告を利用しています
もふもふ農園の小ネタ

こんにちは!管理人のすのうです。

今回のテーマは「モミガラくん炭」です。稲刈り・籾摺りの時期になると大量に出るモミガラ。このモミガラは多くの活用方法があり、その中の1つにモミガラくん炭があります。

モミガラくん炭とは簡単に言うとモミガラを「炭化」させたもので、ただ焼いて「灰」にしたものとは違います。

魅力的なモミガラくん炭は過去にいくつか記事を投稿していますので興味があれば読んでみてください。

野焼きスタイルと呼ばれる一般的な燻炭器を使った方法でくん炭作りをした記事はこちらです。

完成したモミガラくん炭だけで二十日大根を育ててみた記事はこちらです。

さて、今回は新しいスタイルでモミガラくん炭を作ってみたので詳細を記事にまとめてみました。

燻炭工房でモミガラくん炭

今回は「缶」スタイルでモミガラくん炭を作っていきます。野焼きスタイルに比べて作れる量が少ないですが、多少の風や雨でも作れたり、モミガラの切り返しの手間がないメリットもあります。

ドラム缶を加工して煙突を取り付けて燻炭作りをすることもできますが、今回はホンマ製作所から販売されている「燻炭工房」を使ってモミガラくん炭を作りました。価格としては某ゲーム機くらいですが実際にくん炭作りをしていてたくさんのメリットを感じたのでそれほど高くない買い物だったと思います。

モミガラくん炭を簡単に作ってみたい、まずは少量でもいいから失敗しないように作りたい、野焼きより安全に作りたい、モミガラを切り返すのが面倒など抱えている不安を解消できるかもしれません。

魅力的なモミガラくん炭、作ってみませんか?

はじめに

モミガラくん炭の記事を書くと、問い合わせフォームやインスタのDMなどで否定的な文章をいただくことがあります。

内容として、煙のことを考えて欲しいや洗濯物に匂いが付く、くん炭作りを助長させないでほしいなどです。

なのではじめにこれを書いておきます。くん炭を作る方は周囲への配慮をお願いします。農業関係者の野焼きは認められているとは言え、近隣に民家があれば野焼きは控えるべきでしょうし、離れていても風向きなどを考えて気を遣うべきです。

大切なのは自分だけが良ければいいと言う考えはやめて周囲への配慮をしましょう。

以前はうちの地域に全く関係のない方からDMでお叱りのメッセージがきました(笑)ちなみに私はめちゃくちゃ配慮してくん炭を作っています。これからくん炭作りを始められる方は特に意識してくん炭ライフを楽しんでください!

※くん炭作りが本当に問題ないか不安であればお住まいの自治体に問い合わせてみるのも1つです。

ホンマ製作所 燻炭工房

前置きが長くなりましたが、ここからがくん炭作りの話です。

燻炭工房はいわゆるドラム缶スタイルのモミガラくん炭器で、自分で1から自作しなくても全て揃ったセット商品です。完成したくん炭を取り出す排出口が設けられていたり、缶のサイズにあったくん炭器が同梱されており、モミガラと点火資材(新聞紙や藁など)があればすぐに作れます。

個人的にはくん炭器を使った野焼きスタイルよりも簡単に作れるので価格に納得できるのであればこちらを使ってみるのが良いと感じました。

こちらが全て同梱されています。

それぞれの役割は見てだいたい分かりますが、説明書に組み立て方は記載されていませんでした。購入された方で組み立て方が分からない場合はこの記事を参考にしてみてください。

最初に⑥の取っ手と足のパーツを本体に取り付けます。パーツには小さなナットも含まれているので屋外で組み立てる際は紛失に注意してください。

取っ手2か所、足3か所、前の蓋をセットします。全て手作業で完結します。前の蓋とはくん炭が完成したあとの排出口の蓋です。

全ての取り付けは5分もあれば終わるくらい簡単です。

最後にも商品を紹介しますが、燻炭工房の詳細をさっさと知りたい方は商品リンクを貼っておきますのでページを確認してみてください。

モミガラくん炭を作ろう

初期準備が終わればいよいよくん炭作りです。事前に注意するポイントを確認しておきましょう。

まずは水の確保です。モミガラくん炭作りでは最後の消火に大量の水を使うため近くに水源を確保しておきましょう。うちの場合は水道にホースを繋いでいつでも水を使える環境にしています。予期せぬ事態に備えてバケツ1杯程度の水を準備しておくとより安心ですね。

続いて、付近に燃えやすいものを置かないようにしましょう。くん炭は基本的に晴れや曇りの日に作ると思います。近くに枯れた草や紙など燃えやすいものがないように注意しましょう。最初の種火には新聞紙がおすすめですがこちらも燃えやすいため置き場には注意しましょう。

最後に消火の確認です。くん炭作りでは炭の状態で完成となりますが、燃焼を放置すると灰になります。灰にしないため最終工程では水をかけて消火しますが、思っているよりも水が必要です。燻炭器内ではまだ高温状態なのに消火できたと勘違いしてしまうと大変なことになるので注意してください。ただ、今回の燻炭工房はコンパクトなため消火しやすく、最終はある程度缶内を混ぜて消火・缶を触って熱くなければだいたい大丈夫です。

これからくん炭作りの工程を書いていきますが、時おり注意点も書いていきますので参考にしてください。

余談ですが、燻炭工房でモミガラくん炭を作ると超少量ですが、「籾酢」が回収できます。とても少量なので今回は回収しませんでしたが籾酢も使える資材ですので興味があればH傘下に回収容器を置いておくといいと思います。(2回目のくん炭作りでは数滴しか落ちてきませんでした。超少量です(笑))

燻炭工房①点火

まずは缶の中に燻炭器の本体をセットしてモミガラを少し入れます(本体の半分程度)。付属の蓋を置くと燻炭器の中にモミガラが入らないです。下の写真の左上は燻炭器本体と付属の蓋をセットした状態、写真全体は半分程度までモミガラを入れて点火した状態です。

私は点火に「新聞紙」を使います。新聞紙を1枚1枚分けてねじります。ねじり新聞紙を10枚ほど作って燻炭器内にセットし、最後に種火を入れます。新聞紙は一気に火力が出て温度が上昇、燻炭器周辺のモミガラが炭化して完成に近づきます。

ここが1つのポイントになりますが、モミガラを追加するのは「燻炭器周辺の炭化を確認してから」です。写真では燻炭器左側のモミガラが黒く炭化しています。この状態を確認してからモミガラを追加していきます。

火力が物足りなかったり思ったように炭化が進まない場合はこの状態で新聞紙をねじって追加しましょう。

燻炭工房②炭化の確認

ねじり新聞で一気に内部の火力を上昇させ、モミガラを炭にしていきます。燻炭器周辺の炭化を確認したら煙突をセットしてモミガラを追加していきます。

ちなみに点火してから煙突を取り付けて炭化を確認しても大丈夫です。

なかなか燻炭器周辺のモミガラが炭化しなければ失敗している可能性が高いです。その場合は点火のやり直しとなりますが煙突部分は熱を持っています。熱に強い手袋を使用して作業することをおすすめします。

煙突をセットした状態で点火したねじり新聞を投げ入れるのも1つです。その場合、絶対に煙突を覗かないでください。燃えた新聞紙や煙で目をやられる危険があります。

耐熱の手袋は1双あると何かと重宝しますので、購入しておくと安心です。基本的に用途に合わせて選ぶものですが、使いやすさと耐熱性を考えるならこのあたりが無難です。

燻炭器周辺が炭化し、煙突を取り付け、モミガラを追加し、追加したモミガラの炭化も確認できれば完成までの道筋は見えました。

燻炭工房③煙の確認

2回目のモミガラの追加は最初に入れたモミガラと同じくらいを目安にします。(目安は燻炭器と煙突の境目あたりです。)

そこで追加したモミガラの炭化が確認できれば次は煙突の真ん中くらい、最後は缶のギリギリまでモミガラを追加します。一気にモミガラを入れると失敗したときにやり直しの作業が大変になるので様子を見ながら進めていきましょう。

さて、これは私の感じたポイントですがここでは「青白い煙」を目指しましょう。高火力で順調な時はこの煙が出ます。

この状態なら缶の中ではモミガラが炭化していくパチパチと言う音がよく鳴っていることでしょう。一方で煙が白く弱々しい場合は失敗している可能性が高いです。

この時のモミガラの追加ラインは燻炭器と煙突の境目ですので2回目のモミガラ追加までならやり直しの手間は少ないです。ねじり新聞をセットし直してもう一度挑戦しましょう。(煙突からねじり新聞を投入して様子を見るのも一つです。)

もう一度書いておきますが、缶や燻炭器はとても熱くなっていると思います。耐火性のある手袋を使うか、完全に温度が下がってから触るようにしてください。

燻炭工房④モミガラの追加

計4回のモミガラを入れたらくん炭作りも終盤です。H傘の取り付けをする前に付属の蓋をセットしていきます。

※③の写真は端の蓋を取り付けた状態になっていますが、正しくはこの④の作業時に蓋を取り付けます。

モミガラの追加では特に缶や煙突部分に注意しましょう。中では炭化が始まっているため熱を持っています。

燻炭工房⑤蓋のセット

ここで蓋をセットします。蓋をセットすると写真のようにほとんどの部分が覆われ、多少の雨や風でもくん炭作りを進めることができます。

特に野焼きスタイルでくん炭作りをしていると風で熱を持ったモミガラが飛んでいくことがあり危険ですが燻炭工房では安全にくん炭作りができます。これは大きなメリットと言えるのではないでしょうか。

それにしても新品の蓋は綺麗ですね(笑)今では籾酢や傷が付きまくっています。それが何回もくん炭を作ってきた証ですが、この綺麗さは1回目でないと味わえませんね。

燻炭工房⑥筒とH傘

付属品には燻炭器の煙突とステンレスの筒があります。取付方法は記載されていませんでしたが、私はこのタイミングでステンレスの筒を煙突にはめて、その後にH傘をセットしました。

※2回目以降のくん炭作りではステンレスのは最初からセットした状態で作っています。H傘は最後に取り付けないと蓋が閉まりませんのでこちらはこのタイミングで取り付けます。

H傘から煙が出て缶の中からもパチパチと音がしていれば完成を待つだけとなります。

ここからが缶スタイルの大きなメリットです。燻炭器を用いた野焼きスタイルでは度重なる「切り返し」の作業がありましたが、燻炭工房では待つだけです。燻炭器の内側から缶に熱が伝わり内側と外側から炭化が進みます。

燻炭工房は熱を持っているため、完全に放置しておくのは良くないですが10分、20分置きくらいの間隔で様子を見に来ると良いでしょう。

私はこのタイミングで草刈りをしたり果樹の手入れをしています。ずっと近くにいなくてよいのは楽ですね。ただし、人がよく通る場所や子供の多いエリアなどでは話は別です。燻炭中の缶はやけどレベルです。状況によっては完成まで燻炭工房の目の届く場所にいるようにしてください。

燻炭工房⑦炭化を待つ

準備から完成まではだいたい1時間半から2時間程度です。様子を見た際、蓋から見える部分が灰になり始めていたら全てが炭化しています。

私の完成と思えるタイミングは煙突周辺のモミガラが15㎝ほど灰になった状態です。たまに上面のモミガラが燃えて黒くなっただけの場合がありますのである程度灰になったことを確認して消火に入っています。

モミガラくん炭が完成していても煙は出続けます。ずっと放置しているとモミガラくん炭はやがてモミガラ灰になってしまいます。様子を見つつ完成を判断してください。

燻炭工房⑧消火

完成と判断したら消火作業です。消火はこれでもかと言うほど念入りに行ってください。消火できたと思って缶を触ったら熱くてやけどしてしまった・完成したと思ってくん炭を取り出したらまだ燃焼していた等、予期せぬ怪我をしないよう注意しましょう。

私の場合は最初にH傘を十分冷やし外す→煙突内部と缶全体にシャワー状態で水をかけ続ける→蓋を外して水をかけ続ける→単管パイプなどでくん炭を混ぜながら水をかけ続ける。このステップです。

完成したくん炭は最終的にモミガラ追加2回目くらいの位置までかさが減ります。(くん炭器の本体と煙突のつなぎ目くらい)くん炭を混ぜながら消火を続けてしっかり冷やしましょう。

長時間水をかけていても単管パイプで混ぜてみると全く水のかかっていない場所が出てきます。水の流れができてしまって冷やせていない場所があるからです。そのためしっかり混ぜてまんべんなく水をかけることが大切です。

燻炭工房はコンパクトなので野焼きに比べると消火は早いと感じます。しかし、過信しないようにしましょう。

こちらが完成したモミガラくん炭です。ずいぶんと量が減りましたが無事に完成しました。だいたい缶の3分の1ほどの位置ですね。燻炭器本体を抜くとさらに少ないと感じるかもしれません。

完成したくん炭は排出口から簡単に出すことができます。最初は消化に使った大量の水が勢いよく流れてきますが乾いたくん炭なら調整して出すことができます。

ちなみに最初から蓋を全開にすると水と一緒に作ったくん炭も流れ出てしまいます。うまいこと蓋を活用してください。

以上が燻炭工房でモミガラくん炭を作った内容です。

まとめ

今回は燻炭工房でモミガラくん炭を作った内容を記事にまとめました。実際に作ってみて感じたメリット・デメリットを書いていこうと思います。これはあくまでも私が感じた点ですので当てはまらない方もいると思います。

燻炭工房メリット

最大のメリットは手軽さでした。過去にモミガラくん炭を作った野焼きスタイルでは燻炭器をセットし、モミガラを準備し、度重なる切り返しを行い完成まで6時間程度かかることもありました。

今回の燻炭工房では最初の炭化確認とモミガラの追加を行った後は放置するだけですので切り返しの作業がありませんでした。とても手軽で時間もそれほどかからないため手軽に作れることに最大のメリットを感じました。

大きなメリットとして安全性も感じました。燻炭器を使った野焼きスタイルでは強風が吹けば炭化したくん炭が飛ばされてしまいます。時には風でモミガラに火がついて焦ることもあります。火の付いたモミガラが風で飛ばされる状態となれば冷や汗が出てきます。しかし缶で作る場合は風の影響がほぼありません。実際この記事を投稿するまでに何度もくん炭作りをしましたが缶からくん炭が飛散することはありませんでした。

燻炭器を使った野焼きスタイルでは思ったよりも時間がかかります。作れるくん炭の量が圧倒的に多いですが、時間がかかると言うことは雨や風の影響を受けるリスクが高くなります。ちなみに燻炭工房は缶に蓋があるので風で飛びにくいだけでなく、少量の雨ならおかまいなしにくん炭作りを進められます。ここも大きなメリットと言えるでしょう。

続いて完成量を予測しやすいメリットもあります。缶で作るためモミガラの入る量は決まっています。なので何度作ってもだいたい同じ量のくん炭ができます。使いたい量を作るのに何度作ればいいか分かりやすいですね。

燻炭工房デメリット

ここからはデメリットの話です。良い点があれば悪い点もある。やはり最大のデメリットは作れる量ですね。燻炭器を使った野焼きスタイルでは時間はかかりますがたくさんのくん炭を大量に作ることができます。過去には燻炭器を2セット使って600L~1000Lのモミガラくん炭を作ったこともあります。

今回の燻炭工房はコンパクトで完成した量はバケツ6杯から8杯程度でした。大規模農家なら安全な場所を確保したうえで一気にくん炭を焼き上げた方が結果的に時間が短くなります。家庭菜園などで使うのであれば燻炭工房で十分だと思います。

安全性を高めたうえでたくさんのくん炭を作りたいと感じるならばドラム缶を加工して焼くのも1つです。単純に燻炭工房のような形状で大型化すればメリットを確保しつつデメリットも解消できると思います。

続いて排出口が微妙に使いにくいことです。燻炭工房には完成したくん炭を取り出しやすくするために缶の下部に排出口が設けられています。しかし消火した後に排出口を開けると水と一緒にくん炭も出てきてしまい個人的には使いにくいと感じました。

最近では上からモミガラくん炭を回収してある程度量が減ったら内側の排出口周辺のくん炭を避けて蓋を開けるようにしています。

最後はモミガラを入れにくいです。今のところこれだ!と言う方法が定まらずテミを使ってみたりスコップで入れてみたり色々と試していますがコンパクトな燻炭工房に煙突を立ててモミガラを追加する時は微妙にやりにくいです。

まとめのまとめ

結果的に今回の燻炭工房は私から見るとアリでした。作れる量が少ないデメリットがありますが作業の合間に手軽に作れたり切り返しがいらないことに魅力を感じます。今では朝に少し作って完成したら果樹に使っています。昨年は大量に作ったので今年はこれくらいの量でも満足しています。

安全性の面から見ても缶で作る方がリスクも少ないため推奨できるのかもしれません。

皆さんも魅力的なモミガラくん炭、作ってみませんか?

今回も最後まで読んで頂き感謝です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました