こんにちは!管理人のすのうです。
今回のテーマは「レモンの品種と特徴」です。もふもふ農園で採用したレモンの品種や特徴、選んだポイント等を紹介していきます。
このカテゴリー「レモン日記」では新規レモン栽培の記事を中心に投稿しています。前回はレモン栽培の土作りを記事にしました。市販の土を使わず、オリジナルの分量で土作りを行いました。興味があれば土作りの記事も見てみてください。
今回の記事のポイントですが「ビアフランカ/姫レモン/璃の香」を栽培品種に選び、それぞれの紹介をしていきます。必要な情報をさっさと見たい場合は目次からジャンプしてください。
レモンプロジェクト
もふもふ農園ではアスパラガスをメインに栽培していますが、柑橘類の鉢栽培にも力を入れています。「キンカン」「ポンカン」「デコポン」をそれぞれ50鉢栽培しており、秋の終わりから冬にかけて収穫しています。
鉢栽培以外にも露地栽培で「ミカン」「せとか」を栽培しており将来的にはまだまだ栽培品種を増やしていきたいと思っています。
手始めに新規柑橘栽培として「レモンプロジェクト」を立ち上げ、土作りを行い、品種を厳選し購入しました。
以前までの記事で「ビアフランカ」と「姫レモン」を購入し届いたと書いていましたが、新しく「璃の香(りのか)」を購入して先日届きました。
これで全ての苗木が届き、あとは定植するだけです。ちなみにもふもふ農園のレモン栽培は「鉢」で行います。場所も「ビニールハウス」で管理がしやすいです。
レモン栽培の用語
カテゴリー「レモン日記」の記事ではレモンの品種と特徴や栽培方法をメインに書いていきますが、分かりにくい用語が出てくることが考えられます。レモンに限る用語ではありませんが、最初に説明していきます。
私が分かりにくいかな?と思ったものを書いていきますので、知っていればそのまま読み飛ばしてください。
露地栽培
栽培方法で「露地」栽培とよく聞きます。私が農業研修を始めた頃は露地(ろじ)って何?と思っていました。
解説ですが、露地栽培とは「施設を使わず屋外の畑など」で栽培することを言います。施設とはビニールハウスなどです。例えば、もふもふ農園のキンカンはハウス栽培で鉢栽培です。もし鉢を屋外の畑に移動したら露地栽培の鉢栽培と言うことになります。
ちなみにうちのミカンはそのまま地面に植えているため露地栽培です。
露地栽培とハウス栽培はどちらにもメリットデメリットがありますがうちは「ハウス栽培」を多く取り入れています。ビニールハウスを建てる費用はかかりますが、作物の管理がしやすいと思います。悪天候でも作業できたり、作物の病気が減ったりする一方コストがかかるのが難点ですね。
自家結実性
自家結実性(じかけつじつせい)、最初は何と読むんだろう…となりそうですね。
果樹の苗木説明を見ると「自家結実性があり1本でも実がつきます」と書かれていることがあります。
要は「自身の花粉で受粉し実をつける」と言うことです。1本で全てが完結するので煩わしい受粉の手間がなくなります。もちろん自家結実性のものばかりではなく、この性質が全くないものもあります。
もふもふ農園で新規に購入した品種は全て自家結実性の性質があります。
耐寒性
耐寒性(たいかんせい)、言葉通り「どれだけの低温に耐えられるか」と言うことです。
この耐寒性は植物によってさまざまですが、柑橘類の中でもレモンは寒さに弱いと言われています。霜対策をしたりハウス栽培にしたり寒さ対策が必要か判断する指標にもなります。
ちなみにもふもふ農園で採用した「ビアフランカ」を例に出すと耐寒性は-4℃と書いていました。温暖な地域では露地栽培もできそうですが、寒い地域ではハウス栽培が推奨されています。
カイヨウ病
柑橘カイヨウ病は「柑橘類の最重要病害の一つ」です。
枝や葉や果実などに発生して果実の品質低下、落葉、枝枯れ、樹勢の低下を招くことがあります。
特徴としては「褐色の病斑」を形成し中央部から次第にコルク化していきます。厄介なところは病原菌は雨によって飛散することです。露地栽培の果樹園では早期発見が重要と言えます。風や病害虫によってできた傷からも感染するため対策が必要です。
基本的な防除としては防風対策や雨よけのハウス栽培が推奨されています。又、病害虫の防除や罹病枝を切除することも効果があります。
もふもふ農園で採用した「璃の香」はカイヨウ病・そうか病に強いため育てやすいそうです。
そうか病
柑橘そうか病は糸状菌によって引き起こされる病気で、特徴としては葉や果実にイボが出たように見える「イボ型病斑」と表面がガサガサした「そうか型病斑」があります。
こちらも雨によって胞子が運ばれ発病するためハウス栽培では発病リスクを抑えることができます。雨や多湿環境によって感染拡大・二次感染する病害です。
もふもふ農園で採用した「璃の香」はカイヨウ病・そうか病に強い品種です。
農研機構
農研機構(のうけんきこう)とは簡単に言うと研究開発を行う機関です。
もふもふ農園で採用した「璃の香」は農研機構によってカイヨウ病に強い豊産性のあるレモンとして開発されました。
農研機構の活動・研究により助けられた農家さんが多くいます。
四季咲き性
例えば「ビアフランカ」の特徴には四季咲き性が強いと書かれています。
四季咲き性とは「一定の開花期をもたないため枝が伸びて成熟すれば何回も花が咲く」性質のことです。
例えば9月頃にも開花(秋花)したりしますが、実が大きくならずほぼ収穫できません。場所や栽培方法にもよりますが秋花のレモンは小さく品質も悪い傾向にあります。
レモンは5月頃に春花が咲き、それが実になったものが最も優れています。夏に花が咲いたり、秋に花が咲いたりしますが摘花(摘み取る)します。例外もあり5月の春花が少ないときは夏花を残したりします。
ちなみに9月~11月頃の秋花は問答無用で摘花(摘み取る)します。
レモンの品種と特徴
ここからはもふもふ農園で採用したレモンの品種と特徴などを説明していきます。
ちなみに採用した品種は「ビアフランカ/姫レモン/璃の香(りのか)」です。
ビアフランカの特徴
ビアフランカは別名トゲなしレモンです。柑橘類にはトゲが目立つものがあり、栽培や管理時に刺さる恐れもあります。その点、トゲなしレモンならトゲがないため管理がしやすいです。
ちなみにトゲがないと言っていますがあります(笑)
後で他の品種のトゲも見ていきますが、ビアフランカのトゲは短いです。この短いトゲは生長するにつれて目立たなくなっていきます。
続いて耐寒性ですが-4℃ほどと言われています。レモンは柑橘類の中でも寒さに弱いため温暖地域での栽培やハウス栽培が推奨されています。もふもふ農園ではレモンをビニールハウスで栽培していきます。
ビアフランカは自家結実性があり、1本で実ります。受粉の手間がないため嬉しいポイントですね。
ビアフランカの果実は大きさが100g~150gほどで普通サイズのレモンの重さです。香りや酸味のバランスが良く初心者にもおすすめの品種となります。
カイヨウ病に抵抗があり、異常落葉の少ない品種で、四季咲き性は強いです。
姫レモンの特徴
姫レモンは栽培量の少ない希少種レモンです。注目ポイントは果実の色でミカンのようなオレンジ色をしています。ミカンに見えるレモンです。
姫レモンは紅レモンとも呼ばれており、知名度が低くあまり市場に出回っていません。
知名度が低かったり、栽培量が少ないことには理由がいくつかあります。まずは実が小さいことです。先ほどのビアフランカで果実の大きさは100g~150gほどで基本的なレモンのサイズと伝えました。
姫レモンの果実は30g~80gほど…大きさを例えるならゴルフボールほどの小ぶりなレモンです。小さい実で使いにくいです。又、オレンジ色をしていますが甘くなく、苦みがあります。加えて種も多め…個人的な意見ですがあまりおすすめポイントが出てこないです(笑)
なぜ姫レモンを採用したんだ?
答えは珍しいからです。ビアフランカや璃の香は加工しやすく単体でも人気がありますが、栽培している農家さんも多いです。一方、姫レモンは使いにくいですがあまり栽培されていません。「オレンジ色のレモンって知ってる?」のようなキャッチコピーで興味を持ってもらえれば知名度アップや他の野菜・果物も購入してもらえるのではないか。そう考えています。
そして、小さくて苦みや種の目立つ姫レモンを活用した商品を作ってみたいとも思っています。ドライフルーツや独特の香りを活かしたジャムやレモン果汁などいろいろ試したいです。
その他の情報としては自家結実性で1本で実がつきます。トゲは鋭く刺さると痛いです。
長く鋭いトゲです。ちなみにレモンのトゲはカットしても問題ありません。むしろトゲが果実を傷める原因になりますので頃合いを見ながら全て切っていきたいと思っています。
璃の香の特徴
農研機構の開発品種、璃の香(りのか)です。私が一番注目している品種でもあります。
璃の香は「リスボンレモン」に「ヒュウガナツ(日向夏)」の花粉を交雑して作られた品種です。璃の香の特徴としてはカイヨウ病に強い・豊産性のレモンです。
レモンはカイヨウ病に弱いと言われていますが農研機構はカイヨウ病に強い豊産性のレモン「璃の香」を開発しました。ちなみに璃の香の苗木販売は2016年から開始されています。
この璃の香は「農研機構育成 登録品種」です。種苗法で保護されている品種ですので許可なく増殖させたり海外に持ち出したりすると処罰されることがあります。
璃の香の苗木は普通に購入することができますが、扱いには注意が必要です。
果実の大きさは200g程度で大きいです。先ほど紹介した姫レモンが30g~80g程度ですので4個分ほどの重さになります。果実が大きいと加工しやすいため重宝する品種ですね。
璃の香の果肉歩合は79%、搾汁率は50%で加工適正に優れています。又、自家結実性で1本でも収穫できます。
他にも成熟が早めの特徴があります。レモンの平均的な収穫期は12月頃ですが、璃の香は1ヵ月ほど早い11月頃に収穫できます。この特徴は大きなメリットで、先行して出荷できます。他のレモン農家の出荷前に自分のところは出荷できるため利益を出しやすいと言えます。
璃の香にはトゲがありますが少なめです。ビアフランカよりは多く、姫レモンよりは少ないくらいですね。
ただ…苗木でみると長く、鋭いトゲが多く出ています。気になってきたら今後カットするようにしていきます。
まとめ
もふもふ農園では「ビアフランカ/姫レモン/璃の香」の3種類の品種を採用しました。
それぞれに特徴があり、魅力的なレモンとなっています。
簡単に言うとトゲがなく栽培しやすい「ビアフランカ」、珍しいオレンジ色の希少種「姫レモン」、全てに優れた豊産レモン「璃の香」どれも収穫が楽しみです。
この3種類の栽培記録は今後も記事として投稿していきます。
今回も最後まで読んでいただき感謝です。
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