こんにちは!管理人のすのうです。
今回のテーマは「ナギナタガヤ」です。以前からナギナタガヤを使って果樹園の雑草抑制・緑肥効果・景観を良くすることを考えていました。しかし、種子の購入でお金を使うことに抵抗があったり播種期の都合もあり、まずはお金のかからない野生のクローバーによる早生栽培を実施していました。クローバー移植は植え付け範囲から約2倍ほどに広がりましたがまだまだです。
理由としては当然ながら植えた面積が小さいからです。本来ならクローバーの種子を購入して果樹園全体に播種するべきですが、お金をかけずにやろうとした結果が中途半端にクローバーが点々とする果樹園です。
ちなみに、クローバーで早生栽培の記事は過去に投稿していますので興味があれば記事を読んでみてください。
失敗をふまえて今回は種子を購入することにしましたが、クローバー(クリムゾンクローバー)の種子を買うくらいならずっとやりたかった「ナギナタガヤ」を使いたい。そのため、今回はナギナタガヤの種子を購入して果樹園に試すことにしました。
今回の記事ではタキイ種苗(株)のナギナタガヤ種子を購入して果樹園に種蒔き・ポット育苗にて栽培したものを露地植えした内容とその後の成長の記録をまとめたものになります。栽培は長期的なものですので記事は定期的に更新していく形でまとめていきます。
ナギナタガヤで草マルチ
ナギナタガヤを知っている人は案外少ないのかもしれません。果樹栽培をされている場合は草マルチや緑肥の手法として認識があるかもしれません。
最初に魅力的なナギナタガヤの話をしておきます。
ナギナタガヤとは
簡単に言うと秋に種を撒いて春に地表を覆うほど生育して夏前に自然に倒伏する。そんな植物です。イメージしやすいと思いますが、春になると気温が上昇して雑草も伸びてきます。雑草の成長は春から秋まで休みなく続き草刈りや草むしりに多大な労力を要します。
しかし、ナギナタガヤにより作業は激減するかもしれません。秋に撒いた種が発芽して冬を越し、春に雑草が伸びる前に自身が生育する。光を遮られた雑草は成長が遅くなりやがて夏前にはナギナタガヤが倒伏して地表を覆う。手間なく雑草の抑制ができる魅力的な植物です。
ポイントは幼苗で越冬して夏前頃に気温の上昇とともに地上部が枯れ、ナギナタガヤが倒伏して地面を覆う。枯れた草が地面を覆うことにより、雑草の発生を抑えるので「草マルチ」として有効。
個人的にはメリットだらけの植物です。
ナギナタガヤの詳細
あまり知名度の無いナギナタガヤですが、実はクローバー同様に日本各地に自生している植物です。原産地は日本ではないようですが帰化したナギナタガヤが自生しています。
イネ科であるナギナタガヤは草丈60㎝~1m程度でそれなりに高さがあります。春過ぎから倒伏までの期間はイネ科の植物が生育している状態ですのでそれなりに邪魔になるかもしれませんが、その後は倒伏して雑草抑制に貢献してくれます。
特に恩恵を受けられるのは果樹栽培で1年単位の野菜には向いていないと言えそうですね。果樹園ならナギナタガヤが地表を覆っても大丈夫ですがほうれん草やキャベツや大根などの野菜はナギナタガヤにより日光が遮られたり定植時に倒伏したナギナタガヤをかきわけて植えたりすることが考えられメリットがありません。
ナギナタガヤの播種期
播種(はしゅ)期とは種まきの時期の事です。どんな植物にも種まきの時期がありますのでナギナタガヤも同様です。
播種期を無視した種まきは生育不良や枯れる原因となりますので時期をしっかりと守りましょう。
ナギナタガヤの播種期は地域によって異なり、暖地・中間地で9月中旬から11月中旬となっています。暖地はだいたいわかりますが、中間地はどのあたりまでだったのか疑問があり調べてみることにしました。
中間地を調べてみると「霜が降りるが、マイナス5度以下の強い霜は滅多にない」場所だそうです。
もふもふ農園は中間地だったので播種期は9月中旬から11月中旬となります。播種期は11月中旬となっていますが暖地ではないため10月下旬頃にまでに種蒔きしたかったのですが、完全に播種を忘れて11月中旬となりました。
最近はより冷え込むようになり5℃近くまで気温が下がるようになりました。気温が低いと生育が心配ですがひとまず種蒔きして様子見です。
ちなみに今回購入した種子は1㎏で播種量の目安として10アールあたり2~3㎏となっています。
1㎏の種子ですので3アールから5アール程度まではカバーできそうですね。
ナギナタガヤの記録
ここからは実際にナギナタガヤの種を蒔いて成長していく様子をまとめていきます。
始まりは2022年の11月中旬で何か変化があれば記事を更新していきます。最終的なまとめはナギナタガヤが倒伏して果樹園を覆い、翌年に向けた種子が自然に萌芽した頃を考えています。来年は種子を購入しなくても大丈夫かどうか・どれくらい芽が出るかをよく観察したいと思います。
2022年11月中旬
11月中旬、ナギナタガヤの播種を思い出し慌てて準備に取り掛かりました。
今回は播種期ギリギリでもあったため、通常の果樹園に直接種蒔きすることに加えて、ポット育苗したものを植え替えする2通りの方法を試すことにしました。
播種が予定より約1ヵ月ほど遅いためビニールハウス内でしっかりと成長させてから植え替えをしていきます。
使用する土は農園の土(枝豆畑から採取した土)にモミガラとモミガラくん炭をブレンドしたものを使いました。配分は土4:モミガラ4:モミガラくん炭2くらいです。
その後ナギナタガヤの種子を適当に蒔いてモミガラくん炭で覆土しました。
その後はたっぷりと水をかけて芽が出るのを待つだけです。芽が出るまでは水やりは行わず、最初の1回だけで大丈夫です。後は乾燥しないようにビニールをかけておきます。
このビニールはアスパラハウスのビニール(POフィルム)を張り替えたときに残しておいたものです。廃棄するのは簡単ですが再利用できるものは使いたい!そんな精神で農業やってます(笑)
2022年11月下旬
最初に芽が出たのは当然ながらビニールハウスのポット育苗のナギナタガヤでした。
種蒔きから5日後のことでした。思っていたよりも早くたくさん出てきました。
その後、果樹園に様子を見に行きました。
播種エリアを観察したり、少し土を掘り起こして種子の様子を見ても発芽する気配はありませんでした。露地とハウスでは気温が大きく異なりますのでここ(露地)は今後に期待しておきます。
2022年12月上旬
12月に入り、最低気温が0℃の日が出てきました。寒さに凍えながらナギナタガヤを確認しに行くと大きな変化がありました。
もさもさとナギナタガヤが出てきました。気温の低い日が多くて不安がありましたが今のところは元気に育っています。播種時期が遅れたことで今後どのような影響があるかは今のところ分かりませんがしっかり様子を見ていきます。
又、ポット育苗をしていたナギナタガヤは12月3日に露地植えしました。
しっかりとポットの下まで根が張っていたため、このタイミングで露地植えしました。
露地植えする場所は最初から決めており、2022年3月から栽培を始めたキウイのまわりに植えていきます。
ポットにたくさん種を蒔いたので密集していますが特に分割して植えることはせず、1ポットの塊をそのまま植えました。1本のキウイに対して5個から6個の塊を植え、余った分は種蒔きして発芽状態が悪そうな場所に追加して植えました。
ひとまず今回の記事はここまでとなります。今後、何か変化があれば記事を更新していきます。
※2023年の5月にその後の内容を投稿しました。興味があればこちらの記事も読んでみてください。
まとめ
秋に種を蒔いて夏前に自然に倒伏するナギナタガヤ。地表を覆って雑草抑制に貢献し、有機物の補給も行う優秀な植物を紹介しました。
うちではナギナタガヤを初めて試すため、紹介されているような効果が本当にあるのかまだ分かりません。今後の成長記録やメリット・デメリットはしっかり記事にまとめて報告していきます。
ナギナタガヤにより、果樹園の草刈りが不要になれば…、アサガオやヤブカラシなどの厄介な雑草を封じ込めることができたら…、有機物の補給が自動的に行われ、肥料代が節約できたら…、倒伏したナギナタガヤにより景観が良くなったら…。そんなことを願いつつ観察していきます。
ナギナタガヤに興味があればこちらもチェックしてみてください。うちが購入したものと同じ商品です。1㎏の種子は実際に見るとけっこう多いです。果樹園クラスなら足りないことも考えられますが、小規模なエリアなら十分です。
今回も最後まで読んでいただき感謝です。
コメント