レモンの剪定|最低限のポイントを学んで剪定した話

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レモン日記

こんにちは!管理人のすのうです。

今回のテーマは「レモンの剪定」です。農園で栽培しているほとんどのレモンは2021年の12月に苗木から栽培を開始しました。この記事を書いているのは2023年11月下旬ですので栽培開始からほぼ2年が経過しました。

今回は2年目の剪定を行った話とレモンの剪定でおさえておくべきポイントを記事にまとめていこうと思います。個人的に使用している剪定グッズも合わせて紹介していきますので参考になれば嬉しいです。

さて、今回剪定するレモンの情報ですが2021年の12月に苗木を植えたレモンでビニールハウス管理・ポット栽培です。品種は「璃の香」「ビアフランカ」「姫レモン」の3品種です。剪定は果実の付いていない状態の樹を中心に一部の剪定を行い、1月から3月頃に残りの剪定を行います。

ちなみに農園のレモンはほとんどを「グリーンレモン」として収穫・出荷しているため11月下旬にはレモンの収獲を終えて果実の付いていない樹がチラホラ出ています。特に璃の香は10月下旬頃にはグリーンレモンとして出荷を始めていました。

グリーンレモンを収穫した話は過去の記事で投稿しています。グリーンレモンに興味があればこちらの記事も読んでみてください。

選定に関して、個人的に果実が付いている状態で剪定することに抵抗があったため剪定は果実の付いていない樹(収穫を終えた樹)から行っています。

うちの場合は10月から12月は比較的閑散期となっておりこの時期にレモンの剪定を少しでも済ませておけると後々が楽になるためこの流れを定着したいと考えています。他の柑橘(ポンカン・不知火・キンカン)は果実の収獲が遅く1月から3月頃ですので剪定は収穫以降となります。

ちなみにこちらが農園の2年栽培レモンです。生育に多少の差はありますがどのレモンも逞しくなってきました。

この樹は2本主枝の双幹形仕立てですので主枝・亜主枝・側枝をイメージして剪定作業を行っていきます。

では!このレモン達を選定していきます!

レモン日記|レモンの剪定知識

剪定を行う理由を知らない方や全く剪定を行ったことの無い方もおられるかもしれません。まずは剪定の簡単な説明から書いていきます。

剪定の必要性

レモンに限らず柑橘類は剪定が必要です。うちの場合は柑橘類としてポンカン・不知火・キンカンも栽培していますが毎年剪定作業を行っています。

剪定によって枯れた枝を落としたり上に伸びすぎた枝・横に伸びすぎた枝を調整することで理想的な「樹形」を作り込むことが目的です。その樹形は果実を収穫しやすい樹形であったり枝の配置を考えて管理しやすい樹形であったりします。

こちらは10年以上ポット栽培しているポンカンです。毎年の剪定作業で枝を落としているためこの樹形・果実量となっていますが剪定作業をしていないと上にも横にも枝が伸びて広がってしまいます。管理しやすさが重要と感じます。

自然のままに枝を伸ばしていく場合でも果実は付きますが内部に光が届かず枯れ枝が増えたり枝・葉の密集した部分は病害虫が発生しやすく農薬による防除も届かない部分が出てきます。剪定作業を行わないことはデメリットが大きいと言うことです。

先ほど剪定が必要と書きましたが、極論を言えば栽培する目的が効率的な果実の収穫でなければ剪定する必要もありません。病害虫が発生しやすくなると思いますが、農薬を使えば枯れるまではないと思います。(収穫のしやすさやたくさんの果実を収穫できるかを含む)

こちらは農園の防風林として活用しているみかんの樹です。

高さは3.5mほどで枝が自由奔放に伸びています。台風や強風で伸びた枝が折れることも時々ありますが枯れずに生きています。樹木は思ったよりも強いものです。

写真でも分かりますが、手入れをしなくても果実は実ります。ただ、樹の大きさにしては果実量が少なかったり、枯れ枝で傷ついた果実が多い印象を受けました。

目的が効率的な栽培・収穫であれば「収穫しやすい・品質のいい果実にしたい・たくさん実をつけたい」このような目的のために剪定を行う必要があります。

剪定しない場合

剪定作業をしない場合は枝が伸び放題になります。自然に育った樹は樹高が高く、手が届かない位置まで伸びてしまいます。私のように自然豊かな場所で育った方は分かると思いますが、敷地に植えたビワや梅やミカンなどが3mから5mほどに伸びたりしてせっかく実をつけても収穫しにくい状態になっています。

特にビワは摘花・摘蕾・摘果が重要と言われていますが高い位置にあるものは作業できずに余計な養分を使って小さな実しかできません。果樹を栽培しているのであれば果実を収穫したいものです。

こちらが農園の露地果樹です。先ほど紹介したみかんもそうですが管理はほぼ諦めて防風林として活用しています。

昨年に高枝切りハサミを購入したので使ってみました。地上から作業できるのは良いですが、やはり作業しにくいです。

大きく伸びた樹木は枝が内部で混みあっていました。高さもあるため病害虫の防除をしても上部まで薬剤が散布できない・枝や葉が内部で混みあっているせいで薬剤がかからない問題も出てきそうです。

農園の露地栽培果樹では過去からカイガラムシが発生してすす病を引き起こしたりしています。農薬による薬剤散布も行っていましたが薬剤がかからない部分で生存したカイガラムシが繁殖して元通りになっています。

以上の理由から剪定は行った方がメリットがあると感じました。

樹を大きくする剪定

樹が大きければたくさんの果実を収穫できるのでは?こう考えていませんか?

それは正しくもあり間違いでもあります。

適切な土壌管理をして適切な剪定をして適切な防除をする。樹は高く・枝は横に大きく展開させ折れないように誘引などのケアもする。管理をしっかりと行えばたくさんの果実が収穫できることでしょう。

しかし、それは上級者のやり方です。栽培経験が浅い場合は設備も整っていないため高い位置の果実は脚立を使って収穫したり高枝切りバサミのような収穫ハサミで収穫したり枝の中に入り込んで収穫したりしなければなりません。病害虫防除もやりにくいと思います。

考え方にもよりますが1本の大きな樹で100個の果実を収穫するならば、3本の樹を管理して30個ずつ楽に収穫した方がメリット部分は大きいと思います。これは収穫・剪定・防除にかかる時間も考慮しています。果樹栽培の経験がそこそこあれば挑戦してもいいと思いますが最初はコンパクトな仕立てをおすすめします。

写真は不知火(しらぬい)ですね。ポット栽培でコンパクトに仕立てた果樹でもたくさんの果実を収穫することができます。花芽の付く枝を確保して樹のコンディションと相談して果実をつけています。

ちなみに樹のエネルギーが弱いと小さな果実しかつかず味もいまいちになります。栽培していけば樹のコンディションが分かるようになってきます(^^)

剪定の悩み

レモンの剪定時期に悩まれている方は多いのかもしれません。私も初剪定の時は今の時期に枝を切っても大丈夫か?枯れてしまうのではないか?と不安になりましたが、ほとんどのパターンで大丈夫でした。

ちなみに一番焦った時は栽培1年半の露地栽培レモンを草刈り機で切断した時でした(笑)地上10㎝ほどでほぼ枝も葉もない状態になり、枯れることを覚悟しましたが新芽が出てきて復活しました。土作りをしっかりして適切な管理をしていれば想像以上に柑橘類は強いです。

柑橘は強いと思いますが、どうしても不安がある方は剪定を少しずつ行って様子を見るのも1つだと思います。最初は不安ですが2回目からはバッサリ切るようになっていると思います。

そしてこちらが草刈り機で切断してしまったレモンです。夏頃に切断してしまいましたが復活しました。

生命力を感じます。

剪定の時期

今回は11月下旬に剪定の記事を書いていますが、柑橘類の剪定で最も適していると言われているのは「3月」です。

適している理由としては4月頃、気温の上昇とともに新芽が出てくるためその手前で整えるのが理想だからです。ちなみに12月頃~3月頃までは厳寒期でレモンの生育が止まっています。これは栽培されている地域によって多少差がありますが冬の終わりで剪定すると認識しておけば大丈夫です。

ではレモンの生育が止まっている12月から2月までに剪定をしてはダメなのか?こう考えてしまいますよね。と言うことでなぜダメなのか調べてみました。

いろいろなサイト・書籍を調べてみましたが多く書いていたのは「樹が弱る」と言うことでした。寒い時期に枝・葉を落として樹の体力を奪うことはNGで枯れる原因にもなると書かれています。うちはハウス栽培なので特に気にしていませんでしたが露地栽培の方は3月頃に剪定を行ったほうが良いのかもしれないです。

ちなみに3月には有機肥料を追肥しておくことが重要で4月から新芽を出すために栄養を取り込めるようにしておきましょう。有機肥料は化成肥料と違って即効性はありませんがじわじわ効いてくるので3月の追肥として有機肥料を与えることがポイントです。(うちでは11月に化成肥料と有機肥料・3月に有機肥料を与えるようにしています)

レモン日記|剪定道具

剪定作業をするには剪定道具が必要です。個人的には最低限の道具を揃えないと余計な時間がかかったりうまく枝を切れずに折れたり割れたりすることが考えられます。

剪定道具の値段もピンキリですので最初は高すぎないもので揃えてみて物足りなくなってきたら少し良いものに買い替えていくのが良いと思います。

剪定道具のケアも合わせて行っておくと切れ味が長持ちするのでシーズン後は刃物クリーナーや油を使うことをおすすめします。メンテナンスに関してはこちらの記事を参考にしてみてください。

さて、私が思う最低限の剪定道具として「細い枝を切る剪定ハサミ」「太い枝を切る剪定ノコギリ」「切断面を保護する保護剤」この3点があれば大丈夫です。

ここからは実際に私の使っている剪定道具も合わせて紹介していきます。

細い枝を切る剪定ハサミ

剪定では細い枝・枯れ枝・徒長枝・立ち枝・枝の切り戻しなど1本の樹でもそれなりに枝を切ります。回数が多いと手が疲れてしまうので剪定ハサミを選ぶポイントとして「剪定ハサミの重さ」「剪定鋏ハサミの切れ味」が重要になってきます。特に切れ味は重要でかなりの力を籠めなければ切れないほどならハサミを買い替える方が良いです。

まだ使えるからと切れ味の悪いものを使い続けるのと今すぐ新しい剪定ハサミを買い替えて剪定を行うのでは将来的に労力・剪定時間で大きな差が出るのは当然です。これも設備投資の1つの考え方ですね。

私はライオンのLOWE(レーヴェ)と言う剪定ハサミを使っています。5年ほど使用していますがシーズン後の手入れをしていることもあり切れ味は今も問題ありません。

特徴としてはそれなりに太い枝もバッサリ切れて切り口が綺麗です。柑橘の剪定では上に伸びた徒長枝が多くなりがちで1年間でそれなりの太さになります。この徒長枝もサクサク切れるので私はLOWEシリーズをおすすめします。

LOWEシリーズの中でも価格差がありますので悩んだら私と同じエントリーモデル的な位置付けのこちらで良いと思います。

興味があれば商品ページを確認してみてください。

 

太い枝を切るノコギリ

剪定ハサミで切れない枝はノコギリで切っていきます。主枝や亜主枝などメインの骨格部分は太くなっているため剪定ハサミでは切れません。

この場合はノコギリで切っていくことになりますが、一般にイメージする両方に刃のついたノコギリではダメです。剪定と言う作業では狭い部分で作業したり周囲に枝や葉が展開している状態で作業します。両方に刃の付いた大きなノコギリでは他の枝や葉を傷つける恐れがあります。

こちらも剪定用として購入しておく必要がありますね。

私が使っているのはコスパも良いサムライシリーズです。ベルトにも装着できて切れ味も問題ありません。先ほどの剪定ハサミに比べて使用する回数も少ないので個人的にはお金をかけるなら剪定ハサミの方を良いものにした方が良い気がします。

ベルトに装着したら気分はサムライです(笑)こちらもシーズン後には手入れをしておきましょう。栽培から1年、2年程度はLOWEだけで剪定できそうな気がしますが、購入しておいても良いと思います。私が使っているのはサムライのチャレンジです。

切断面の保護剤

樹木の血液と言えば樹液ですが、剪定で太い枝を切った場合は樹液が出てしまったり切断面がむき出しになることで病害虫の発生が考えられます。

特に露地栽培果樹の剪定をした場合は雨に濡れることも考えられ心配です。そんな時に役立つ「保護剤」が販売されています。こちらはあまり種類がありませんので個人的には「トップジン」を使用しておけば間違いないと思います。

果樹の本数が多い場合はお得な大容量タイプもありますので探してみてください。

うちでは柑橘類だけではなく梨の剪定やキウイの剪定でもトップジンを使用しています。細い枝の切断面まで都度トップジンを塗っていたらキリがないため私は剪定ノコギリを使った場合や露地果樹で栽培期間が短い場合の剪定時に使用しています。

具体的には昨年であれば栽培1年目のキウイ剪定では細い枝でもトップジンと塗布しました。時間に余裕があるなら切り口に塗っておくのも良いでしょう。

余談:高枝切りハサミ

大きな樹にしたい場合は高枝切りハサミも揃えたいところです。脚立に乗っての作業は労力がかかりますし遠くから全体のバランスを見て作業できることはメリットがあります。

特に高枝切りハサミは先端のアタッチメントとしてノコギリを装着できるものも販売されており剪定ハサミ・剪定ノコギリの両方を使える商品も存在しています。

今回は高枝切りハサミを使いませんので説明は最小限にしますが、私が使っているのはこのようなタイプになります。これも先端にノコギリが装着できるため高い位置の枝も切り落とせます。

先ほども紹介しましたが、こちらが高枝切りハサミになります。たたむと1.7mほどで伸ばすと最大3.5mほどになります。商品自体が長いのでホームセンターなどで実物を見て購入する方がお得に買えると思います。

レモン日記|レモンの剪定

ここからは実際に2年栽培レモンの剪定を説明していきます。今回は枝が細かったため、ほぼ全てLOWEの剪定ハサミで切りました。栽培2年程度なら剪定ハサミだけ揃えておけば対応できそうですね。

※今回の剪定では私が考える「最低限」の剪定を記事にまとめています。栽培の教科書や他の柑橘農家さんとは考え方が異なるかもしれませんのでご了承ください。

人の数だけ考え方ややり方が違います。この手順を正解とは思わずにご自身で考えて剪定作業を楽しんでください(^^)

私は過去の記事でも書いていますがその樹に合った剪定を心がけ1本主枝の剪定・2本主枝の剪定・3本主枝の剪定を昨年に行いました。その結果、どの樹形でも果実が収穫でき収入にも繋がっています。私は私の考えのもとで栽培管理をしていき、結果は記事内で報告していきます。良いと感じてもらえたら参考にしてもらえると嬉しいです。

こちらは過去の剪定記事になります。

では実際に2年レモンの樹形を見ながら不要な枝を選定していきましょう。

レモンの剪定|上に伸びた枝

果樹の剪定で困るのは上に伸びた枝ではないでしょうか?レモンに限らず枝は上に伸びていきます。立ち枝や徒長枝は上方向に力強く伸びていきそこに養分も集中していきます。

今回剪定するレモンでは分かりにくそうだったため、不知火ハウスで立枝・徒長枝を紹介します。

上に力強く伸びた枝はだいたい夏枝です。春枝に比べて葉っぱも少なく良い果実もつきません。出てきた段階で切り落とした方がいいですが、忙しくて放置していました。

私はポンカンや不知火栽培に於いて徒長枝を果実の成り枝に活用する「ねん枝」と言う技術を使ってみたことがあります。

ねん枝は長く伸びた枝をねじって下方向に曲げて誘引し樹勢を落とします。翌年以降は徒長枝が成り枝となって品質の良い果実を付けていく魅力的な技術です。これは果樹栽培で実際にある手法の一つで農家さんの中にはねん枝を使いこなしている方もいます。

ちなみに私はねん枝に向いていませんでした。やってみたはいいもののうまく果実が付かずねん枝をしたことによって内側の枝の管理がやりにくかったためもとに戻しました。

上に伸びた力強い枝には品質のよい果実は付きません。これは私が柑橘栽培をして実際に試した結果です。ねん枝をしない徒長枝にはゴツゴツした実がつきましたが熟しても皮が厚く、水分の少ない果肉の果実でした。

写真では分かりにくいですが見た目以上にゴツゴツしています。昨年は橙色にならずに緑色のまま3月ごろになりました。

話を剪定に戻しますが、レモンの上に伸びた枝で私が考える基準は手の届く範囲かどうか。今はそこを基準に枝を揃えています。具体的な高さで言うと自分の身長+30cmくらいを基準にそれ以上高い枝は切りました。(主枝は揃え、立枝・徒長枝は落としています)

高くなりすぎると果実がついても収穫しにくいことや高い位置で枝や葉が展開すると光を遮ることにも繋がるため一定ラインで高さを揃えることを意識しました。

レモンの剪定|横に伸びた枝

こちらも迷うポイントですね。横に伸びた枝はどこで切るか…過去の記事では春枝・夏枝・秋枝の話をして一番大切な春枝を残して、夏枝・秋枝は切ってしまう。このような話をしており、これは今も同じ考えです。

そのうえで剪定の話をしていきます。枝の状態を見て夏枝・秋枝を判断して切ることも1つですが枝の長さで判断することもおすすめです。特に栽培経験が浅い場合はそこを見るポイントにしておけば分かりやすいと思います。

では切る枝の長さはどれほどを基準にしたらいいのでしょうか?私の答えは枝の展開している根元から30cm以上の枝は3分の1ほど切る。これでだいたい大丈夫です(笑)

枝の種類にもよりますが混乱する原因にもなりますのでそこを基準に切っていくと翌年の新芽の付き方や夏枝・秋枝の様子も分かってくると思います。知識が付いてきたら夏枝・秋枝を落としたり枝の切り戻す位置がより正確に判断できると思います。

ちなみに栽培2年ならそれほど出ていないと思いますが、亜主枝から発生した立ち枝や徒長枝はほぼ不要ですので根本から落としてしまっても問題ないです。

剪定は思ったよりもシンプルで、春枝や切る枝が分かってくると感覚で作業を進められるようになります。悩んだ枝は残すようにして新芽の出方を観察するようにしたら必要だったかの答え合わせもできますので最初は「悩んだら残す」そのスタンスで作業してみてください。

レモンの剪定|切るべき枝

私は剪定で切るべき枝と言うものを決めています。夏枝や秋枝もここに該当しますが、枝や葉が少ない場合は残しています。このパターン以外に切っている枝をここでは紹介していきます。

切るべき枝として「枯れ枝」があります。枯れ枝はそのままの意味で枯れた枝です。栽培をしていると枯れた枝が出てきます。光が当たらずに枯れてしまったものや寒さによって枯れてしまったもの、病害虫の発生によって枯れてしまったなど原因は様々ですが、枯れた枝は不要です。

枯れたまま放置していても良い面はありませんので切っておきましょう。ちなみに剪定で切った枝には病害虫の菌や卵が付着している場合がありますので圃場から出しておくこともポイントです。私は当初剪定の葉や枝で小さいものは根元に置いていましたが害虫が越冬して春に活動していたことがありました。それ以来圃場外で土に戻したり焼却したりしています。

続いて「内向枝」です内側に伸びた枝で2本主枝や3本主枝の仕立てではそれなりに出てくる枝です。内側に向けて伸びた枝は行き場を失って枯れたり枝・葉が密集して病害虫の発生に繋がってしまいます。内側は光も入りにくく光合成がしにくいデメリットもありますので基本的に全て落としています。

毎年の剪定で内側の枝掃除をしていれば問題ありませんが、2年目3年目と成長させてしまうと厄介さが分かると思います。たいていは枯れて見た目も悪くなっているか内側から枝が伸びてそのまま外まで伸びて変な樹形になっています。気付いた年に剪定するこれが大切です。

最後に「何本も出た枝」です。柑橘栽培をしていると1か所から3本、4本と枝が出てくる場面を見ると思います。それ自体は特に気にすることではありませんが、問題な点は光が当たらないことです。私の思う、栽培に関して重要なことは光が届くかどうかです。内側まで光が届き、全体がまんべんなく光合成できる状態が理想で光の届かない生い茂った状態は好ましくありません。

枝が伸びた状態を想像して将来的に邪魔になるのであれば3本出た枝を1本に絞って残りを落としてしまう。そのような判断ができると後々の管理が楽になってくると思います。

意識したいポイントとして、全体的に光が当たるような状態にしたいです。光が当たらない部分は光合成もできませんので混みあっている部分の整理をしておくことも大事です。

レモン日記|病害虫

剪定とは異なりますが、レモン栽培をしていると病害虫に悩まされると思います。ここでは約2年間の栽培で気になった病害虫を紹介していきます。過去の記事では農薬を使わずに退治したこともありますので記事も合わせて紹介していきます。

病害虫の規模によっては農薬による防除を推奨します。天然防除資材や人の手による物理的処理には限界があることを知っておいてください。私はポンカン栽培に於いて農薬を使用しなかったことにより枯らしてしまった過去があり、10年以上栽培した果樹でも被害によっては枯れてしまいます。適切な判断で管理を行ってください。

レモンの害虫

レモン栽培をしていて気になった害虫は3種類いました。1つ目は「カイガラムシ」です。これは近くでキンカン栽培をしており風によって幼体がレモンに飛来して増殖したと思われます。

カイガラムシは果樹栽培をしていると見かけることが多いと感じます。様々な種類がいますが、うちに発生したものは白いふわふわしたタイプでした。

厄介な点は爆発的に繁殖して樹の汁を吸うことと後に紹介する「すす病」と言う病気を誘発することです。汁を吸われて養分を奪われ、すす病によって光合成が阻害されるダブルパンチです。

カイガラムシの被害が少しならば歯ブラシや手で落としていけますが、数が多いと農薬による防除が望ましいです。初期で対処できればいいですが大量発生後はかなり苦労する害虫です。

2つ目は「ハモグリガ」です。この害虫は葉っぱに悪さをする害虫で、ハモグリガの幼虫は葉の中を食い荒らします。食害を受けた葉っぱは絵を描かれたように模様が出るのでこの害虫がエカキムシとも呼ばれています。

当然ながら葉っぱが食害を受けると光合成の効率が落ちたり光合成できなくなるため注意が必要な害虫です。体感的には新しい葉っぱに発生することが多いと感じており、柔らかい新芽が狙われている気がします。

ハモグリガは葉っぱの中に隠れているため農薬が効きにくい印象があります。私はハモグリガに対して農薬ではない天然防除資材「ニームオイル」を使い撃退できました。

過去のレモン記事ではカイガラムシ・ハモグリガの内容も投稿していますので興味があればこちらの記事も読んでみてください。

最後は柑橘栽培のボス「アゲハ蝶の幼虫」です。やつらは小さな芋虫の第一形態、大きくなった第二形態、緑のモスラ第三形態と成長するたび食欲が増していきます。特に第三形態を放置しているとあっという間に葉っぱがなくなります…

特にレモン栽培1年目はたくさんの幼虫が発生し、限界を感じたため農薬による駆除をしました。時には農薬も必要と改めて感じました。

2年目のレモン栽培ではハウス全体をネットで覆い、アゲハ蝶が入れないように物理的対策を行いました。ネットの隙間から侵入してしまったこともありましたが、昨年より被害は少なく、2023年は農薬不使用で栽培することができました。

レモンの病気

ここ2年で発生した病気は「すす病」だけでした。すす病はカイガラムシやアブラムシによって引き起こされる病気です。特徴として葉っぱや枝・果実などに黒いすすのようなものが付着します。

発生のメカニズムとしてはカイガラムシなどの害虫が樹の汁を吸う→粘性の排せつ物を下に落とす→空気中の菌が粘性の排せつ物に付着して増殖→光合成阻害・果実の品質低下となります。

ちなみにすす病は想像よりも綺麗に落とせます。水を含ませたタオルなどですす病のついた葉っぱを拭くと落とせます。ただ、すす病は根本の原因(カイガラムシやアブラムシ)を対処しないと永遠に出続けます。

すす病を落とすのは害虫を駆除してからゆっくりと行いましょう。

個人的にカイガラムシ・ハモグリガ・アゲハ蝶の幼虫のどれかが確認できれば早めに動き出した方がいいと思います。念のため農薬を準備したりニームオイルで食欲減少・脱皮阻害を狙ったり歯ブラシや箸で害虫を落としたりしましょう。

病害虫は放置すると樹勢の低下・樹が枯れる原因に繋がりますので注意してください。

まとめ

今回は2年栽培レモンの剪定作業を行いました。私は果実の収獲が終わったものから剪定作業に入りましたが、世間的に推奨されている剪定時期は3月頃のようです。

剪定作業では100点を目指す必要はなく、不要な枝をそこそこ落とせたら十分です。

基本的な剪定の手順はありますが、私は人によってやり方がたくさんあると考えます。一般的に不要と言われている枝でも残す人もいますし、そこは基本を理解したうえでやればいいんです。

私もいろいろとやり方を模索して自分に合った剪定のスタイルを見つけていきます。その中でおすすめできると思ったやり方は記事で紹介していきますので参考にしてもらえると嬉しいです。

2021年の12月に開始したレモン栽培、この2年で少しずつ変化がありました。土づくりをしてポットに苗木を植え、樹形を考えて剪定を行い、病害虫と戦い、収穫をしました。ひとまず収穫と言う目標は達成できました。次は品質の良い果実をたくさん収穫するために肥料の調整や剪定、病害虫対策などの取り組みをしていこうと思います。

作業内容は記事にまとめてカテゴリー「レモン日記」に投稿していきますので興味があれば読んでもらえると嬉しいです。その中でレモンに興味を持ってもらえたり実際にレモン栽培をする方が増えればと思います。

レモン栽培をしていると害虫にゾッとすることもありますが、何かを栽培するのは楽しいです。自分で栽培した農産物を収穫して食べる味はもちろん格別です(^^)

農園では冬の収獲物としてポンカンや不知火があり、収穫シーズン中はほぼ毎日食べています。こちらも収穫が楽しみです。

今回も最後まで読んで頂き感謝です。

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