みかんの皮に白いかさぶた!?|柑橘「そうか病」の話

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レモン日記

こんにちは!管理人のすのうです。

今回のテーマは「そうか病」です。そうか病は柑橘類の栽培や根菜類の栽培で見かけることのある病気で特徴としては「白いかさぶた」や「小さなイボ」のようなものが発生し、果実の品質を低下させます。見た目が悪くなるだけではなく、皮が厚くなったり酸味が強くなる傾向にありますのでそうか病は厄介な病気と言えます。

ちなみにみかんやレモンなどの柑橘類とジャガイモなどの根菜類では「そうか病」を発生させる菌が違うそうで、柑橘では糸状菌の一種が枝や葉に付着して悪さをします。特に新しい枝が伸び始める4月頃~5月頃には注意が必要で、春頃の日照不足や低温、降雨によって病気が広がる可能性が高まります。ちなみに葉や枝に水のかからないハウス栽培ではそうか病の発生が著しく減少します。

冬(収穫時)にそうか病を確認した場合は次の4月頃に農薬防除を行った方がよさそうですね。特に注意が必要なのは菌の付着した枝や葉で圃場に残したままにしておくと翌年に越冬した菌が胞子を出して感染が拡大してしまいます。病気の発生した枝や葉は圃場外で処分するようにしてください。

今回は農園の露地みかんでそうか病が発生していたため、記事にまとめることにしました。私自身、そうか病の特徴や対策についてあまり知識がなかったため、良い機会だと思い調べながら記事を書いていきます。農園の露地みかんもしっかりそうか病の対策を行い来年は品質の高い果実を収穫できるようにしていきます。

見た目は悪いですが、それなりに大きさ・糖度もあり美味しいです。

この記事は露地みかんの病気として書いていますが、レモンで発生する病気でもあるためカテゴリー「レモン日記」に入れています。症状や対策は同じですので知識として知っておいてください。

※今回の記事内ではみかんの病気・害虫の写真が出てきます。ご注意ください。

柑橘日記|そうか病の話

ここからは柑橘そうか病の知識や農園の露地ミカンの紹介をしながら一緒に学んでいけたら良いと思います。

私が書籍やネット検索を使って集めた知識や農園のみかんを実際に調べて記事にまとめました。

そうか病の症状

まずはそうか病の症状について説明していきます。そうか病では大きく2種類の病斑が発生します。1つ目は「イボ型」の病斑で特徴としてはイボそのもの(笑)果実からポコポコとイボ型の病斑が飛び出ています。一目でおかしい!そう感じる見た目です。

2つ目は「そうか型」です。そうか型病斑は白いかさぶたです。カサカサした触り心地でこちらも一目で分かります。うちの露地みかんではそうか型の病斑が多く発生しています。

カサカサした病斑が出ていても中の果実は美味しいです。品質が低下しやすいと書かれていましたが十分な甘さです。

写真のみかんではまだ被害は軽いです。この病斑が全体に広がったものはかなり異質な見た目をしています。

そうか病|病斑の違い

先ほどそうか病には大きく分けて2種類「イボ型・そうか型」があることを書きましたが、この病斑が出る違いは何でしょうか?

答えは菌密度と感染時期です。菌密度の低い早い時期に感染した場合はイボ型となり、菌密度の高い遅い時期に感染した場合にそうか型となるようです。

感染については4月頃の新芽の時期が最も感染しやすいですが気温や湿度の条件が整えば、夏や秋でも発病します。

そうか病の対策

そうか病を発生させないためにはどうすれば良いのでしょうか?

まずは雨に当てないことですね。環境を整えるのは大変ですがそうか病の菌は雨によって濡れて胞子を形成しますのでビニールハウス栽培などで雨の侵入を防ぐこと。これが物理的な対策として最も効果があるのではないでしょうか。

うちの柑橘栽培では「ポンカン」「不知火」「レモン」「キンカン」がありますが、そうか病の発生をほとんど見たことがありません。ビニールハウス栽培では雨だけでなく風や霜の影響も受けにくく品質の高い果実を収穫することができます。特にレモンは鋭いトゲがあるため露地栽培では風によって枝や葉が揺れてトゲで傷つくことが多いです。ハウス栽培は初期コストがかかりますが理想的な管理方法ですね。(レモンにはトゲのない品種もあります)

手前がぽんかんで奥の小さいものが姫レモンです。見ての通り綺麗な果実が収穫できました。

話を戻します。続いて適切な防除です。新芽(新梢)が出てきたタイミングで防除を行います。だいたいの地域では4月上旬~中旬ごろがタイミングとなりそうですね。柑橘そうか病に対応している薬剤はそれなりに種類があり、全てを紹介すると読みにくい記事になりそうですので1つだけ紹介しておきます。

農薬の中に「デランフロアブル」と言うものがあります。デランフロアブルはみかんのそうか病やなしの黒星病などに優れた予防効果を示します。柑橘そうか病の防除として使用する場合は1000倍の希釈倍率10aあたり200L~700Lを散布します。使用時期としては収穫30日前まで使用できます。

その他にそうか病の発生しやすい条件として「窒素肥料が多い(窒素過多)」場合や「病斑の出た枝や葉」を放置しているとそうか病が発生・拡大しやすくなりますので注意してください。窒素過多は分からない場合もありそうですが、病斑の出た枝や葉は見れば分かりますので取り除くことを意識してください。

柑橘の病害虫

農園の露地みかんではそうか病以外にも病気・害虫が確認できました。別の話になりますが合わせて紹介しておきます。

全体の写真で見ると綺麗に見えるみかんの樹ですが葉や枝が密集して病害虫も確認できました。

密集エリアは病害虫のリスクが高まります。剪定の際には光が届くように枝や葉の整理をするように心がけてください。

では発生した病気から見ていきましょう。

黒いすすのようなものが葉や果実に付着する病気「すす病」です。このすす病も厄介で葉っぱがすす病で覆われると光合成が阻害され樹勢が低下してしまいます。すす病は濡れたタオルなどで拭くと取れますが、根本的な原因を解消しないと長期間すす病に悩まされます。

今回露地みかんで発生したすす病の原因は「カイガラムシ」でした。過去の記事でカイガラムシとすす病の関係は詳しく説明していますので内容は省略しますが、簡単に言うとカイガラムシの排泄物にすす病の菌が付着して広がります。カイガラムシは樹の汁を吸って下に排泄するため下にある葉や枝や果実がすす病にやられます。

カイガラムシはたくさんの種類がいますが、上の写真のふわふわしたカイガラムシが露地みかんで大量に発生していました。そうか病だけでなくカイガラムシの対策も必要となりました。

要はすす病だけを何とかしてもカイガラムシ(原因)を何とかしないとすす病は解消しないと言うことです。

この写真で分かる通り、果実の上にいるカイガラムシが樹の汁を吸って下に排泄します。写真で見える透明な液体がカイガラムシの排泄物です。これは粘着質の液体でここにすす病の菌が付着して広がります。

すす病だけを綺麗にしてもカイガラムシがいる限りすす病は止まりません。

ちなみに先ほどは白いふわふわしたカイガラムシの写真でしたが、こちらもカイガラムシです。

農薬を使わずに栽培をしている場合、果実にゴマのようなものが付着している状態を見たことがあるかもしれません。これもカイガラムシの一種です。

爪でカリカリするとポロっと落ちますが見ていて良いものではありませんね。カイガラムシは繁殖期には爆発的に増殖するため初期防除が大切です。

過去の記事ではハモグリガとカイガラムシの記事を投稿していますので興味があればこちらの記事も読んでみてください。

まとめ

今回は柑橘の病気としてそうか病を紹介しました。そうか病はイボやかさぶたが発生する病気で果実の品質低下を招きます。特に露地栽培では降雨や日照不足の影響で病害が発生しやすくなったりしますので注意が必要です。適切な防除で病気は防げますので覚えておいてください。

みかんやレモンなどの柑橘類は手軽に栽培できる人気の果樹です。みかんやレモンにはそれぞれ品種もたくさんあるためスーパーや直売所で見かけないような珍しい品種を楽しむこともできます。

一方でそこそこに管理をしないと病気がまん延したり果実が実らなかったりしてしまいます。特にレモンは肥料喰いと呼ばれるほど栄養を欲しがったり、トゲにより葉や枝を痛める可能性が高まったりする特徴があります。そこそこに剪定・追肥・防除をすれば果実の収穫もしっかりできます。

最低限の知識を取り入れて柑橘ライフを楽しんでみてはいかがでしょうか。当ブログではレモン栽培の記事をカテゴリー「レモン日記」にまとめています。レモンの栽培を始めてから収穫まで記事をそれなりに投稿しています。病害虫や仕立ての話など管理面の記事もありますので興味があればカテゴリー「レモン日記」から記事を選んで読んでみてください。

最後に余談となりますが、この記事を書いている12月上旬は姫レモンの収獲時期となっています。

姫レモンは橙色の珍しい品種で果肉も橙色です。色は橙色ですが味はレモンそのものです。

特に揚げ物との相性が抜群で是非ともレモン栽培をして収穫した果実を堪能してほしいです(^^)

今回も最後まで読んで頂き感謝です。

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