大型鉢から果樹を抜く!キンカンを鉢植えから露地植えした話

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もふもふ農園の小ネタ

こんにちは!管理人のすのうです。

今回のテーマは「鉢植え植物の植え替え」です。もちろん農家のブログですので小さい鉢ではありません!大型の鉢で10年栽培したキンカンの植え替えを行った記事となります。

記事を投稿しようと思ったきっかけは大型鉢から植物が抜けない方が多いのではないかと思ったからです。参考になるかは分かりませんが、情報の一つとしてうちのやり方を紹介していきます。

余談ですが、うちの柑橘栽培(不知火・ポンカン・キンカン・レモン・せとか)はほぼ鉢植えです。50mのビニールハウス内に果樹ポットを並べて栽培管理しています。今回、鉢植えのキンカンを抜いて露地植えに変更しようと思ったきっかけはハウスで鉢栽培しているキンカンの生育が良くなくて部分的に枯れが目立っていたからです。

花が咲いて実がついてもすぐに落ちてしまい、2022年の収穫はほとんどできませんでした。この件に関してはいくつか問題が考えられ、その中にビニールハウスの温度が高すぎるのではないか、鉢栽培が長すぎたのではないかと思い、露地植えを試すことにしました。

ハウス栽培をされているキンカン農家さんも多いですが、うちではハウスより露地のキンカン(2021年に鉢植えから露地植えに変更したもの)の方が元気があり、葉っぱも良い色をしています。

昨年のキンカンの生育を考慮して、追加で露地に植え替えることにしました。

この記事の要点を先に伝えておきます。大型鉢は60ℓ鉢(17号鉢相当)で栽培しているものはキンカン、栽培年数は10年以上で鉢の端までキンカンの根が張った状態でした。このキンカンを鉢から抜いて露地に植えた方法を記事にまとめていきます。

大型鉢から露地植えした話

今回の記事はうちのやり方を紹介するものです。ネット上には様々な方法(鉢から植物を抜く方法)が出ていますので、その中の1つだと思ってください。

余談-大型鉢の話-

最初にうちが使っている鉢の話をしておきます。うちでは栽培する品種に合わせて60ℓの鉢と80ℓの鉢を使い分けています。今年はレモンとアスパラガスの鉢栽培を新しく始め、レモンは60ℓ、アスパラは80ℓの鉢で管理しています。

鉢の材質は陶器ではなく、NPポットと呼ばれるプラスチック製の鉢です。特徴としては軽くて丈夫です。このNPポットを200鉢以上使って果樹栽培をしていますが、特に不満に思う点はありません。不知火やポンカンやキンカンはこのNPポットの60サイズ鉢を10年以上使っていますが破損して使えなくなったのは数えるほどです。

ちなみに60ℓサイズは外径50㎝、高さは40㎝程度です。サイズだけ見ると小さいのかなと思う方もいそうですが、実際に現物を見るとそれなりに大きいです。果樹を栽培していくならこれくらいのサイズで良いと思います。

新規で始めたレモン栽培も60ℓの鉢を使っています。80ℓクラスは土を入れると1人で動かすのは厳しいため、60ℓくらいが扱いやすいと感じます。

余談-キンカンの話-

次にキンカンの話をしておきます。キンカンは10年以上ビニールハウスで栽培しており、果実が収穫できる年もありますが、全体的に収量は少ない印象がありました。ビニールハウスは便利な反面、温度が上昇しすぎる傾向にもあり夏場は軽く40°を越しています。

ビニールハウスには換気用のサイドを設けて温度が高くなりすぎないように調整していますが夏場は灼熱です。耐熱性は強いと言われていますが年々枯れが目立っていました。

鉢の根が張りすぎているのか剪定が不十分なのか肥料の問題なのか温度が高すぎるのか等、考えられることは多いですが、2021年に試しで鉢植えから露地植えしたキンカンは順調に育っているのも事実ですので、今回は追加で露地植えして様子を見ることにしました。

ちなみに不知火・ポンカン・キンカンはほぼ同様の管理で栽培しており、キンカンだけ弱っています。個人的には温度が怪しいと感じたため露地植えを追加することに決めました。

現在のキンカンです。本来なら厳寒期に植え替えすることがベストですが、1部を秋に植え替えしました。露地植えの生育が順調なら順次植え替えを進めていこうと思います。

現在のキンカンはほとんどの葉っぱが落ちて半分ほど枯れた状態になっており、このままでは果実も収穫できないし全滅することも考えられる。植え替え適期ではありませんができるだけ根にダメージを与えないようにスピード重視で作業を進めます。

植え替え-鉢の持ち上げ-

まずはキンカンの鉢をビニールハウスから出す作業です。60ℓクラスなら体感でだいたい50㎏から60㎏くらいに感じます。1人で持ち上げることは厳しくて今回は2人で鉢をハウスの外まで運搬しました。

1人でも大型鉢を運搬できるように2輪運搬台車を準備していましたが2人いたので今回は手作業にしました。2輪運搬台車は別の記事で紹介しようと思います。

ハウスから出したら鉢を引き上げます。参考にならないかもしれませんがユンボを使いました。キンカンの根本にスリングを引っかけて宙づり状態にします。

ネット記事には滑車状に持ち上げられる土台を作っている人もいました。大人が2人いれば単管パイプで作った棚などにスリングを通して宙づりにできそうですね。

ここからが大型鉢からキンカンを抜いた方法紹介です。

植え替え-鉢から抜く-

根がびっしりと張っているので簡単には抜けません。

前回に鉢植えから露地植えした時は水圧を高めたストレートの水流で鉢の周りを流していました。今回のようにスリングで持ち上げることもなく、5分ほど鉢の周りを流していたら手で抜けました。

今回に関しては厳寒期ではないため根の傷みを考慮してやめました。厳寒期ならやってみても良いかもしれません。

では、どうすれば簡単に外せるのか。答えはハンマーで叩く一択です。

この方法は条件が重なった時に効果を発揮します。宙づりにしているからこそ一瞬で抜けます。マジで(笑)

10年以上栽培して根がびっしりと張った状態でさえ1分で抜けました。今回は6鉢分を植え替えしましたが全て1分から2分で抜けました。

設備がないと宙づりにするまで一苦労ですが吊ったら一瞬です。ハンマーで鉢の淵を叩いて1周したら抜けます。NPポットも5個は無傷で1個だけ叩く位置が悪くて割れてしまいましたが丁寧にやればNPポットを破損させずに抜けます。

植え替え-運搬-

ここは参考にならないかもしれません。

鉢から抜いた果樹を植え替えるために運搬する必要があります。一輪車に載せて運搬するのが楽そうですが、うちはユンボでそのまま運搬しました。

露地に植え替える穴も手作業ではかなり時間がかかりますし体への負担も大きいです。一方機械を使えば簡単に、手作業よりも早く、体への負担も激減して作業できます。

高価なものですので簡単に買えるものではありませんが、設備投資はやるべきだと思います。仮に今後を考えるとあと30本以上のキンカンを露地植えするため穴を掘らないといけません。又30回以上鉢からキンカンを出さなければなりません。使用しているユンボを買っていなければこれが全て手作業と思うとゾッとします。

農業で利益が出たら計画を立てて設備投資した方が良いと思います。私の父つーさんは利益はほとんど設備投資に使う変わり者です。農業に対する愛はものすごいですが、母は父が家にお金を使わないので不満に思っています(笑)

話が少しそれましたが、キンカンを露地植えする時は堀った穴に枝豆の残渣・有機肥料・モミガラくん炭を入れ、キンカンの根をほぐさずにそのまま植え付けました。周りの土をしっかりと固めて地上部には再度有機肥料とモミガラくん炭を撒いて枝豆の残渣で覆いました。

モミガラくん炭に関しては2022年はたくさん作ったので贅沢に使っています。使い勝手が良く、万能な資材ですが簡単に作れるのでおすすめです。過去にモミガラくん炭を作った記事を投稿していますので興味があればこちらの記事も読んでみてください。

キンカンの植え替えはできる限り根にダメージを与えないように1本ずつスピード重視で植え替えをしました。ここから1ヵ月ほどは生育の様子見で鉢植えから露地植えは問題ないか確認していくことにします。

まとめ

今回はキンカンを鉢栽培から露地栽培に植え替えた内容を記事にしました。

皆さんが気になる点としては鉢から植物を抜く方法だったのではないでしょうか。特に栽培を続けて根の張った植物はなかなか抜けません。うちでもキンカンの根が60ℓNPポットの形になるほどびっしりと張っていました。

うちのやり方が参考になるかは分かりませんが、宙づりできたらハンマーで叩く。これですぐに抜けます。又は厳寒期を狙って鉢の周囲に水をかけることでも抜くことができます。今回の記事が何かの役に立てたら嬉しいです。

キンカンの植え替えは2022年の11月に6本行いました。この6本の生育状況を確認しながら、あと30本以上残っている鉢植えキンカンをどうするか考えていきます。

大事に10年以上栽培したキンカンですので枯らすことなく栽培していきたいです。2023年は樹勢の回復に力を入れ、2024年はたくさんの果実を収穫したいと思います。

今回も最後まで読んでいただき感謝です。

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