こんにちは!管理人のすのうです。
今回も「せとか日記」の記事となります。前回の記事から新しく始まったせとか日記、せとかをビニールハウス内に直植えして2025年には果実を収穫する!これを目指して栽培を頑張っていきます。
さて、今回のテーマは「草生栽培」です。草生栽培とは文字の通り草と生きる栽培方法で、果樹園では取り入れられている場所が多いです。
ちなみにうちの露地果樹でも草生栽培は取り入れており、キウイフルーツ・レモンの果樹園に「ナギナタガヤ」と「クローバー」を植えました。栽培から1年以上が経過しましたがどちらもおすすめできると思います。
今回せとかの草生栽培に使う植物はナギナタガヤでもクローバーでもありませんが、一応説明をしておくとナギナタガヤは秋の終わりごろに種を蒔いて葉っぱの出た状態で冬を越します。春の暖かさでより草丈を伸ばして他の雑草が芽を出す頃にはナギナタガヤは大きく成長しています。夏には自然に倒伏して地表を覆い、他の雑草を覆って雑草抑制効果を発揮します。倒伏したナギナタガヤはゆっくりと分解され栄養源として果樹園の肥やしとなります。
クローバーは有名ですね。特徴としては繁殖力がとても強く、どんどん生息域を拡大していきます。伸びすぎたら地上部を草刈り機で刈り、緑肥として活用できます。ただ、繁殖力が強すぎるため予期せぬ場所にまで生息域が拡大する可能性もあります。
ナギナタガヤ・クローバーの草生栽培に興味があればこちらの記事を読んでみてください。うちで実際に取り入れた内容を記事にまとめています。
ナギナタガヤの記事はこちらです。
クローバーの記事はこちらです。
ここからが今回のテーマ「せとかの草生栽培」となります。最近行った作業も合わせて記事にまとめていきます。
せとか日記|草生栽培
草生栽培をするにあたり、何の植物を使うか悩みました。ナギナタガヤやクローバーを使っても良いのですが、新しい植物を試してみたい気持ちが強かったため何か使えそうなものを探してみました。
他の農家さんのインスタグラムやブログや果樹栽培の書籍を読むうちに柑橘栽培と相性の良い植物の候補が出てきました。
ちなみに、先ほど紹介したナギナタガヤやクローバー(クリムゾンクローバー)も相性の良い植物として評価されており、雑草抑制効果も高いとされています。
私が、今回のせとか草生栽培をするにあたり、必要と言える効果は「管理が容易である」「有機物を補給できる」「雑草抑制効果がある」ことです。
これらを満たす植物を剪定して「ヘアリーベッチ」を選びました。
ヘアリーベッチとは
ヘアリーベッチはマメ科の1年草または越年草で、同じ科にクローバーも入っていますね。 特徴として、耐寒・耐雪性に優れており越冬が可能。 ナギナタガヤのように芽の出た状態で冬を越すため他の雑草よりも大きい状態で春を迎えます。
秋または早春頃に播種し、春から夏に全面被覆します。要するに私が使ってきたナギナタガヤやクローバーと似たような植物と言うことです。
寒さにも強く生育期間も長いため有機物を供給するには良いと言えますね。ヘアリーベッチの種類にもよるそうですが夏頃には自然に枯れて地表を覆うそうでこれが雑草抑制に大きな効果があるとのことでした。地表を覆ったヘアリーベッチはゆっくりと分解され、有機物補給に効果があります。
ちなみにヘアリーベッチはツル系植物で生育も早いとのことでした。ツルがせとかに絡まないか心配ですが、今回はこちらを使っていきます!
ヘアリーベッチに興味があれば商品ページから詳細を確認してみてください。ナギナタガヤよりも価格が安いので購入しやすいと思います。
ヘアリーベッチの品種
ヘアリーベッチにも種類がありますが、今回はヘアリーベッチナモイにしました。
選んだ理由として、雑草抑制効果が高い・果樹園の下草などに効果がある・排水さえよければ土をほとんど選ばない、まさに理想ですね。
少し気になったポイントはやはりツル系植物で100~200㎝程度伸びるそうです。伸びた部分がせとかの生育を悪くしないか…そこが心配です。
ヘアリーベッチの播種量として10aあたり3㎏~5㎏が目安のようです。せとかを植えたエリアはせいぜい1aくらいでしょうか?播種量としては300gもあれば十分ですね。
購入した種は1㎏ですので余ったヘアリーベッチは別の果樹エリアに活用しようと思います。
ヘアリーベッチの播種
特に難しいことはしていませんが、せとかエリアにヘアリーベッチの種を蒔きました。
種を蒔いて5㎝程度土をかけてたっぷりと水を与えました。
種を蒔いて1週間後、ヘアリーベッチは芽を出しました。
この状態からどのように成長していくかヘアリーベッチも気になります。
せとか日記|雑草抑制とトゲ切り
うちでは果樹の鉢栽培に力を入れており、不知火ハウス・ぽんかんハウス・レモンハウスがあります。
全てビニールハウスで栽培していますが、管理面で気になる点もありました。
こちらは不知火のハウスになりますがハウスの端はこのような状態です。
端は雑草が生えています。定期的に草むしりをしていますがこの部分の雑草は厄介で春から秋は一瞬で大きくなります。ここからツル系植物のアサガオやヤブカラシが侵入して果樹に絡みつくこともありました。
そのため今回のせとかエリアは最初に対策をしておこうと思います。
雑草抑制|防草シート
前回の記事内写真でも少し写っていましたがハウスの端に防草シートを敷きました。
防草シートの値段はピンキリで安いものであれば50mシートでも数千円で購入できます。逆に高価なものであれば同じ長さでも数万円する防草シートもあり、どれを購入したら良いか悩みますね。
一般的に構造(一層構造<二層構造)や耐久期間(耐用年数)が長いほど価格が高くなり、値段差が数倍になることも珍しくありません。当然ながら1年でボロボロになってしまう防草シートと10年使える防草シートでは後者の方が高価になります。
個人的には初期投資がかかっても長く効果を発揮する防草シートを選んだ方が張り直しの手間がなくて結果的にコスパが良くなると思います。ただ、収益が出ていない状態での出費はキツイのも分かりますので財布と相談しながら選びましょう。
今回は他の果樹での売り上げもあったため少し良いものを選んで購入しました。
防草シートと合わせてシートを固定するピンも購入し、せとかハウスの端に敷いていきます。
せとかエリアをぐるっと囲うように防草シートを敷きました。ハウスの端の雑草抑制が目的ですが、合わせてヘアリーベッチがアスパラエリアに侵入しないようにもしています。
防草シートはビニールハウスの骨組みにパッカーで固定+地面にピンで固定しました。パッカーやピンをケチると隙間から雑草が出てきますので念入りに固定しました。
せとか管理|トゲ切り
柑橘にはトゲのある品種がそこそこあります。特にレモンはだいたいの品種にトゲがあり、うまく管理しないと葉や果実がトゲで傷んでしまいます。
せとかもトゲのある柑橘ですのでレモン同様にトゲの処理が必要となります。写真でも分かる通り強烈なトゲがあります。
トゲを切ってしまっても生育には影響がないそうですので定期的にトゲ切りを行います。
トゲは何で切ってもいいですが、手ごろなところで摘果ハサミを使いました。近くに葉や枝があることが多いので小さめのハサミを使うと良さそうですね。
まとめ
譲り受けたズタボロせとかをビニールハウスに直植えし、しっかりと管理して果実の収獲を目指すせとか日記。今回は有機物を補給できるサイクルを作るため草生栽培に取り組みました。
農園の露地果樹エリアではナギナタガヤやクローバーを選びましたが、せとかにはヘアリーベッチを使うことにしました。ヘアリーベッチもナギナタガヤ同様に自然倒伏して地表を覆い、雑草抑制の効果がある植物です。
ヘアリーベッチがせとか栽培を助けてくれる存在となれば嬉しいです。
ちなみにせとかハウスはまだスペースがありますので過去に露地から鉢植えに変更したせとか達も引越しさせようと考えています。たしか5鉢ほど柑橘ハウスに避難している気がしますので冬の間に直植えしていきます。
うちの地域は暖地ではありませんので冬はしっかり雪が降ります。露地栽培のせとかはうまく生育せずボロボロになっていたため鉢植え管理を行っていました。過去にはその様子を記事にまとめていますので興味があればこちらの記事も読んでみてください。
せとかの管理本数も増えて柑橘栽培の規模が大きくなってきました。追肥や病害虫対策をしっかりと行い、質の良い果実を作りこなしていきたいです。
せとか栽培の記事はカテゴリー「せとか日記」にまとめています。まだまだ記事数は少ないですが少しずつ記事を投稿していきますので読んでもらえると嬉しいです。
今回も最後まで読んで頂き感謝です。
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