こんにちは!管理人のすのうです。
今回のテーマは「ナギナタガヤ」です。ナギナタガヤに関しては過去に2回ほど記事を投稿しており、どういった特徴があるか、どんなメリットがあるか、雑草抑制の効果はあったのか等をまとめて発信しました。3回目の今回は昨年に続いてナギナタガヤの種子を購入し、昨年カバーできていなかったエリアに種を蒔いた話や昨年の感想をまとめていこうと思います。
ちなみにナギナタガヤを簡単に説明すると秋頃に種を蒔いて芽を出したまま冬を越し、気温の上昇とともに大きく成長、夏頃の暑さで自然倒伏する植物です。メリットとしては雑草の枯れた冬には芽を出しており、気温の上昇で他の雑草が芽吹くころにはより大きく成長し、夏には倒伏して他の雑草を覆うため雑草抑制の効果が期待できます。又、倒伏したナギナタガヤは時間の経過とともに分解され良質な養分となります。雑草対策が軽減され、土壌の養分補給も兼ね備えた魅力的な植物です。
うちの果樹園では昨年からナギナタガヤを取り入れて様子を見てきましたが、確かに雑草抑制に効果があったと感じられました。そのため今年もナギナタガヤの種子を購入して昨年カバーしていなかったエリアにも展開したいと思います。
今回の記事が何かの参考になれば嬉しいです。ちなみに過去の記事でナギナタガヤの詳しい説明やナギナタガヤの感想を投稿していますので興味があればこちらの記事も読んでみてください。
魅力的なナギナタガヤの話
農園のキウイエリアに試してみたナギナタガヤですが、昨年は播種が遅れたため直接種を蒔いた分とビニールハウスで育苗してから植え替えた分がありました。結果的にどちらも問題なく成長して夏前には自然倒伏し、雑草抑制の手ごたえを感じました。
こちらが2023年10月上旬のキウイエリアです。
分かりやすいように大きな雑草とツル系の雑草は除去していますが、左側はナギナタガヤでマルチされた状態、右側はたくさんの雑草が確認できますね。
ちなみに倒伏したナギナタガヤだけで雑草が一切生えなくなるわけではなく、隙間から雑草が出てきたりアサガオやヤブカラシなどのツル系雑草が伸びてきたりスギナがチラホラ出ていたりと草むしりは定期的に行いました。
ただ、何もしていないエリアに比べると雑草量が少なく、手間が軽減されたと感じます。体感的には稲よりも少し背の低い状態で倒伏して雨でベタっと張り付いていました。雨の日はナギナタガヤが滑りやすいのでそこは注意が必要なのかもしれません。
クローバーとナギナタガヤ
雑草抑制や早生栽培の話で、ナギナタガヤと同じ時期に「クローバー」を別の圃場から移植して雑草抑制を試したことがありました。
クローバーは繁殖力が強いため人によっては害のある雑草と言われていますが結果的に私はメリット面もそれなりにあったと感じました。
こちらも2023年10月上旬のキウイ園の写真です。園の端では柑橘類を栽培していますがこのエリアではクローバーによる雑草抑制を試してみました。移植したときから1年ほどで範囲を体感で10倍以上に拡大させたクローバー。背が高くなると草刈り機で地上部を刈りこんでいましたが枯れることなく生息域を拡大していました。
今ではスギナやヤブカラシを抑えてクローバーが優位に立っていると感じます。伸びてきたら刈り込む手間はありますがナギナタガヤ同様に雑草抑制の効果は期待できそうです。
クローバーに関しても過去に記事を投稿していますので興味があればこちらもチェックしてみてください。
ナギナタガヤで感じたこと
ナギナタガヤ倒伏による雑草抑制も限界があります。見た目的にはベタっと倒伏していても隙間から雑草が芽を出してきます。その雑草を根から引き抜くとその穴から次の雑草が出てきました。
今のところは草むしりを0にする未来は見えていませんが将来的にはここも何かしら改善できたら良いと思っています。キウイ園から雑草の種子を全て排除できたら可能なのでしょうが、周囲の圃場は雑草が生い茂っており風によって雑草の種子は供給されてくるでしょう。
完全な雑草抑制は諦めて厄介なツル系雑草や繁殖力の強い雑草を都度排除して管理していくことも考えています。
背の高い雑草やツル系雑草は果樹にとって成長の妨げとなりますが背の低い雑草ならむしろメリットもあると考えます。土の乾燥を防いで水分を保ち、小さな生き物の住処にもなります。
除草剤を使って全て枯らした方が手間もコストもかかりませんが、雑草と共存する栽培をやりたいと思います。
お馴染みのナギナタガヤ
昨年に引き続き、2023年もナギナタガヤの種子を購入しました。
ちなみに倒伏したナギナタガヤにも種子がついており、こぼれ種も発芽しています。昨年に種を蒔いたエリアはこぼれ種でカバーして2023年はナギナタガヤのエリアを拡大するようにしていきます。
1kgのナギナタガヤの種子でだいたい5aの面積をカバーできます。(パッケージ裏面に播種量:10aあたり2~3㎏と記載)
昨年に種を蒔いたエリアと今回の追加エリアでも種子が余ったため、この分は新しく果樹園を開拓してそちらに使うことにしました。
こちらにナギナタガヤの商品リンクを貼っておきます。興味があれば商品の詳細を確認してみてください。
ナギナタガヤの播種エリア
昨年はナギナタガヤを鉢栽培の果樹に使ったり、倒伏する前に父が雑草と間違って草刈り機で刈ってしまったりして一部のエリアでしかナギナタガヤを試せませんでした。
2023年は範囲を拡大して園全体をカバーするように進めていきます。
真ん中が空いていると感じますが、ここは防草シートを敷き通路とすることにしました。理由として草丈が膝くらいまであるため移動時に不快となること・奥がアスパラハウスで毎日の収獲で通行するためです。通路を確保して他の部分はナギナタガヤを試していきます。
ナギナタガヤの播種期
ナギナタガヤの播種期として暖地は9月中旬~11月上旬、冷涼地は9月中旬~10月下旬とパッケージに書かれていますが、いつにするか悩みました。ちなみに昨年は播種が遅れて11月中旬になってしまいましたが問題なく成長しています。
とりあえず2023年は昨年のこぼれ種が発芽したタイミングとしました。
定期的に観察し、こぼれ種は10月上旬に発芽が確認されました。そのため2023年は10月上旬に直接播種を行いました。昨年は播種が遅れたため万が一を考えて育苗してから植え付けも行っていますが、今年は播種の適期なので育苗は行いません。
余った種子の行方
以前より新しい果樹園を作りたいと思っておりそこでナギナタガヤを使おうと考えていました。そんな時、サツマイモの収獲が終わり、5aほどのスペースが確保できました。まだ植える果樹は決まっていないため全てのスペースは使いませんが、第一歩としてサツマイモで使っていた1畝にナギナタガヤを使ってみることにしました。
畝の雑草を避け、ナギナタガヤの種子を蒔いて余っていたモミガラを上から被せました。将来的にこぼれ種が広がってナギナタガヤのエリアが拡大されることを期待します。
種を蒔いて1週間が経過する頃にはナギナタガヤが芽を出してきました。ちなみに種を蒔いてモミガラを被せた後は特に何もしていません。水も自然任せで撹拌や鎮圧もしていません。
来年は間違って刈られないよう何かしらの目印を考えていきます(笑)
2023.11ナギナタガヤ
ナギナタガヤの種を蒔き、11月下旬になりました。ここでキウイ園の様子をみていただきたいと思います。
キウイ園の通路には防草シートを敷きました。ナギナタガヤの倒伏までは草丈があるため作業しにくいからです。
良い防草シートはそれなりの値段ですが、作業効率アップのため設備投資として購入しました。写真で見える緑はだいたいナギナタガヤとスギナです。他の雑草は目立ったものが出てきたら刈り取るよう意識しています。特にノゲシは成長も早いため見かけたらすぐに処理します。
種子とこぼれ種で一面がナギナタガヤで覆われています。このまま冬を越して春から一気に成長して夏前には自然倒伏します。今年は昨年以上に綺麗な倒伏状態が見れると思います。
まとめ
昨年に続いて2023年も種子を購入して種を蒔きました。個人的には雑草抑制効果を実感しており今回の追加で来年の倒伏がより楽しみになりました。昨年と同じことをしていたら同じ作業が待っていますが、新しいことを取り入れれば作業が楽になったり時間が短縮されたりします。
つまり設備投資のようなものです。ナギナタガヤと言う設備を導入して草むしりにかかる時間や追肥の手間を軽減する狙いがあります。今回の取り組みも良い結果になればいいと思います。
ちなみに種子の播種前には目立つ雑草を除去する必要があります。雑草が生い茂るエリアにナギナタガヤの種を蒔いてもうまく成長しませんし、草刈りでナギナタガヤまで一掃してしまうことも考えられます。
今回は何もしていないエリアが広かったためたくさんの雑草を刈りました。雑草は1か所にまとめてお馴染みのコーランネオ・米ぬか・土でサンドイッチしました。
来年には良質な雑草堆肥になっていると思いますので、こちらの土でも何か栽培したいと思います。
過去には雑草堆肥でかぼちゃを栽培しました。手入れや追肥を一切行っていませんでしたがかぼちゃがたくさん収穫できました。思っていたよりも雑草堆肥は魅力的なのかもしれないです。
雑草堆肥は人によって作り方が違いますが、個人的に今のところは雑草・コーランネオ・米ぬか・土で作るのが簡単でフカフカになると思います。切り返しも行わずかぼちゃもそのまま種を蒔きました。
雑草をゴミにするのではなく再利用できるのは魅力的ですね。
今後も役立ちそうなネタがあれば発信していきます。
今回も最後まで読んで頂き感謝です。
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