こんにちは!管理人のすのうです。
今回のテーマは「露地レモン」です。農園のレモン栽培はビニールハウス栽培がメインですが、一部のレモンは露地植えです。今回は露地レモンの話をメインに記事を書いていきます。
個人的には露地栽培でも綺麗なレモンを収穫することは可能だと思います。管理を楽にしたいのであればトゲなし品種を選ぶなど考慮した方がいいですね(^^)
農園では2019年、2022年、2024年にレモンの苗木を植え、露地栽培していますが枯れなく栽培できています。ビニールハウス栽培に比べて手抜き管理ですがたくましく成長しています。
レモンなど柑橘類の栽培は初心者にもおすすめと言われていますので、果樹栽培を考えている方はレモンを候補に入れてみてはいかがでしょうか?
使い道の多い魅力的なレモン、記事を読むと栽培したくなるかもしれません。
レモン日記|露地レモンの生育
露地栽培をしていると雨や風の影響を受けて枝や葉が傷みそうと思っていましたが、思っていたよりも綺麗な葉っぱが多かったです。
さて、最初に2024年に植えたレモンを見ていきましょう。
2024年露地レモン
栽培しているエリアは防草シートで覆った場所で下剋上果樹エリアと呼んでいます。種苗屋さんから売れ残った果樹をまとめて購入して苗木を植えたエリアです。レモンだけでなくお茶の木(杜仲の木)やリンゴや梅やブルーベリーなどメジャーなものからマイナー果樹まで色々植えました。
最初の土作りを最低限行ったくらいでその後はほとんど管理をしていませんでしたが枯れることなく成長していました。ちなみにうちの柑橘類栽培では追肥を年4回(3月6月9月11月)行っています。
7月から8月はアゲハ蝶の幼虫被害に悩まされ、一部のレモンは葉っぱがほとんど無くなりました。栽培年数の浅いレモンは葉っぱの数も少ないためアゲハ蝶の幼虫被害は致命的です。
葉っぱを食べられて丸裸→なんとか回復して新芽を出す→葉っぱを食べられるの繰り返しでした・・・
農作業の合間にレモンパトロールを行いアゲハ蝶の被害が出ている場合は薬剤による幼虫駆除を行いました。個人的には園芸店やホームセンターで入手できる「葉を食べる虫退治」が使いやすいと感じています。これは薬液が完成されたスプレータイプの商品で幼虫にピンポイントで当てることができて効果も高いです。
ちなみに後ほど紹介する2019年に栽培を開始した露地レモンは農薬不使用で果実の収穫までできました。7月から8月は同じようにアゲハ蝶の幼虫による食害が発生しましたが葉の数が多く新芽が多少食べられたところで問題ないと考えて何もしませんでした。
思っていたよりも幼虫の数が多くなかったので鳥に食べられたのかもしれません。
2022年露地レモン
続いて2022年に露地植えしたレモンです。こちらはキウイエリアの空きスペースに露地植えしたレモンです。時間のある時に穴を掘って果樹用の土を混ぜ込みそれなりに手入れをしたレモンです。
写真でも分かる通り2年の栽培でかなり成長しています。高さは約2mで2024年は果実が実りませんでした。
品種によって生育に差はありますがどのレモンも元気です。露地栽培の姫レモンは高さは低いですが横方向への伸びがありますね。
栽培2年でここまで枝や葉を展開しています。最初の土作りと葉っぱを残す手入れをしていればレモンはたくましく成長します。
2019年露地レモン
2019年に露地植えしたレモンはついに果実を収穫できました。
ビニールハウスで鉢栽培しているレモンは翌年から果実の収穫をしていますが、露地の場合はここまでかかりました。ただ、最初の2年はろくに管理をしていなかったのでツル系雑草に巻きつかれて樹勢が低下してしまったり冬越し対策をしておらず葉が全て落ちてしまったりして果実をつける力がなかったのかもしれません。
高さは2m以上で5年の栽培ともなると幹が太く全体的な骨格もしっかりしています。翌年からも安定した収穫が期待できそうです。
このレモンは2024年の農薬不使用で栽培できていますが葉っぱも綺麗な状態で成長しています。
露地栽培のメリット/デメリット
うちではビニールハウスでの鉢栽培と露地での直植え栽培を行っていますが、いくつか感じた点があります。
ここでは私の思うメリットとデメリットを書いていきます。
最初はメリットからです。
収穫量の増加が見込める
ハウス管理しているレモンに比べて、先ほど紹介してきた2022年・2019年植えのレモンはかなり大きいです。
鉢栽培では根が制限されるため、早期の果実収穫が見込めたり樹が大きくなりすぎない良さもありますが果実の量はそこそこです。
樹の大きく成長する露地栽培では枝や葉も多いため果実の実つきが安定し収穫量が多い傾向にあります。
2019年栽培のレモンもそれなりに実がつきました。来年以降が楽しみです。
水やりの手間が激減
当然ながらビニールハウス・鉢栽培では水やりの作業が必要になります。うちでは給水ホースを繋いで一括管理できるようにしていますが毎日レバーをひねって水を与え、定期的にホースのチェックもしています。
露地栽培では自然の雨を利用できますので設備にかかるお金や水やりにかかる時間をカットできます。露地植えした最初の年は多少水やりもしていましたが2年目以降は水やりをしなくても枯れなく成長しています。
剪定後の処理が楽
冬場の剪定ではそれなりに枝を落としますがハウス栽培では持ち出しに一苦労です。枝を集めて移動させる時に給水ホースを引っ張っていないか、持ち出しの際にレモンの枝を傷つけていないか気を遣います。
露地ならスペースも広く作業がしやすいですし細い枝であればそのまま下に落として終わりです。剪定後の管理は圧倒的に楽でした。
続いて私の感じるデメリットを書いていきます。
冬越し対策が手間
レモンは栽培しやすい果樹ですが耐寒性が弱く、マイナス3℃で枯れ始めるリスクが高まります。暖地であれば冬越し対策も不要かもしれませんが冷え込む地域で栽培されている場合は不織布を巻いたり敷き藁を敷いたりして寒さから樹を守る作業が必要になります。
うちでは過去に100均の衣類カバー(半分がビニールで半分が不織布)で冬越ししてみたり単純に不織布で冬越しさせたりしました。管理本数が多いと手間もかかりますが防寒対策しているのとしていないのであれば大きな差が出たため必須作業かと思います。
特に栽培年数の浅い2年目くらいまでは防寒対策をやった方がいいです。
病害虫の発生
レモン栽培をしていて圧倒的に多い害虫はアゲハ蝶の幼虫です。
夏前になるとどこからともなく飛んできてレモンの葉っぱに卵を産みつけます。孵化した幼虫は葉っぱを食害して巨大化・・・葉っぱも少ない栽培2年目あたりのレモンは致命的な被害を受けます。
私はアゲハ蝶対策としてビニールハウスの出入り口にネットを設置してアゲハ蝶が入れないように対策しました。ただ、露地栽培に関してはネットで覆えずやられ放題です。
2019年に植えたレモンは葉っぱも多く、多少食害された程度では問題ありませんが2024に植えたレモンには致命的な被害になりました。葉っぱが全て食害され丸裸に・・・
新しく出てきた新芽にもすぐに反応して食べられます・・・
このままでは枯れてしまうと危機感を抱いて2024年栽培のレモンに関しては定期的にパトロールを行い、薬剤による幼虫駆除も実施しました。
面白いと感じた点は、品種によって被害状況が全く違いました。被害の大きかった品種は菊池レモンとユーレカレモンで続いてビアフランカレモン、被害がほとんど出なかったのがピンクレモネードレモンでした。アゲハ蝶から見て好き嫌いがあるのでしょうかね(笑)
こちらもユーレカレモン同様に2024年に植えたレモンですが食害はあまりなくしっかり成長しました。
剪定が大変
メリットでは枝や葉が多く、果実の収穫量が増加すると書きましたが逆を言えば剪定が大変になると言えますね。
当然ながら小さな樹より大きな樹の方が剪定にかかる時間も多くなりますね。
露地栽培では根の制限がないため高さも出ます。管理本数が多いと選定には一苦労しそうです。
露地レモン|ハウスレモン
個人的に興味があったことですが「ハウスレモンと露地レモンはどう違う?」これを検証してみました。
検証は2024年の10月12日に実施。露地栽培しているレモンからできるだけ大きなものを選んで収穫し似たようなサイズのハウスレモンも収穫して比べます。
レモンの品種はハウス・露地ともにトゲなし品種とします。
果実の見た目や切り口、果実に占める果汁量を調べました。ハウスと露地では生育スピードが違うため同じ条件とならない気もしますが、とりあえずやってみます。
レモンの見た目
見た目はほとんど変わりません。若干露地レモンの方がゴツゴツしている程度でした。
レモンの切り口
個人的にハウスレモンの方が皮が薄いと思っていましたがこちらも特に違いはありませんでした。
色味では少し差がありますね。
レモンの果汁量
続いて収穫したレモンを搾って果汁量を調べています。
参考情報ですが、完熟レモン1個(約120g)から搾れる果汁量は約36〜48ccだそうです。レモン果汁は1cc=約1gですのでそのままgに置き換えて36g〜48gを参考にします。
レモンの重さですが露地レモンは135g、ハウスレモンは156gでした。
レモンを搾るのはハンドジューサーを使いました。ハンドジューサーは私のお気に入りで買ってよかったアイテムです(^^)
レモンを搾ると露地レモンは24gの果汁、ハウスレモンは40gの果汁で大きな差となりました。
どちらも平均より果汁量が少ないです(笑)グリーンレモンは果汁量が少ないのでこれくらいが普通なのですかね。
果汁を求める計算式は果汁の重さを果実全体で割り、結果に100を掛けて%を出していきます。
露地レモンは135gに対して24gの果汁ですので果実の約17.78%が果汁、ハウスレモンは156gに対して40gの果汁ですので果汁ですので果実の約25.64%が果汁でした。
重量による差やレモンの熟し具合による差もあると思いますが、ハウスレモンの方が果汁が多い結果となりました。
まとめ
今回は露地栽培のレモンについて記事を書きました。
うちでは2019年・2022年・2024年に植えた露地レモンを管理しており、生育に問題なく栽培できています。品種によって高さや枝・葉の多さに差はありますがレモンの露地栽培はおすすめできると思います。
個人的な意見ですがレモンの栽培をしたことがない、管理を楽にしたいのであればトゲなし品種をおすすめします。レモンの多くは枝にトゲがあり剪定や果実の収穫時には手に刺さることもあります。定期的にトゲ切り作業をすることで解消しますがその作業自体も時間がかかります。
うちで管理しているレモンに関しても半分がトゲなし品種で管理が楽です。特に露地栽培を考えているのであれば風によって葉や果実が傷つくリスクを減らせるためよりおすすめだと思います。
物にもよりますがトゲなし品種は少しだけ値段が高いですが今後の管理を考えるとむしろお得かもしれません(^^)
種苗屋さんでもトゲなしレモンは人気ですので取り扱いも多いと思います。色々な品種を見比べてお気に入りを探してみてください。
レモンの露地栽培では果実量が多くなる・水やりの手間が減る・剪定後の処理が楽になるというメリットがある一方で冬越し対策が必要・病害虫の被害が大きい・剪定が大変になるデメリットもあります。
管理を楽にしたいのであればビニールハウスをネットで覆って給水ホースを繋いで管理することも1つですがめちゃくちゃお金がかかりました(笑)
ハウスレモン1本から現状は平均15個ほどの果実が収穫できそうですので(今年の状態)1個100円で売れた場合は単純計算1,500円/本、1ハウスに70本ほど管理しているため105,000円、設備代・肥料代で真っ赤っかの赤字です(笑)
今後の単価アップ・収穫量アップにてカバーできるよう頑張ります!
今回は露地レモンとハウスレモンの差も調べてみました。見た目や皮の薄さはほとんど差が出ない一方で果汁量は大きな差が出ました。ハウスレモンの方が露地レモンに比べて熟していた可能性もありますが結果が違ったことは面白かったです。
先ほども出しましたが、こちらが露地で収穫したレモンとハウスで収穫したレモンです。
付加価値をうまく伝えられれば単価アップできそうな気はします。露地レモンに関しても露地だから安売りするという必要もなく自信を持った値付けをしようと思います。
レモンに関する情報はカテゴリー「レモン日記」に記事を投稿しています。私自身レモンに魅力を感じており他のカテゴリーに比べてたくさん記事を書いています。レモンの土作りから樹形や剪定、病害虫対策、農薬を使わない害虫忌避対策など様々な内容を書いていますのでレモン栽培に興味があればカテゴリーから記事を選んで読んでみてください。
今回も最後まで読んでいただき感謝です。
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