直売所出荷の話|新しい直売所にアスパラ出荷始めました

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アスパラ日記

こんにちは!管理人のすのうです。

今回のテーマは「直売所出荷」です。もふもふ農園では2022年の3月中旬より、新しい直売所へのアスパラ出荷を始めました。

今回は直売所出荷について記事を書いていきます。記事内では私が思う直売所出荷のメリット・デメリット販促ポップ出荷容器などについても触れていきます。

直売所出荷をしてみたいけど、やったことがないから不安・どんな感じなの?出荷のルールはあるの?そんな疑問が少しでも解消できたら嬉しいです。

直売所出荷の話

今回の記事内で言う直売所出荷は「農産物直売所」のことです。販売形態は様々で、例えば地元の農家が共同で設置した場所であったり、農業協同組合が設置した施設であったり、道の駅の農産物コーナーやスーパーの生産者コーナーなどがあります。極論、個人農家が1人で設置した野菜売り場でも直売所に該当すると思います。

私が新たにアスパラ出荷を行う直売所として近いのは農業協同組合が設置した施設です。他にも地元の農家が共同で設置した場所にも出荷しています。

直売所出荷方法

新規に直売所出荷したいと思っても、どうしていいか分からない人も多いと思います。

個人農家で規模が小さかったり、すでに多くの農家さんが出荷されている農産物を栽培しているけど大丈夫かななど、疑問が出てきますね。まずは疑問を解消していきましょう。

直売所に出荷するためにはその直売所が定める出荷者資格を満たしている必要があります。

資格と言うと難しく聞こえますが、例えば「直売所周辺の農家であること」「JA〇〇の組合員であること」などその場その場によって違います。生産者を募集している場合は店舗に張り紙がしてあったり、ホームページに募集要項が記載されています。出荷を考えたら調べてみてください。

ちなみに私の場合ですが、出荷者資格としては「組合員であること」「栽培管理記録の提出」が該当しました。担当スタッフの方が丁寧に教えてくれるので、分からないことがあっても大丈夫ですよ。

栽培管理記録とは簡単に言うと農薬の記録のようなものです。何月何日に何の薬を散布したか書く用紙です。無農薬栽培(栽培期間中は無農薬)の場合は何も記入しなくて大丈夫です。

後は年間の出荷スケジュールの提出も行いました。これはだいたい何月~何月にどんな農産物を出荷するかを書きます。販売店側がおおよその出荷状況を把握するために使います。うちでは4月~9月にアスパラガスと記入しました。実際の出荷開始は3月下旬でしたが、大丈夫でした。

直売所の出荷資格や出荷ルールに納得したら出荷開始です。

直売所出荷のメリット

私が思う直売所出荷のメリットは「試せる」ことだと思います。出荷の大きなルールはあっても、そのルール内なら自由に出荷ができます。

例えば、規格外の極細アスパラを束ねて販売してみたり、アスパラの穂先だけをカットして集めて出荷してみたり、ロングアスパラを出荷してみたり、白や紫など色の違うアスパラを梱包して3色アスパラにしてみたり。自由度は高いです。

もしお客さんのウケが良く、定番商品化できれば強みができますし、自分でネット販売する時にも自信を持って売り出せます。

通常と違う規格にNGが出るかもしれませんので、試作品を作ったらお店と相談するのが良いと思います。

他にもメリットはたくさんあります。「値段設定」もその一つです。

値段設定

これは直売所によって違うのかもしれませんが、基本的に値段設定は出荷者の自由です。

今回出荷させていただくことになった直売所の店長さんからは「自信を持って値付けしてください」と言われました。スーパーや近隣の基準価格より安い方が買われやすいけど、安売りする必要はない。自分で考えて値段を決めます。

みずみずしいアスパラは本当に美味しいです。この鮮度抜群のアスパラを多くの人に知ってほしい!しかし高すぎると購入されにくい、安すぎると利益が出ない。値段設定には苦労しています(笑)

ひとまず紫や白や桃色のアスパラを梱包した時は500円程度の値段を付けています。お客さんからは、これでも安い!と言っていただくこともあります。

激安スーパーなどでは3本100円程度で売られていることもありますが、それよりも高い値段設定をしていますが直売所出荷のアスパラは毎回完売しています。

完売した時の達成感はたまりません!

ちなみに規格外とされている極細アスパラは束ねて216円で出荷しています。子どもでも食べやすいアスパラで人気があります。又、飲食店の方でも需要があり使いやすいと好評です。

知名度

直売所出荷のメリットとして「知名度」も考えられます。

「〇〇さんの出荷するアスパラは旨い!」とか「あの直売所で販売されているアスパラはう旨い!」とか口コミで広がる可能性があります。

その結果、新しい取引先ができたりネット販売の強みになったりします。

ちなみに、知名度を上げるなら「ポップ」がおすすめです。ポップに興味がない出荷者の方が多いように感じますが、「不特定多数の人にタダで宣伝できるツール」です。

例えばうちのアスパラのポップが「美味しいアスパラです」と手書きで書いてあったら特に意識しないと思います。

しかし、いくつか情報を入れると覚えてもらいやすくなります。よくある系で言うと「私が作りました!」の文章と顔写真入りのポップですね。生産者の顔や名前が見えていると覚えてもらいやすくなります。そして、購入した野菜が美味しかったら〇〇さんの野菜は美味しいとなるわけです。

直売所のポップにはその場その場のルールがありますので、作る前に確認しておきましょう。うちの場合であれば、サイズはA4までが望ましいことであったり、成分や効能を書かないようにする。このようなルールがありました。

大きなポップは他の売り場に入る可能性があったり、片付けにくかったりします。成分や効能は必ず効くと消費者が勘違いしたり、出荷者の間違った情報が発信されるのを防ぐためだそうです。

そんな中、もふもふ農園らしいポップなポップを作りました(笑)

うちのCEOサブさんを入れたポップです。まずはお客さんに「何コレ?」と興味を持ってもらうことが大切です。

かなり遊び心を入れたので注意されるか不安でしたが、今のところは大丈夫です。

パッと見て「サブロー印のアスパラガス?」サブローって誰?犬か(笑)

そんなことでも記憶に残るものです。今後は柑橘類やキウイなども出荷するつもりですので、サブさんを入れたポップを設置して、ブランド化のような状態を目指したいと思います。

直売所出荷のデメリット

メリットがあれば、もちろんデメリットもあります…

と言うか、考えれば当然なのですが「手数料」が発生します。

手数料

直売所で100円の野菜を売った。手元に100円入る。

そんな訳はありません。(消費税は今回省きます)

直売所と言う場所を借りて陳列しているので、直売所に支払うお金が発生します。この金額や発生する条件は場所によって違います。農産物を置かせてもらうスペース代であったり、売れた時に発生する手数料であったり様々です。

うちの場合は「販売手数料」と言う名目でした。つまり出荷した商品が売れたら直売所に手数料を支払うと言うことです。

100円の商品を10個出荷して5個売れたら500円に対して手数料を支払います。残りの5個分に関しては売れていないので発生しません。

この手数料も場所によって違いますがおおむね10%~20%くらいに思います。この1割、2割をどう捉えるかは人それぞれですが私は適正だと考えています。

直売所と言うことは他の農家さんも出荷されており、多くの農産物が集まる。すなわちお客さんが多いことに繋がります。最初から知名度や人気のある場合はネット販売をしても良いと思いますが、ほとんどの場合は直売所出荷から始めるのが無難です。

毎回売れ残りが出て廃棄するなら出荷量を下げればいいし、嫌になったら退会したらいい。自分に合ったスタイルを探せばいいんです。

ライバル出荷者

直売所には当然ながら他の出荷者がいます。よほどのことがない限り出荷する農産物は被ります。

うちの場合、アスパラ農家が4軒でした。加えて県外からもアスパラを取り寄せており、かなりの激戦区となっています。

ライバルがいると燃える一方で、値段設定や梱包状態に悩まされます。他の出荷者より高いと買われにくいし、安いと利益が出ない。見た目が悪いと手に取ってもらえない。悩みは多くなります。

他の出荷者と差別化するため、うちが努力したことは3色アスパラや4色アスパラなどの客寄せ商品を作ったり、オリジナルポップを作ったり、多く出荷することで単価を安くして販売したりしました。

その他にも、自信作のアスパラを優先的に直売所出荷することで美味しいアスパラのイメージ作りに取り組んでいます。要は品種ですね。栽培しやすく・たくさん収穫できる品種よりも栽培しにくいが味の良い品種を優先的に直売所出荷しています。

この「ライバル出荷者」はデメリットとして書いていますが、メリットでもあります。梱包・売り方・レイアウト・値札シールの貼り方・値段設定を参考にしたり、場合によっては出荷者同士で勉強会もできます。品質が高くなれば、付加価値が付いたり新しい栽培方法も見えてきます。切磋琢磨していく仲間となれば心強いですね。

出荷の手間

直売所出荷と言うことは直売所に商品を持っていき、陳列する必要があります。

近場ならマシですが、離れた直売所なら手間が増えます。私の場合、住んでいる場所から直売所は近いのですが、圃場からは少し遠いです。収穫して梱包して出荷する。移動距離があると時間もかかるため農業の時間が削られます。

色々なことを考慮して、直売所出荷を始めましたので後悔はありませんが、これから直売所出荷を考えている人は注意が必要です。今後通えそうか、交通費(ガソリン代など)はいくらくらいかかりそうかを計算しておいた方が良さそうです。

もふもふ農園の2代目つーさんは「地産地消」の精神で栽培を行っています。

つーさん
つーさん

収穫した半分以上は地元へ。

私が将来的にネット販売を考えていると話した時も半分は地元(県内)に出荷しろ、と言っていました。つーさんは地元の学校給食の野菜出荷や病院への柑橘出荷にも力を入れています。

直売所出荷のこだわり

直売所出荷には何でもいいのでこだわりを持ちたいものです。

先ほどはオリジナルポップについて話をしましたが、出荷容器目玉商品にもこだわりたいですね。

出荷容器

野菜によっては直置きの場合があり、該当しない場合がありますがアスパラは出荷容器が必要です。理由としては立てて出荷するためです。(アスパラは横向き保管は好ましくありません)

直売所によっては指定の容器でないとダメだったり容器のサイズが決まっていたりしますので、こちらも事前に確認しておきましょう。

うちの場合は容器を自分で用意しても良いと言ってもらえたため、こだわり容器を新しく買いました。

今のところは試しですが、ちょっとオシャレな鉢をアスパラ出荷容器に選びました。鉢の底には「サブロー印のアスパラガス」のコースターを置きました(笑)売り切れて、鉢の底を見た人が「ふふっ」となるように考えました。

目玉商品

インパクトのある目玉商品とは何か…そう考えたら、すぐに緑色じゃないアスパラが浮かびました。

アスパラガス=緑色という認識が強い中、白や桃や紫のアスパラを出荷したら人気が出るのではないか?そう考えました。幸いにももふもふ農園では紫品種のアスパラを栽培していたため、後は白と桃色のアスパラガスを作ればいい!そして行動しました。

※白のアスパラをホワイトアスパラと書かなかったのは土盛りで栽培したものではなく、遮光ハウスによる軟化栽培だったからです。正式には土盛りをホワイトアスパラと呼ぶそうですので、今回の記事では白アスパラにしておきます。

遮光ハウスによる軟化栽培を詳しく知りたい方は以前の投稿記事に詳細があります。「ホワイト」とたくさん書いていますが、白アスパラです(笑)

話を戻しますが、緑・紫・白・桃の4色アスパラを出荷したりもしています。

期間限定の商品ですが、売れ行きはとても良く午前中に完売しています。唯一、紫品種のみで梱包した商品は昼をまたいだりしています。

お客さんからは綺麗な色と褒めてもらえたり、もうないんですか?と聞かれたりします。

遮光ハウスの規模を大きくしようか検討中ですが、ひとまず今年はやりません。

3色や4色のアスパラ梱包にしなくても、グリーンアスパラ梱包に白を1本だけ入れたりもしています。別の色が入ると購入されやすい気がします。

いろいろ試せる直売所出荷はおすすめです。

サイズを揃える

例えば玉ねぎやニンジン、イチゴやナスなどの梱包パックを想像してみて下さい。だいたい大きさが揃っていませんか?

アスパラ梱包にも同じことが言えます。極太のアスパラと極細のアスパラが1パックになっていたら買いにくいと思いませんか?消費者目線では同じようなサイズが欲しいものです。

極細のアスパラは極細で梱包する。極太は同じような大きさで統一する。見た目も綺麗で手に取ってもらいやすくなります。

この点に関して、うちは大きなアドバンテージがあります。アスパラの作付面積は50a以上で、ビニールハウスは15棟あります。この規模での収穫は同じサイズを集めやすく、梱包が綺麗に見えます。出荷量も多くできますので自然と出荷の中心になれます。

まとめ

直売所出荷について、この記事は参考になったでしょうか?新たに気付いた点などあれば、この記事を定期的に見直して追記していきます。

「ルール」「ライバル」「梱包」「値段」など考えることも多いですが、直売所出荷は楽しいです。

ただ単に栽培した野菜を並べるだけはもったいない!

売り場にポップを置いていないなら、まずは作りましょう(笑)

手書きで書くと温かみのあるポップができますし、パソコンなどで作ると綺麗なポップができます。お客さんの記憶にも残るので超おすすめです。

私のように顔写真を入れるのが恥ずかしいなら野菜や動物の写真を入れましょう(笑)

※サブさんには出演料としておやつあげました。

記憶に残るものがあれば、今後も手に取ってもらいやすくなりますし、追加出荷時などにお客さんと話題になることもあります。

頑固な方は「ポップはいらん!味で勝負する!」と思われそうですが、味を知ってもらうためにもポップが重要です。

ちなみに私が印象に残っているポップは、とある農家のお孫さんが作られたポップです。子どもの作ったものですので綺麗な字ではありません。しかし、野菜の絵や色とりどりの文字には温かみがありました。

最後に、アスパラ農家の方に商品アピールしておきます。

アスパラ収穫には何を使っていますか?ハサミでしょうかでしょうか?

もふもふ農園では4年ほど前までで収穫していました。収穫サイズが分かりにくく、規格より短いこともありました。そこで新たにアスパラ収穫バサミを購入しました。

アスパラ収穫バサミは28㎝のものさしが付いているため、収穫サイズが一目で分かります。ちなみにうちの出荷規格としては27㎝で統一しています。勘で収穫サイズを見極めたり、手作りのものさしを使わなくてもよくなり、作業効率アップに繋がりました。

使っていないアスパラ農家の方がいればぜひとも試してほしい便利グッズです。

リンクを貼っておきますので、気になれば詳細を見てみてください。

今回は「アスパラ直売所出荷」について記事を書きました。このブログ内ではアスパラやレモンやキウイなど、様々な栽培や活動したことを記事にして投稿しています。アスパラに興味があればカテゴリー「アスパラ日記」から記事を探して読んでみて下さい。

アスパラ栽培は過酷で大変ですが、楽しくやりがいがあります。投稿した記事にて少しでもアスパラに興味のある人が増えれば嬉しいです。

ちなみにこの記事を書いている4月上旬はアスパラ春芽のピークです。早朝4時半に起床して午前のアスパラ収穫、15時から午後の収穫を行っています。毎日数十キロのアスパラをひたすらに収穫して気が狂いそうです(笑)

とりあえずアスパラ収穫頑張ります!

今回も最後まで読んでいただき感謝です。

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