こんにちは!管理人のすのうです。
今回のテーマは「柑橘の直売所出荷」です。うちの農園では柑橘栽培に力を入れており、レモン・キンカン・ポンカン・不知火・せとか・みかん・へベスを栽培し、一定ライン以上の品質があれば直売所出荷しています。
これは個人的に感じることですが、柑橘類の直売所出荷は思ったような利益にならないことが多く、難しい面があると思います。
今回の記事では私がここ数年間の直売所出荷(柑橘部門)で感じたことと売れるために実践したことや値段付けの基準などを書いていこうと思います。

柑橘類は冬の寒さに弱い一面はありますが、栽培難易度自体は高くないため栽培される方も多いと思います。そのため直売所では冬になるとたくさんの柑橘類が陳列され、多く栽培されている品種は価格崩壊が発生しているケースも見受けられます。これから柑橘類を栽培し、直売所出荷を検討している方がいれば一度は出荷先の値段をチェックしてみてください。思った収益を得るのは厳しいかもしれません・・・

直売所出荷とは道の駅の野菜売り場であったりファーマーズマーケットとして店舗があったり、時にはスーパー内に地元産直売所コーナーがあったりします。一般的には生産者が自ら袋詰めして値段シールを貼って陳列することが多く、スタッフさんは陳列棚外のストックを補充したりクレーム対応をしてくれたりします。
うちの農園では2箇所の直売所に柑橘類を出荷しており、販売にかかる手数料は10%から15%程度となっています。
直売所出荷をしたことがある方はわかる話ですが販売するにあたっては売り上げの一部を直売所に支払う必要があります。商品を袋詰めしたり陳列するのは生産者ですがレジ打ちや商品補充やクレーム対応をしているのは直売所のスタッフさんなので当然の話ですね。あとはこの手数料が高いと思うか安いと思うかの話ですが、例えば1万円の売り上げがあれば手数料は一千円から千五百円程度を直売所側に支払うこととなります。

余談ですが、以前うちの農園にとあるスーパーの社員さんが来られたことがあり、スーパー内の直売所コーナーに出品しませんか?と打診がありました。市を跨いでいるにもかかわらず毎日出荷してほしいことと店舗への手数料30%が出荷の条件だったのでお断りしました。手数料が高いことを除いても遠方への出荷は時間の無駄があり個人農家では厳しい面がありますね。
直売所へ出荷するには店舗側が求める条件に当てはまる必要があり、例えばJAに生産者登録をしていたり、地元の生産者であったりします。登録後は生産している品目の栽培記録提出があり、農薬使用の記録や作業内容を記したりします。栽培記録は適切な管理をしていることの証明でもあり使用適期以外に農薬を使っていないか、品種に対応した農薬を使っているかなどを確認されます。
最初は戸惑うことも多いですが慣れればそこまでの手間はありません。直売所出荷を考えている場合は直接店舗で確認したり、店舗のホームページなどに条件が出ていることがあります。
今シーズンは11月にレモン、12月にみかんとポンカン、1月からは不知火を出荷していますが毎年思うことがあります。
それは「ライバルが多すぎる」ことです。ポンカンや不知火に関しては他の生産者が少ない(2軒ほど)ですがレモンやみかんは5軒ほどの農家さんが出荷しているため売り場がレモンだらけ・みかんだらけになっている面もあります。
そして売り場に特定の柑橘が増えた結果、需要と供給のバランスが崩れて価格崩壊に繋がっていくことが多いです。生産者Aはみかん1袋200円で出荷し、生産者Bは190円で出荷し、生産者Cは180円で出荷し・・・それでも売り場に供給が続くと、腐らせるくらいなら150円でもいい140円でもいいとなっていき売り場に爆安袋が溢れていきます。

お客さんからしたら嬉しいポイントですが生産者からしたらマイナスポイントです。
ちなみにスーパーに陳列されているみかんは糖度○○度などと記載されていることが多く、一定ラインの品質がわかりますが直売所の柑橘は生産者次第ですので酸っぱい柑橘が並んでいることもあります。うちも以前お客さんから柑橘が酸っぱすぎて食べられないと苦情を入れられたことがあり、その後は一定ライン以上の品質の柑橘を出荷するようにしました。
スーパーでは1袋498円で販売されているみかんも同じ量を梱包しても直売所で200円で売れないことも多々あり、売れる値段を見極めるのが難しいと感じます。直売所出荷を考えている場合は売り場のライバルチェックを実施してから植える品種選びをしたほうがいいかもしれません。
私が販売した今シーズンの柑橘販売価格も話しておくと、みかん(露地栽培)は280円/kg、レモン(ハウス栽培)は400円/kg、ポンカン(ハウス栽培)は380円/kg、不知火(ハウス栽培)は420円/kgくらいです。もっと単価をあげて最低でも500円/kgに持っていきたいところですがお客さんに買ってもらわなければ利益になりません。
時折500円/kgの単価で商品を作ってみるのですが売れ残りが続くこともあり、お客さんはよく見ているな〜と感心しています(笑)
年々物価が上昇し、物の価格がぐんぐん上がっている現状ですが品質が保証されていない直売所出荷は厳しい面があると感じています。将来を見据えて非破壊糖度センサーを導入できればポップに糖度○○!糖度センサー使用!とか堂々と書けるんですがね。ただ、機械を導入しても今の栽培規模では設備費用回収は程遠いです。
ライバルが多く価格勝負となりやすい直売所出荷ですが、お客さんに手に取ってもらいやすいコツ的なものはあると思っています。
それは「梱包方法」です。出荷袋はボードン袋(袋の中が曇りにくい袋)を使用していることがほとんどだと思います。規格も主にサイズ(号数)、厚み(μm)、材質(OPPが主流)、および穴の有無によって分類されており、適切なサイズを選んで梱包することで綺麗に見えて手に取ってもらいやすくなります。
例えばポンカンは11号のボードン袋に6個入れて700g324円で販売するものが売れやすかったり、不知火は10号のボードン袋に2個入れて550g248円のものと11号のボードン袋に4個入れて750g324円で販売するものが売れやすかったりします。
こちらは不知火の4個梱包の写真です。2個の梱包も4個の梱包もあそびが出ないようにしてガッチリ固定しています。お客さんが商品を持った時に崩れたり袋が大きすぎたりすると買ってもらえないことが多い気がします。不知火の場合は3個梱包や5個梱包は売れ残りやすいと感じました。加えて直売所内で決められた陳列スペースに効率的に置けるのは無駄の少ない2個梱包やトラス型の4個梱包が適していると思います。

3個や5個梱包の場合は陳列スペースに無駄ができてしまい本来ならもう少し商品を置けることも経験済みで、限られたスペースを有効活用したいですね。
柑橘類の収穫シーズンは出荷者が多いため1人あたりの陳列スペースも狭く、5袋置いたらもういっぱいで残りはストック分になることもあります。効率的に陳列できる梱包方法は重要です。
今回は直売所出荷について記事を書きました。柑橘類の直売所出荷は厳しい部分があり、事前の情報収集が必須と思います。ライバルの有無、どれくらいの値段をつけているか、売れ行きはどうか、出荷者1人の陳列スペースはどのくらいかなどを確認しておき利益の予想をしておきましょう。
ちなみに私の場合はA級品の柑橘は飲食店やまとめて買い取ってもらえる仲買人などに出荷し、直売所出荷はB級品を格安で販売する形でなんとかやっています。本来は売りたい価格で値段をつけて販売できるのが理想ですが他の出荷品より突出して高い価格にすると手に取ってもらえないのが現実です。目に見えて品質が高いと話は別ですが見た目はそこまで変わらないので梱包方法を工夫して少しでも差をつけています。
うちの農園ではここ数年は柑橘類の栽培面積を少しずつ増やしており、昨年はへベスという香酸柑橘も植えてみました。ただ、柑橘類の収益が思ったよりも伸びていない現状を考えると規模拡大にストップをかける時かもしれません。
柑橘類は冬の収入源として良いと思っていたのですがまた次の収入源探しをしようと思います。ちなみに私の父は「ナバナ」こそ最強の冬の収入源と言っており、私が頑張って稼いだ柑橘の収入は父の前では霞んでいます(笑)

色々な方のアドバイスも聞きつつ私なりの年間栽培品目を考えて収入を安定化できるよう頑張っていきます。
今回も最後まで読んでいただき感謝です。

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