雑草は無料の資源|雑草マルチのススメ

※当サイトは、アフィリエイト広告を利用しています
もふもふ農園の小ネタ

こんにちは!管理人のすのうです。

今回のテーマは「雑草マルチ」です。マルチとはマルチングのことで植物の株元を覆うことを指します。一般的には黒色のビニール、ワラやカヤなどを使ってマルチングしていることが多いのではないでしょうか。

今回の記事では無料で手に入る資源「雑草」を使ってマルチングした話をしていきます。雑草を使ったマルチングは賛否の分かれるところですが、私自身は積極的に使っていきたいと感じています。今回の記事では有機物(雑草)を使ったマルチの説明や私の感じたメリット・デメリットを書いていこうと思います。

雑草は無料で手に入る資源です(^^)上手に使えば栽培に大きなメリットを与えてくれると思います。草むしり・草刈りを嫌々やるのではなく、資源集めとして考え方を変えると少しはやる気が出るのではないでしょうか。

雑草マルチのススメ

さて、果樹や野菜を育てる上で「雑草」は必ずと言っていいほど生えてきます。雑草が出てきたら草むしりや草刈りの作業をしなければなりません。

雑草をそのまま放置してしまうと花粉症の原因になったり病害虫の発生源になったり近隣住民のトラブルになったり良いことがありません。野菜や果樹などの栽培において植え付けや水やり、収穫などに加えて雑草管理もセットで入ってきます。中には土を使わずに液肥での栽培や徹底管理された室内栽培をしているケースもありますが、まだまだ一般的ではありません。

私もいつかは温度や湿度が管理され、栄養分の調整された液肥、水やりの自動化を兼ね備えた室内栽培をやってみたいです。

雑草のデメリット

ここからは個人的に感じるデメリットを紹介していきます。

まずは花粉症の原因になり得るです。例を挙げるとすれば花粉症の定番と言われる植物に「ブタクサ」と言うものがあります。ブタクサはキク科の1年草で生息域も広く全国的に見られる雑草です。圃場に生えてきたブタクサを放置して花粉が飛散、そして花粉症の症状が出る。

定期的に雑草の管理をして花粉飛散までに対処をしていれば防げますね。ただ・・・それができている方は少ないのではないでしょうか。うちも時間を作って草刈りをしていますが気付けば雑草の花が咲いていたり種をつけたりしています。

特にアサガオは厄介ですね。対処が遅れて花が咲き、種を作ってしまうと翌年は一気に広がってしまいます。

続いて病害虫の発生です。雑草に病気や害虫が発生し、栽培している果樹や野菜に被害が出ることも注意が必要です。例えばカラスノエンドウやアブラナ科の雑草にはアブラムシが発生しやすいのでそこから栽培している植物についたりします。

アブラムシは1匹1匹の力は弱いですが集団になると厄介です。うちではレモンの新芽にアブラムシの塊がついて樹勢を低下させる原因になっていました。

最後に雑草が伸び放題の状態は印象が良くないため近隣住人とトラブルになったりする可能性もあります。余談ですが私がグランドカバーとして選択したナギナタガヤは父にとっては雑草に見えるそうで何度か一掃されかけました(笑)

ナギナタガヤは夏の暑さで自然倒伏し、雑草抑制効果・緑肥としての栄養補給を兼ね備えた魅力的な植物ですが5月ごろは草丈50cmくらいでイネ科の雑草に見えます。

遠くから見たら雑草の伸びた圃場に見えるので印象はあまり良くないようです。ただ、果樹栽培では活用している場所も多いため評価されている植物です。

倒伏後は長期間にわたってマルチの役割をするため個人的には今後も使いたいと思っています。

雑草についての悪い点を書きましたが、もちろん良い点もあります。まずは雑草が生えることで土の乾燥を防ぎます。一定の水分が保たれることで植物が成長しやすくなったり雑草があることで小さな虫・微生物が増えたり、雑草が枯れれば分解するミミズなどの生き物が増え土が豊かになっていきます。

マメ科の植物は窒素分を固定する力があったり緑肥と呼ばれる土壌改良に優れた植物があったりしてうまく活用すれば土が肥えていきます。結果、肥料が少なくて済んだり水はけや保水効果の高い状態で栽培できたりします。

有機物である雑草は時間をかけて土に還っていきますのでマルチ効果と土の栄養補給効果があるのはメリットですね。

雑草マルチした場所ではしっかりと雑草抑制効果が出ていますね。部分的に雑草が生えてきたりしますが何もしていない場合と比べると大きな差があります。

ちなみに上の場合は雑草を定期的に追加してマルチの厚みもそこそこあります。雑草マルチの量が少ないとすぐに隙間から雑草が生えてきますので注意が必要です。

雑草を生やしたくなければ除草剤を使う手もあります。除草剤を使って雑草を枯らすことは簡単ですが土壌への残留が心配されたり他の植物まで成分が届いてしまうリスクもあります。生命力の高い雑草を枯らすレベルですので人体にはもちろん有害です。

雑草対策

前置きが長くなりましたが、農園では防草シートグランドカバー、そして雑草マルチを行っています。この中で一番コストがかかるのが当然ながら防草シートです。値段がピンキリとはいえ、広い範囲に防草シートを敷くとなると数万円から十万円クラスの出費になります。

繰り返し使っている防草シートでも一定の効果はありました。使用年数によって防草シートに穴が開いたりしますがあるとないでは全然違います。

ちなみにレモンハウスの脇に防草シートを設置した時はシートを約100m使いシートピン含めて想像以上の出費になりました。効果はしっかり出て満足していますがシートやピンの準備・設置に時間がかかりました。

グランドカバーはクローバー・ナギナタガヤ・ヘアリーベッチを使いました。グランドカバーのメリットは使いやすい魅力的な植物を使って圃場を管理します。特にナギナタガヤやヘアリーベッチは何もしなくても自然に倒伏し地表を覆います(夏の暑さで自然倒伏)

地表を覆って枯れるため他の雑草を抑制し草むしり・草刈りの手間が軽減できます。加えて枯れた後はゆっくりと分解され土の栄養源となるため雑草抑制・有機物補給効果があります。

雑草の活用法

雑草は至る所から生えてきます。草刈りをしても時間の経過で再び生えてきます。

管理する面積が広ければ広いほど草刈りは大変で重労働になります。

終わらない草刈りに嫌気がさすかもしれません。ただ、雑草にも活用法があります。

知っている方も多いと思いますが雑草は「雑草堆肥」「雑草マルチ」に使えます。今回は雑草マルチがメインですが簡単に雑草堆肥の説明をしていきます。

雑草堆肥とはその名の通り雑草を使って作る堆肥のことです。雑草を堆肥化して圃場の栄養として土に戻すことで土は良くなっていきます。溢れ種が発芽すると言って嫌がる方もいますが個人的には雑草堆肥は積極的に使っていきたいと思うくらいおすすめです。

私自身も雑草堆肥を作っており、過去にはコーランネオを紹介する記事を書いたりしました。コーランネオは微生物の餌になる成分が豊富に入っており米ぬかなどと組み合わせると極上の雑草堆肥が作れます。

雑草堆肥の作り方はとても簡単で雑草を積み重ね、途中で米ぬかやもみ殻やコーランネオなどを混ぜます。ミルフィーユ状に雑草・米ぬか・雑草・米ぬかのように重ねていき時間をかけて堆肥化していきます。

私は管理にそこまで手間をかけたくないので年単位で放置していますがしっかり管理したい場合は適切に水をかけて切り返ししたりします。興味があれば雑草堆肥も作ってみて欲しいです。

天然資材のマルチング

雑草マルチには向いている雑草と向いていない雑草があるのをご存知ですか?

雑草ならなんでもマルチにすれば良いのでは?と思いそうですが実は効果の出る雑草マルチがあるんです。

先に答えを書いておくと「茎の硬い植物は極上のマルチ資材」です。どういうことかと言うと例えば私が気に入っているナギナタガヤはイネ科の植物で草丈は70cmほどで茎は硬いです。夏の暑さで自然倒伏して地表を覆い、ゆっくりと枯れていきます。昨年に倒伏したナギナタガヤは今でも確認でき1年以上残っていることになります。

当然ながら分解が進んでいますので力を入れるとすぐにボロボロになりますが長期間マルチの役割をしています。

これがクローバーならどうでしょうか?クローバーを草刈機で刈り取ってマルチとして敷いた場合、おそらく1ヶ月と持たず土に還ると思います。

要するに雑草マルチでは硬い雑草を敷かなければすぐに分解されて効果がなくなってしまうのです。

稲藁や麦藁を使ってマルチングされている方は多いと思います。あればなかなか分解されずにマルチの効果を長期間得られるため使われています。

まめに草刈りをして常に雑草を追加できるのであればどんな草でもマルチ効果は出ますが長期的なマルチ効果を狙うのであれば茎の硬い雑草を選定してみてください。

柔らかい雑草でも定期的に追加すれば雑草抑制効果も高い状態を維持できます。

ちなみにうちの無法地帯圃場はこんな感じです(笑)

ツユクサやエノコログサが目立ちます。

先ほどの話で言うとエノコログサはイネ科の雑草ですので雑草マルチ向きですね。草丈もあってマルチ材料としては良いと思います。

ここの草刈りをして雑草マルチの資材集めをしていきます。

刈り取った雑草を果樹の株元に敷き1週間が経過しました。その間の天候は晴れが続いたため一気に枯れて茶色になりました。雑草マルチの隙間からは一部雑草が生えていますが全体的に見ると結果は良好です。

雑草マルチの注意点

ここでは私の感じた雑草マルチの注意点を伝えていきます。それは「他のマルチよりも効果が薄い」「手間がかかる」「こぼれ種の発芽」「水分を含んでベトベト」です。

雑草マルチの材料は当然ながら雑草です。隙間なく積み重ねていても雨や風、分解されたりして少しずつ効果が薄くなってきます。防草シートや一般的な黒マルチのように草を防ぐ効果は高くはありません。雑草マルチをしたからと言って草刈りや草むしりがなくなるわけではないので注意が必要です。

雑草マルチの効果を高めるには定期的に雑草を追加しなければなりません。草刈りして雑草を集めてマルチとして敷く。雑草マルチをしている場所が数箇所ならばまだ管理できるかもしれませんが、例えば10本、20本の果樹園に雑草マルチをしていれば管理は大変です。分解が進んだ場所からは再び雑草が出てきますのでどこまでなら管理できるかの線引きは重要ですね。

私が思う雑草マルチの最大の注意点は水分を含んだ状態の蒸れではないかと思います。以前に野菜の苗を植えて周囲を雑草で覆ったことがありますが、見事に枯れました。

理由を調べてみるとどうやら雑草を積み重ねて敷いたことで中が蒸れ、植えた野菜の茎が傷んでしまったようです。対策として株元から少し離してマルチしたり雑草を乾燥させてからマルチした方が良いとのことでした。

それ以降、私は野菜には雑草マルチを控えるようにして果樹の方に使っています。野菜に使う場合は雑草を積みすぎず、乾燥させてから敷くようにしてください。

ちなみに果樹には雑草マルチをガンガン使っています。春から秋頃まで定期的な草刈りをしていますので都度雑草を積み重ねています。

水分を含んだ状態でもお構いなしに敷いていますが今のところ、生育不良を感じたことはありません。これだけ定期的に刈って敷いていても時間の経過で雑草マルチが薄くなっているのを感じます。

今のところ雑草マルチを積極的に使っているのは路地栽培のレモン・キンカン、ハウス栽培のせとかです。柑橘類は生命力が強いので雑草マルチと相性がいいのかもしれません。

まとめ

今回は雑草マルチについて記事をまとめました。

防草シートや黒ビニールを使ったマルチングも良いですが有機物を使って微生物を増やすマルチングもアリなのではないでしょうか。

当然ながらマルチとしての耐久は弱くマルチ資材を定期的に追加しないとあっという間に雑草が生えてきます。栽培している面積や管理できる本数によって雑草マルチを使う場所、他のマルチ資材を使う場所を分けて栽培した方が上手くいく気もしますね。

まとめると雑草マルチは雑草抑制に効果があり土壌の水分蒸発を抑え有機物補給に役立てられるメリットがあります。今回は詳しく書いていませんが雨水の跳ね返りによる病気の発生を軽減する効果もあります。土の跳ね返りで病気が出るケースもあるため草を間に挟むことで病気が出にくくなるそうです。

一方で雑草マルチのデメリットとして雑草は隙間から生えてくる、湿度が高まる原因となる、溢れ種の発芽リスクがあることも理解しておいてください。雑草マルチは他のマルチ資材に比べて弱いため雑草を完全に防ぐことは厳しいと思います。定期的な資材追加で効果を維持していきましょう。

野菜系を植えられている場合は湿害にも注意が必要です。雨が降った後などはかなりべとべとします。茎の弱い野菜の場合は株元から離してマルチすることをおすすめします。

今回の記事で雑草を役立ててみようと思っていただけたら嬉しいです。

今回も最後まで読んでいただき感謝です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました