こんにちは!管理人のすのうです。
今回のテーマは「黄色系キウイの収獲と追熟」です。黄色系キウイとは果肉の部分が黄色のキウイのことでゴールドキウイやゴールデンキウイと呼ばれることが多い気がします。ちなみにキウイフルーツは緑色のイメージがあると思いますが、黄色系キウイ・赤系キウイもあり、それぞれ品種もたくさんあります。
うちの農園ではメインとして黄色系キウイを栽培しています。品種は「アップルキウイ」と「東京ゴールド」でいろいろな品種を比べてこの2品種にしました。
2022年の3月に苗木を露地植えして現在は栽培開始から1年半以上が経過しました。キウイ棚に誘引を行い、ある程度骨格が出来上がったため2023年はそれなりに実を付けて収穫を目指していましたが、今回はいよいよ収穫です!記事内では収穫から追熟の話を中心にまとめていきます。
キウイ栽培はまだまだ始まったばかりですが、行った作業は記事にまとめて定期的に投稿しています。キウイ棚を設置した話、キウイの品種を考えた話、仕立てを考えた話などをカテゴリー「キウイ日記」にまとめています。キウイ栽培に興味があればカテゴリーから記事を探して読んでみてください。
もふもふ農園のキウイ栽培や日常を記事にしたカテゴリーです。2022年の3月にキウイプロジェクトをスタートしました。成功するか失敗するか分かりませんがうまく栽培し、収穫できるように頑張ります。
キウイ日記|黄色系キウイの話
さて、この記事を書いている10月下旬は黄色系キウイの収獲時期となっています。収穫時期と言っても見た目的には9月も10月も11月もあまり変わりません。
キウイは収穫後に追熟させ柔らかく・甘くして食べる果物です。一応、樹の上に放置しても追熟する…らしいですが冬の霜にやられる可能性が高く、収穫適期で一斉に収穫することが一般的です。
参考として、追熟前のキウイの糖度が6度~10度以上あれば収穫の適期と言われています。この場合、追熟後の糖度は14度~18度付近になるそうで甘いキウイが楽しめますね。
とは言え、糖度計を持っていない場合はそもそも計測できません。そこで一般的な収穫適期を参考にして収穫するのも1つです。
私は以前に簡易的な糖度計を購入していたため事前にキウイの糖度を計ってみました。
計測したのは黄色系キウイ「アップルキウイ」です。樹に実っている状態で少し柔らかくなっていたものを計測すると約9度の糖度でした。外側は少し柔らかかったのですが中心部分は固くこれが追熟するとどれほど甘くなるのか楽しみです。
糖度計の使い方は過去の記事にまとめていますので興味があればこちらも読んでみてください。
ちなみにこちらは商品リンクとなります。商品自体に興味があればこちらもチェックしてみてください。この簡易糖度計は使い方がシンプルですので簡単に気になる農産物の糖度が調べられます。
さて、キウイフルーツの収獲適期ですが緑系キウイ・黄色系キウイ・赤系キウイでそれぞれ異なります。赤色のキウイが最も早く、緑色のキウイが最も遅い収穫となります。図にするとこんな感じですね。
果肉の色 | 収獲適期 | ||||
赤色 | 10月上旬~下旬 | ||||
黄色 | 10月下旬~11月上旬 | ||||
緑色 | 11月上旬~下旬 |
今回は黄色系キウイ「アップルキウイ」と「東京ゴールド」の収獲ですので収穫適期は10月下旬~11月上旬となりますね。
では農園のキウイを収穫していきます。
黄色系キウイの収獲
こちらが農園で栽培している黄色系キウイです。
まずは「アップルキウイ」です。アップルキウイはリンゴのような形が特徴で丸みがあります。それなりに大きく食べ応えがあります。
一部の果実は10月上旬頃よりしわが入ってしまい、少し柔らかくなっていました。キウイ栽培はまだまだ初心者ですので原因がよく分かりませんが収穫時期は間違っていないので果実のつけすぎか水不足あたり、もしくは収穫適期を少しすぎたのかと思っています。
一方もう一つの品種「東京ゴールド」はしわが出ておらず綺麗な状態で収穫できました。
こちらが「東京ゴールド」です。形としてはキウイとレモンと足したような形で下は細くなっています。品種紹介では切ればハート型になると書かれていましたが今のところはあまり感じられません。
夏にはコガネムシの襲来によって甚大な被害が出ましたが、なんとか耐えて果実を収穫することができました。葉っぱが食い散らかされ、スカスカになりましたが新しく葉っぱが展開して一安心しました。
さて、今回は10月下旬に約20個を収穫して第一弾としました。こちらを追熟させ、糖度に問題なければ残りを一気に収穫しようと思います。
※第二弾は11月上旬に130個収穫して追熟させました。
収獲方法としては手でいきました。キウイの果実を握って上に持ち上げるようにひねるとポロっと取れます。頭の部分が残るようであれば収穫ハサミや摘果ハサミなどで調整してください。(摘果ハサミや収穫ハサミで直接切って収穫するのも大丈夫です)
キウイフルーツの保管
収獲したキウイフルーツは追熟が必要です。しかし、キウイを一斉に収穫すると食べきれないほど量があるため保管しておく必要があります。
栽培の教科書によると5℃程度で保管しておくと2ヵ月くらいは品質を保てるそうです。冷蔵庫の野菜室くらいが保管に適していそうですね。
今回は追熟前、追熟後も販売先があったため収穫したキウイは貯蔵していません。
キウイフルーツの追熟①
キウイフルーツを追熟させるためには他の果物の助けを借りることがおすすめです。かたいキウイはエチレンと言う成熟ホルモンによって追熟が進み、甘く・柔らかくなります。
エチレンガスを注入することでも追熟させることができますが、一般的には「リンゴ」を使って追熟させることが多いようです。
今回はスタンダードに「リンゴ」をチョイスして追熟させました。
農園でリンゴを収穫できればよかったのですが、今年は収穫できませんでした。来年・再来年からはリンゴが収穫できるようになっていれば良いと思います。
さて、リンゴとキウイのバランスですがおおよそリンゴ1個に対してキウイ5個~10個くらいが目安のようです。今回は20個のキウイフルーツを収穫したのでリンゴを2個購入して追熟させていきます。
追熟の方法としてはキウイとリンゴを一緒にポリ袋に入れ直射日光を避けて保管します。この時、袋の口は結んでおきリンゴから出たエチレンガスが留まるようにしておきましょう。
適温は15度から20度付近で秋の室内がそれくらいの温度になりそうです。口を結んだ状態で一週間から10日ほど待てば食べごろです。キウイを押してみて軽くへこむくらいが目安となります。
追熟キウイ|リンゴ編
キウイとリンゴを袋に入れて1週間が経過した頃、キウイが柔らかくなり追熟したと判断しました。判別方法はキウイの上下を軽く押してみて柔らかくなっていれば頃合いです。
最初に追熟したキウイの糖度が気になったので追熟前と同じように簡易糖度計を使って糖度を調べました。その結果は…
17度から18度でした!一般的に販売されているキウイも追熟させれば16度から18度くらいになるそうですので売り物と遜色ない品質になったと言えますね!直売所への出荷では自信を持った値付けをして販売しました。
続いて実食です。甘さがしっかりあって酸味がほどよく美味しいキウイでした。バナナと小松菜とキウイでスムージーも作ってみましたが他の素材に負けずにキウイ感のある美味しいスムージーになりました。
リンゴでの追熟は成功したと言えます。追熟させるキウイが少量であればリンゴはおすすめだと思います。
さて、キウイ園にはあと100個以上のキウイが残っています。こちらをそのまま販売することもできますが、どうせなら美味しい追熟キウイを販売したい!しかし10個のキウイごとにリンゴを使っていてはコスパが悪いです。
考えた結果、市販の「追熟剤」を使ってみることにしました。
キウイフルーツの追熟②
今回選んだものは「ツミヤマ株式会社」様の果実追熟剤「熟れごろ」です。
個包装で使い方が簡単だったことと使用個数が簡単に判断できることがポイントでした。
使い方は画鋲や安全ピンなどの先の尖ったもので熟れごろの袋に5か所ほど穴を開け、1分以内に追熟前キウイに入れて密閉する。これだけです。時間制限があるのは袋に穴を開けるとエチレンが発生するからです。袋を開封して30分で50%、120分で100%のエチレンが発生します。発生したエチレンを逃がさないために密閉状態で追熟させます。
使用個数ですが1果から30果程度までは1個、10kg段ボールで3個と分かりやすいです。たくさん収穫できる場合やたくさんキウイを購入する方はこの追熟剤を使うのが良さそうですね。
リンゴと追熟剤で比べるとリンゴ1個でキウイ10個程度、追熟剤1個でキウイ30個程度を追熟させることができますね。
追熟キウイ|追熟剤熟れごろ編
こちらも適温が15度~20度とのことですのでその環境で管理していきます。
ちなみに追熟剤「熟れごろ」はセット後3日目以降は取り出しても効果が変わらないそうですので直売所への小分け販売はこのタイミングで行うのが良さそうですね。小分けしたキウイの袋に「追熟処理済」のように記入しておけばお客様は少し待っていれば手間なく追熟したキウイが楽しめます。
収獲したキウイを袋に入れて使用個数を参考に追熟処理をしました。袋はできる限りの密閉を心がけて発生したエチレンが逃げないようにしました。
そして時は流れ、追熟剤を入れてから10日後。
小ぶりで硬かった東京ゴールドが追熟しました!キウイの上と下を押してみると軽くへこむようになり、果肉も柔らかさ・甘さが出ていました。
アップルキウイと食べ比べると微妙に味が違う(気がする)と感じられ、満足いく結果となりました。個人的には東京ゴールドの方が栽培・管理がしやすいと思います。
まとめ
0から始めたキウイ栽培ですが初収獲を迎えることができました!2023年に収穫した果実はアップルキウイ3本・東京ゴールド3本の計6本の樹から合わせて150個以上となりました。
コガネムシが大量発生した時は焦りましたがしっかりとキウイが収穫できて市販のものと遜色ない結果になったのは嬉しい限りです。2024年は200個から300個くらいを収穫できるように適切な管理を行いたいと思います。
1年以上の栽培をしてみて改めて魅力的なキウイ栽培をおすすめしたいと感じました。ツル系のキウイは病害虫や寒さに強く農薬不使用でも綺麗な果実が収穫できると思います。一方でそれなりに広いエリア(キウイ棚)が必要なことと授粉樹が必要なことが課題と言えそうですが、果樹栽培をしたいと思われているならキウイを候補に入れても良いと思います。
品種としては「黄色系」のキウイで少し高級感を出してみるのも良いですね。
うちと同じ品種なら雌樹に「アップルキウイ」「東京ゴールド」、受粉樹に「孫悟空」を入れておけば間違いないです。(アップルキウイは最初の生育が悪かったですが大きい果実が実りました。東京ゴールドは生育が良くツルがよく伸びましたが果実は小ぶりでした)
商品リンクを貼っておくので興味があれば詳細を確認してみてください。
※送料を考えると地元の種苗屋さんで取り寄せしてもらったほうが安くすませられるかもしれません(笑)
魅力的なキウイフルーツ、栽培したくなりましたか?
今回も最後まで読んで頂き感謝です。
コメント