こんにちは!管理人のすのうです。
今回のテーマは「稲藁マルチ」です。この記事を書いている9月中旬頃は稲刈りがひと段落して農作業にも余裕が出てきました。稲刈り後は稲藁やもみ殻が手に入りますので今回は稲藁を使ってマルチングすることにしました。
以前の記事では雑草マルチの話もしていますが草マルチの資材として適しているものはイネ科などの茎が硬い草です。稲藁は有機物マルチとして申し分ない資材ですのでしっかり活用していきます。
個人的には雑草マルチもおすすめだと感じます。雑草の種類によってはすぐに分解されてしまいますが写真のようにしっかり雑草抑制効果が出ています。過去には雑草マルチの話もしていますので興味があればこちらの記事も読んでみてください。
防草シートやビニールマルチや除草剤など雑草対策は多々ありますが雑草や稲藁を使った有機物マルチは最終的に土に戻るので好んで使っています。他の手法より雑草抑制効果がなかったり蒸れに注意する必要があったり手間がかかったりしますが時間に余裕があれば使ってみてはいかがでしょうか。
お米を栽培している方なら稲藁やもみ殻や米ぬかなどの資材を集めることは簡単ですが、栽培していない方はどうすればいいでしょうか?ホームセンターやネットでも販売されていますが購入するとなると割高になってしまうケースが多いのでここは注意が必要です。
(用途に応じてカットされていたり農薬不使用の稲藁などこだわり製品もあります)
そんな場合、近所にお米を作っている農家さんがいれば声を掛けてみてください。きっと快く分けてもらえると思います(^^)
声をかけるのはハードルが高い!と言われる方はジモティーなどのプラットフォームで探すことや知り合い経由で手に入らないか聞くのもいいですね。ちなみにもみ殻や米ぬかなどは地域にもよりますがライスセンターでいただけることが多いようです。事前に問い合わせしてから訪問するとスムーズに進みます。
稲藁は土壌にすき込むことで保水力や窒素供給力が増加すると言われています。分解する微生物も増加し、土が肥える効果が期待できますので積極的に使いたい資材です。今回は果樹の株元にマルチ資材として活用し、雑草抑制を狙っていきます。
まずは稲藁を運びやすいように束ねていきます。
過去にはアスパラ栽培用に小型のロールベーラを購入していますが農機具小屋の奥に置いていたため出すのが面倒で今回は手作業で束ねました。
最初は地道に稲藁のみで束ねていましたが途中からは麻紐で縛りました。すぐに果樹園に敷くためその場だけほどけなかったらいいという考えです。
私のやり方が正しいかは分かりませんが稲藁の束ね方を簡単に紹介しておきます。(一応YouTubeの動画を何本か確認してみたらだいたい同じだったので一安心しました)
手順的には①稲藁を数本持って束ねます。少し捻り気味にすると結びやすいです。②稲藁を置いてキュと力を入れます。③左側の稲藁を右側の稲藁に巻き付けるイメージで捻ります。(しめ縄のように最後まで捻って一本の縄にします)④2番の手の位置に隙間を作り3で作った1本の縄をくぐらせて完成です。
説明がうまく伝わっているか不安ですが、正直YouTubeの動画を見た方が分かりやすいです(笑)慣れてきたら束ねる量を増やしたりしていけますが最初は少ない量で慣れるまでやってみるのがいいです。
1時間程度作業してできた分を路地果樹に使いました。
稲藁マルチ前には株元の草むしりをして雑草の無い状態にしていきます。
路地栽培は雑草がすぐに生えてくるので定期的な草むしりが必要です。生えてくる雑草がツル系雑草(アサガオやヤブカラシなど)の場合はより厄介で樹に巻き付いて樹勢を低下させてきます。管理本数が多い場合は防草シートやビニールマルチを使い分けて雑草管理していく方がいいかもしれないです。
雑草のある状態でマルチすると隙間からすぐに出てきますので最初はスッキリした状態でマルチします。
以前の雑草マルチとは違って稲藁は同じサイズが集まりやすいのでとても使いやすかったです。束になった稲藁をほどいて縦方向・横方向に敷いていきます。
厚みを持たせればその分光が届きにくくなるため雑草抑制効果は高まります。確保できた稲藁と管理する果樹本数で良い塩梅にしていきます。
稲藁マルチにはメリットもあればデメリットもあります。以前に紹介した雑草マルチ記事の内容と似ている部分もありますが紹介していきます。
稲藁マルチのメリットは大きく4つあり「雑草抑制」「温度・水分調整」「土壌改良」「病気の緩和」に期待できます。
まずは雑草抑制効果ですが当然ながら株元を稲藁で覆うため雑草が出にくくなります。今回であれば稲藁を縦方向・横方向に敷き詰めているのでより雑草が出にくくなっています。稲藁は茎が硬く分解されにくいため長期間のマルチ効果が期待できます。
続いて温度・水分調整効果ですが稲藁を土の上に敷くことで太陽から直接土に光が当たらずクッションの役割をします。特に夏場は地温が上がりやすく根の浅い植物は弱りやすかったりしますがマルチをしていると土壌の温度が急上昇しないです。水分調整も同様に土が剥き出しの状態より稲藁がある方が水分蒸発を抑制しますので一定の水分が保たれやすくなります。
土壌改良効果ですが稲藁は有機物ですのでいつかは分解されてなくなります。どこかのタイミングで土にすき込み土壌改良資材としてもいいでしょうし、ほったらかしでもゆっくりと分解されていきます。野菜栽培に稲藁マルチを使う場合は収穫後などにすき込むといいですね。
最後に病気の緩和効果ですね。稲藁マルチでは土の上に稲藁を敷いているため雨が降った際、雨水の跳ね返りを緩和してくれます。土や泥には植物に悪さをする菌もあり跳ね返りによって植物の葉っぱに菌が付着し病気が出るケースもあります。ここを緩和できることもメリットですね。
次はデメリットですが「手間がかかる」「雑草抑制効果は低い」「湿度が高まる」ことが考えられます。
防草シートやビニールマルチを使う場合は当然ながらすでに商品があり使いやすい規格もありますが有機物マルチの場合は資材集めからです。稲刈りシーズンに稲藁を集めて圃場へ運搬して敷き詰める。手間がかかるため管理している面積によっては重労働です。
続いて雑草抑制効果は低いとも感じました。もちろん何もしていない状態と比べれば天と地の差があります。ただ雑草は有機物マルチの隙間を狙って生えてきますので1週間ほど経つと少し雑草の緑色が見えてきます。ここはマルチの厚みによっても効果が違いますが当然ながら厚みを持たせるとその分多くの資材を使いますので調整が必要ですね。
最後は湿度です。メリット面で水分を保てると言いましたが逆を言えば湿害の出る可能性があるということです。マルチに厚みを持たせるとより蒸れやすくなり果樹は比較的マシな気がしますが野菜の苗などは茎が腐ってしまったり蒸れにより枯れたりする可能性があります。適切な量を適切な位置にマルチすることを心がけてください。
レモン日記の記事ですが最後までレモンの話が出てきませんでした(笑)農園ではハウスレモン・路地レモンどちらも管理しており今年は路地レモンも収穫できそうです。一部はグリーンレモンとして収穫を予定しており忙しくなりそうです。
近年レモンの需要は高まっているとも感じており栽培難易度も高くないため果樹を栽培したいと考えている方はレモンを候補に入れてはいかがでしょうか?
今年も良い果実が多く収穫が待ち遠しいです。
さて、今回は稲藁マルチについて記事を書きましたが似たようなマルチ効果を発揮するのがナギナタガヤです。稲藁を持ってくるのは手間で敷き詰めるのも時間がかかる・・・ならばナギナタガヤを使ってみて欲しいです。秋に種を蒔いて発芽した状態で冬を迎える。春から夏にかけて他の雑草より背を高くして夏の暑さで自然倒伏し地表を覆う。
野菜栽培では使いにくいですが果樹栽培ならおすすめできる植物です。
茶色部分は全てナギナタガヤです。部分的に雑草が出ていますが地表を覆って雑草抑制効果を発揮していますね。
価格が高めなのでなかなか手を出しにくいです。ただ、種ができますので翌シーズン以降は種子購入をしなくても勝手に発芽します。
農業のやり方は人それぞれです。これからも楽しみながら農業をしていきます。
今回も最後まで読んでいただき感謝です。
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