こんにちは!管理人のすのうです。
今回のテーマは「雄(オス)キウイの剪定と害虫を発見した話」です。
キウイには雄株と雌株があり雌雄異株(しゆういしゅ)の果樹となっています。そのためキウイは雌株に果実が実り、当然ながら雄株には果実は実りませんし雌株だけでも果実を収穫することは厳しいです。
キウイの雌株を植えたら授粉木として雄株を植えるのが一般的で(キウイの花粉を別途購入して果実を収穫することもできます)、雌株6本程度に対して雄株1本が目安とも言われています。6本もの雌キウイをたった1本の雄キウイで受粉させる力があるのは驚きですね。
注意点としてキウイには大きく緑系・黄系・赤系キウイがあり、それぞれ花の開花時期が異なります。そのため緑色のキウイ(ヘイワードなど)は緑系キウイの開花時期に合わせた受粉木を黄系キウイ(ゴールデンキウイなど)には黄系キウイの開花時期に合わせた受粉木を選んで植える必要があります。
今回は剪定時期には少し早そうでしたが農園の雄キウイ剪定を行いましたので内容を書いていきます。ちなみに私は雄キウイをかなり短く剪定しています。理由としては雌キウイは果実を収穫するためそれなりに枝を伸ばしてキウイ棚に誘引していく必要がありますが、授粉が目的の雄キウイは花さえ咲けばいいのでキウイ棚を使い過ぎないように短く調整しています。

昨年やその前の年も短く切っていましたが、問題なく花が咲いて受粉の役割を果たしていたので今年も短く剪定を行なっていきます。
剪定での枝の残し方や樹形などは人それぞれですので私のやり方が正しいとも限りません。今回紹介する剪定は私が毎年やっている内容を紹介するものですので、その点よろしくお願いします。
そして、後半には害虫の話をしていきます。雄キウイの剪定をしていた時に幹から虫の抜け殻が出ているのに気付きました。この状態には特徴があり、キクビスカシバと思われます。
今回行った対応・今後の方向性などを書いていきます。
キウイ日記|雄キウイの剪定
雄のキウイ剪定について私が考えているポイントを紹介しておきます。キウイの栽培方法などで調べたら出てくることですが年2回の剪定が基本となります。
基本的には「冬(休眠期)」と「夏(生育期)」の年2回行うのが目安で夏は軽めの剪定にとどめます。
冬の剪定(主体になる時期)は時期の目安として12月~2月上旬頃で、この休眠期に大きめの剪定をします。
樹形を整える、混み合った枝・徒長枝・枯れ枝など不要枝を整理する作業を、この時期にまとめて行うと木へのダメージが少なく済みます。これはキウイだけでなくほとんどの果樹栽培で共通なのではないでしょうか。
夏の剪定(軽めの調整)は時期の目安として6月~7月頃で、伸びすぎた枝や絡み合う枝を切って、風通しと日当たりを良くする「軽剪定」を行います。
余談ですが以前にキウイの枝でリース作りをしたことがありますが冬に剪定した枝を使うと巻きにくいと感じていましたが、夏の枝を使うと水分を多く含んでいるためか巻きやすくて綺麗なリースが作れました。キウイの枝は需要がありますので供給先が見つかればお金に変わります。
今回剪定対象としている雄木は果実がつかないため、花が終わった後は受粉に不要な長い枝や混み合った枝を中心に整理し、棚全体の日当たりと管理のしやすさを優先して切り戻すと扱いやすくなります。
ちなみに私自身は雌キウイの夏剪定はほとんど行わずに上方向に伸びた徒長枝を落としたり、キウイ棚に誘引している雌キウイの邪魔になりそうな枝を落としたりする程度にしています。
キウイには枝を切らない方がいい時期もあり、剪定の注意点として春時期(3~4月頃)の強い剪定は樹液が多く流出しやすく、木を弱らせる原因になるため避けるのが無難です。うちのようにキウイや柑橘やブドウやイチジクなど多くの果樹を栽培していると剪定時期が被ってばバタバタしてしまうため12月上旬から早め早めに行動していくといいですね。
キウイはたった1年でもいろんな部分から枝が伸びていきます。雄木は毎年伸び放題にせず、冬に骨格を決めておき、夏に伸びすぎた枝を整理するリズムを続けると、花付きと管理性のバランスが取りやすくなります。
長々と説明しましたが、こちらが剪定前の雄キウイです。

夏場に多少いらない枝を落としているためそれほど混み合っていませんが冬の剪定でよりスッキリさせていきます。剪定は12月上旬から始めましたが、まだ葉っぱがしっかりしているので時期としては少し早い剪定です。

ここまで切ってしまって大丈夫かな?と思いますが毎年こんな感じなので雄キウイは短く剪定しても問題ありません。
特に休眠期の冬(12月〜2月)に行う剪定では、大きく枝を切り戻して樹形を整えることができます。
枝の勢いが強い場合や不要な枝は根元から短く切り詰めて剪定しても木は耐えられますが、切り口は芽の少し上を斜めに切ることが望ましいと言われていますが、そこまで意識し過ぎなくても大丈夫だと思います。当初は剪定後の切り口保護のためトップジンという保護液を塗っていましたが昨年は使わなかった気がします。
雄キウイは実をつける必要がないため、樹形の維持と受粉しやすい環境づくりを優先して短縮剪定をすることを意識しています。
尚、今回はこれから紹介する害虫の被害により残したかった枝も切っています。今年はコガネムシによる被害が出なくて安心していましたが厄介な害虫が発生していたようです・・・
余談ですが、剪定していた中で気になる症状がありました。
こちらのキウイは幹から抜け殻のようなものが見えており、剪定ばさみで枝を切ってみると中が食害されています。キウイによく出ると言われている例の害虫です・・・

キウイの幹にできた「抜け殻」と、その中にいた幼虫のようなものは、キウイの枝や幹の中を食害するガの幼虫(枝幹害虫)である可能性が高いです。
代表的なのがキクビスカシバというガの仲間で、幼虫が枝の中を食べて成長し、被害部の樹皮がボロボロになったり、フンや木くずが穴の周りに出てきます。
特徴として、枝や幹の中に潜り込んで成長し、内部で蛹になり、羽化するときに蛹殻(抜け殻)が穴から半分外に出た状態で残る害虫です。
対処方法として、幼虫が入っている(いた)枝や幹の部分は、健全部分まで切り戻して廃棄するのが基本となっており、そのようにしました。

幸いなことに根本付近ではなかったため枯れ込む心配はなさそうですが、厄介な害虫がやってきたようです。食害付近を剪定バサミで切っていくと食害されている痕跡や幼虫の姿も確認できました。カミキリムシなども同様ですが幹から侵入するタイプの害虫はそこから上の部分を枯らしてしまう恐れがあるため厄介です。
今後の方向性として、剪定作業を進め、被害状況を確認しつつ被害が大きい場合には「フェニックスフロアブル(FL)」などのキウイに適応した薬剤の使用を検討していきます。
こちらはキウイのスカシバ類に対応した薬剤となっています。使用の際は希釈倍率や散布回数、使用時期などを確認してください。
今回は雄キウイの剪定を行い、スッキリと短くしました。設置したキウイ棚は雌キウイの枝をより多く誘引したいため雄キウイは枝を伸ばし過ぎないことを意識しています。
キウイの剪定時期は大きく年2回が目安と言われており、冬に行うメインの剪定と夏に行う軽い剪定で調整していきます。特に雄のキウイは花が散った後は翌年まで役目がないため枝が伸び過ぎないようにしたいところです。
キウイ栽培を検討している方は栽培したい雌キウイ(緑系・黄系・赤系)を選ぶと同時にその色に合わせた授粉用雄キウイも合わせて用意しておきましょう。目安は雌キウイ6本に対して雄キウイ1本と言われています。
ちなみにうちのキウイ園では雌キウイ8本を栽培し、授粉木の雄キウイは9本くらいあります(笑)種苗屋さんから売れ残った苗木をまとめて購入した際に雄キウイがたくさんあったことが理由です。
キウイ棚の端っこに植えて邪魔にならないよう枝を固定していきます。
キウイは病害虫に強いと言われていますが、今年はキクビスカシバと思われる害虫が発生して食害を受けました。幸いにも致命的な位置ではなかったため、食害部分から枝を切って対応しました。
これから雌キウイの剪定も始まるため、同様の被害が多く確認されれば「フェニックスフロアブル(FL)」の散布を検討していきます。
2025年のキウイ栽培はうまくできたとは言えないため、もう少し管理をしっかりと行い2026年はたくさんの果実を収穫していきたいです。
キウイ栽培に関して、行なった作業は定期的に記事にまとめています。記事はカテゴリー「キウイ日記」に投稿していますので興味があればキウイ日記から記事を選んで読んでみてください。
何もない場所に単管パイプを組んでキウイ棚を設置した内容や初収穫の話、花粉を採取したりコガネムシ対策を頑張った話など色々投稿しています。

もふもふ農園のキウイ栽培や日常を記事にしたカテゴリーです。2022年の3月にキウイプロジェクトをスタートしました。成功するか失敗するか分かりませんがうまく栽培し、収穫できるように頑張ります。
キウイ栽培はまだまだ勉強中で参考にならない部分も多いと思いますが記事を読んでもらえると嬉しいです。手探りですが今後も挑戦を続けていきます。
今回も最後まで読んでいただき感謝です。


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