こんにちは!管理人のすのうです。
今回のテーマは「摘果果実の使い道」です。果樹栽培において、品質の高い果実を収穫するためには摘果作業が重要と言えますが摘果で落とした果実が勿体無いと感じます。今回はせとかの摘果作業を行い、たくさんの摘果果実が手に入ったので使っていきたいと思います。
今までは摘果果実を活用することが手間で廃棄していましたが良い活用法があれば今後も試してみたり直売所出荷してお金に換えていきたいと思います。
柑橘日記|摘果果実
柑橘類の摘果作業は一回で終わらせるものではなく、数回に分けて行うことが多いです。
6月下旬~7月上旬頃の生理落果が終わった後、まだ果実が小さい時に行うことが多い粗摘果、8月~9月下旬頃の果実が肥大してきたタイミングで実の数や質を見ながら調整する仕上げ摘果、収穫期直前に、品質向上や傷んだ果実の除去を目的に最終選果として行う場合もあります。
今回は「せとか」の果実を多くつけすぎていたため摘果を行い、落とした果実を有効活用していきたいと思います。
摘果果実の活用法
せとかなど柑橘類の摘果果実には、さまざまな使い道があります。主な用途としては、果汁やジュース、ジャムや蜂蜜漬け、アロマオイルや精油、機能性食品や化粧品の素材利用まで幅広くあるそうです。
果汁やジュースに加工:摘果果実は酸味が強いので、果汁や酸味を活かしたジュースに加工されることが多いです。家庭用であれば搾ってドリンクや酢の代わり、ポン酢、ドレッシングなどに活用できます。
ジャムや蜂蜜・砂糖漬け:摘果柑橘を細かく切ってジャムにしたり、蜂蜜漬けや砂糖漬けで酸味のきいた保存食にもできます。
エッセンシャルオイル・アロマオイルの原料:摘果果実の皮からはフレッシュな香りの精油が取れるため、アロマオイルや石けん、柔軟剤など香料として利用するケースもあります。
機能性食品や化粧品素材:未熟な柑橘には機能性成分(ポリフェノールやクエン酸など)が多く含まれ、サプリメント、育毛剤、スキンケア製品の原料としても活用されています。
飲食店での食材利用:果肉のプチプチした食感を活かし、料理やデザートのトッピング材料として使う取り組みも一部で始まっています。
様々な活用法が出ましたが、今回はシンプルにジュースにして楽しみたいと思います(^^)
ちなみに過去には摘果果実を搾ってレモンの代用にしたことがあります。酸味が強く代用しても違和感なく使えました。
せとかの摘果
こちらが今回の摘果する柑橘類「せとか」です。
高級フルーツに位置するせとかは別名「柑橘の大トロ」です。
ちなみにせとかの摘果時期は「7月下旬から8月上旬」ごろにかけての粗摘果が基本とされ、その後必要に応じて8月下旬以降に仕上げ摘果を行います。
仕上げ摘果(二次摘果)は8月下旬~9月初旬、実の肥大を確認しながら必要数まで減らします。今回の摘果作業はここに該当します。
摘果の目標には葉果比(1果あたりの葉数)」というものがあり、ここをバランスよく保つことが大切です。せとかの場合は1果あたり100~130枚の葉を確保するのが理想とされています。果樹栽培をされている方はこの枚数がものすごく多いことがわかると思います。せとか1果を甘く仕上げるためには多くのエネルギーが必要となります。
写真のせとかは一目瞭然で果実をつけすぎですね。形の歪なものや傷のあるもの、小さなものなどを中心に果実を落としていきます。
粗摘果がろくにできていなかったためたくさんの果実をつけたまま現在に至ります。そのためかなりの量の果実を落として調整しました。
摘果果実のジュース活用
摘果したせとかは、家庭でも簡単にジュースとして楽しめます。主な作り方は「果汁を搾って、そのまま飲む」「炭酸や牛乳と混ぜてアレンジする」「ミキサーで果肉ごと活用する」などがあります。
基本のせとかジュースは、せとかの皮をむき、果汁を絞る(搾り器や手絞りでOK)、絞った果汁をグラスに注ぐだけでも、爽やかなフレッシュジュースになります。摘果した果実がたくさんあればストレートに果汁100%ジュースを楽しめますね。
※実際に飲むとストレート果汁は濃すぎて咳き込みそうです(笑)砂糖で甘さ調整をしたり炭酸水などで割って飲むことを強くおすすめします。
アレンジ方法としては果汁50ml+果汁の30%ほどの砂糖+炭酸水200ml+はちみつ小さじ1をグラスで混ぜると、酸味と甘みが活きた清涼飲料になり美味しいです。薄皮ごと適当な大きさに割ったせとかをミキサーに入れ、はちみつと一緒に撹拌すれば食物繊維たっぷりのスムージーに、輪切りにしたせとかとはちみつ・水を耐熱カップに入れ、電子レンジで温めてホットドリンクにして飲んでも美味しくいただけます。
個人的には搾った原液1に対して炭酸水や水などを5で調整すると飲みやすいと思います。
今回使う果実は熟した果実ではなく摘果果実なので注意点もあります。
ポイントとして摘果果実は一般的な完熟果より酸味が強い場合が多いので、はちみつや砂糖などで好みの甘さに調整するとよいでしょう。大体搾った原液の30%くらいの砂糖を入れると美味しいです。
皮ごと使う場合は農薬の有無に注意し、良く洗ってから利用するのが安心です。
せとか特有の濃厚な香りやさわやかな酸味を活かして、摘果果実も美味しいジュースにできますね(^^)
摘果ジュースのレシピ
簡単にではありますが、今回作った摘果せとかジュースのレシピを紹介していきます。
手順はとてもシンプルで①摘果果実を洗う②ハンドジューサーで絞る③原液に30%の砂糖を加えて加熱する④保存容器に入れ、飲む際は原液1:炭酸水などを5の割合で楽しむ。これだけです。
私はハンドジューサーが使いやすいので使っていますが摘果果実が絞れたらなんでもいいです。
1つあると何かと重宝します(^^)
ちなみに摘果果実は半分に切ってからハンドジューサーで搾っています。
摘果果実はまだまだありますが、とりあえずある程度の原液は確保できたので次に進みます。残った摘果果実はジャムなどに活用しようと思っています。
原液を調べると550mlありました。ザルなどを使って種や皮などを取り除いたら原液に対して30%ほどの砂糖を加えて加熱していきます。大体ポツポツと泡が出てくるくらいまで加熱しました。
あとは保存容器に入れて完成です。瓶などを購入して原液を入れるとおしゃれですね。
これぞ丁寧な暮らし(笑)
まとめ
果樹栽培では高品質な果実を収穫するために摘果作業を行うことが一般的です。
摘果した果実は使い道がなさそうで、そのまま捨ててしまっていることも多いのではないでしょうか。
特に柑橘類の摘果果実はとても香りが良いので是非とも有効活用したいですね。捨ててしまっていた摘果果実がジュースなどで楽しめたり直売所などでお金に変わったりするのは魅力的です。
今回はシンプルながらも柑橘類の香りや酸味が楽しめるジュース作りをしてみました。結果は大成功でフレッシュな香りと酸味を感じられ満足です。
農園のせとかはここ数年、まともに収穫できていないため今年こそ残した果実をしっかり管理して冬に収穫したいと思います。
せとかの栽培はビニールハウス栽培と露地栽培の両方を行っていますが今年に限っては露地栽培の調子がよくたくさんの果実がつきました。部分的にアゲハ蝶の幼虫が葉っぱを食害しているため今後も注意が必要ですが追肥や雑草管理などをしっかり行っていきます。
今回は柑橘類の摘果果実活用として「せとか」を選んでみました。せとかの記事はカテゴリー「せとか日記」にまとめていますので興味があれば他の記事も読んでみてください。あまり栽培に変化がなく記事は少なめですが今後、少しずつ記事が増えていくと思います。
今後はビニールハウス栽培のせとかだけでなく露地栽培せとかの記事も書いていこうと思います。
今回も最後まで読んでいただき感謝です。
コメント